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鉄道構造調整計画関連合意文

労使政委員会「公共部門構造調整特別委員会」は、列車の1人乗務化など、鉄 道部門の人材縮小計画と関連し、これまで鉄道庁の労使及び関連部処の意見 を総合的に聴取する一方、公益委員が直接機関車に搭乗し、実態を点検する 等、合理的な結論を挑出するために諸般の努力を傾けてきた。

これに2000年度の政府の鉄道部門人材縮小は計画通りに施行するものの、列 車1人乗務化は安全設備の改善などの補完措置が先行しなければ、安全運行に 問題が発生するという公益委員の実態点検結果の報告を尊重し、本委員会は 次の通り合意する。

  1. 人材縮小

    99年度定員縮小人員中

    • 構内機関士、女子列車乗務員の外注化は十分に検討することとし
    • 管理・支援分野人材を縮小して充当する。

    2000年度定員縮小計画人員中

    • 列車1人乗務化部門では
      • 旅客列車は安全設備(列車無線防護装置、運転警戒装置、ディーゼル 機関車コントロールパネル改良、電車台設置)を補完後試験運転期間 を経て段階的に施行する。
      • 貨物列車は現行の与件上、施行が難しいために留保するものの、これ による縮小人員は安全設備補完の必要性など鉄道の特殊事情を勘案し て現員整理期間に弾力性を認める。
  2. 鉄道民営化

    鉄道民営化と関連した政府の細部計画が確定していないが、鉄道庁と鉄道 労組の意見は次の通り。

    • 鉄道庁: 民営化に必要な最小限の行政所用期間を勘案して充分な準備を 通じて民営化がなされるように関係部署と積極的に協議する。
    • 鉄道労組:鉄道民営化は基盤施設拡充と共に高速鉄道運営等で他の交通 手段との競争力確保が前提とされなければならない。

2000年12月10日

労使政委員会

公共部門構造調整特別委員会

■特別団体交渉実務協議■

  1. 「貨物列車機関士1人乗務」の留保によって発生する人材縮小分は、管理 分野人材を最大限縮小するものの、「労使協議」にかける。
  2. 「機能職の昇進積滞を解消」するために、上位職級を最大限確保する。
  3. 業務量増加など人員のうち、所要部分の定員確保のために関係部署と積 極的に協議する。
  1. 12.10

使用者実務代表鉄道庁勤労者実務代表全国鉄道労働組合

※労使政合意文にともなう特別団体交渉案の実務協議の結果、今後庁長と委員長が協定を締結すること。

《鉄道構造調整計画関連合意文解説》

今回の合意文は、包括的で原則的な労使政公共特委の合意文と、これにともな う細い事項に対する特別団体交渉としてなされた。その内容を注意深くみると 次の通り。

  1. 組合員強制退職防止

    政府の公共部門構造調整計画が強力に展開されている現実で、今年度の 縮小計画2346人が計画通り進められる場合、2001年度末には相当数の強 制退職者が発生する状況だった。鉄道の1年間の定年退職、名誉退職、依 願免職の数が平均1200余名であることを勘案すると、1年間の猶予期間が あっても相当数の強制退職が予見される状況だった。これを防止するた めに、合意文に「現員整理期間に弾力性を認める」という内容を挿入す ることで、2001年以後も実質的に現員を認めることによって強制退職は 無くした。

  2. 貨物列車1人乗務留保、これによる未縮小人員は管理分野で代替

    公共特委委員は、機関士1人乗務に問題があり、特に貨物列車の1人乗務 は安全に問題があるということを先般の試験乗務を通じて共感した。

    したがって、貨物列車1人乗施行(981人)を留保することにし、これにと もなう未縮小人員は現員の整理期間を遅らせて労使協議により管理分野 人員で最大限に代替することにし、他分野の被害が無いようにした。

  3. 旅客列車1人乗務化は安全設備後段階的実施することに

    旅客列車1人乗務化は各種安全設備(列車無線防護装置、運転警戒装置、 ディーゼル機関車コントロールパネル改良、電車台設置)を完了した後、 試験運転期間を経て段階的に実施することにした。

  4. 業務量増加にともなう定員確保

    現在、政府の構造調整方針は人員増加は許さず、業務量が増加しても人 員増加は不可という方針だ。しかし構造調整改革が終わる来年度後半期 以後は、業務量の増加によって人員を増やせるようにした。

  5. 上位職級拡大で昇進積滞解消

    組合は昇進積滞を解消するために、上位職級を最大限に拡大することに した。

  6. 民営化は政府の細部的な方針が決定されず、労使の立場だけを確認した。

    すなわち、鉄道労組は基盤施設拡充と高速鉄道運営等で他の交通手段と の競争力確保が前提とされなければならないことを明示し、鉄道庁は政 府の立場だが行政の所要期間を勘案し、充分な準備期間を持つことを明 示することで、2002年の民営化は不可能であることを表した。今回の合 意に対して労働界では政府の強力な構造調整に対抗し、組合員のために 最善を尽くし、被害を最小化したと評価した。

    すなわち、強制退職を予防して雇用不安を除去し、国民の安全のために 機関士の1人乗務を阻止し、これに伴い発生する他の分野の人材縮小の被 害を最小化することによって、職種間の葛藤を最小化させ、昇進拡大と 定員を拡大する契機を用意したことに意味を付与している。

http://kdrl.jinbo.net/files/cno5.htm


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