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有煙炭の分割購買はダメ、天然ガスは分割購買?

[寄稿]一進一退MB政府の発電・ガス先進化方案

ソン・ユナ(社会公共研究所)/ 2008年10月17日14時24分

10月10日に発表されたMB政府の3次先進化方案のうち、発電とガスなど主要国家 エネルギー基幹産業先進化方案は矛盾の塊りで、一貫性のない方案の典型だ。 2001年、ひたすら『売却』、つまり私有化のために、韓電で火力と複合5社に分 割した発電子会社には、「発電社別に燃料の個別購買と共同購買の戦略的運営」 を発表したが、韓国ガス公社は「ガス公社が独占する天然ガス導入・卸売部門 に2010年から新規民間事業者も進入を認める」と言い、「発電用物量にまず競 争を導入した後、産業用に競争範囲を拡大」と発表した。しかし、電力生産の 燃料である有煙炭は、この6年間、分割してきたが問題があり、共同購買にする べきだと言って、同じ燃料の天然ガスは発電子会社と民間事業者(浦項製鉄、 SK、GS)が各自の判断で直導入も推進し、燃料競争をしろということだ。同じ燃 料である有煙炭は共同購買に戻し、天然ガスは競争購買するというのだ。

電力生産での発電会社の燃料は、有煙炭、無煙炭、石油、ウラン、天然ガスだ。 各エネルギー源別の発電量構成の割合は、石炭が38.6%、天然ガス(LNG)が 19.5%、原子力が35.5%、石油が4%である。100%の国民が使う電力を生産するに あたり、結局石炭で生産する電力が40%程度、天然ガスで生産する電力が20%程 度だと思えばいい。ところがエネルギー産業全般で本格的に私有化政策が進め られる前、つまり発電子会社が売却のために韓電から分割される前には、韓電 が有煙炭を共同購買した。天然ガスは2004年に浦項製鉄とSKに直接導入権を認 める前は、韓国ガス公社が全的に導入・卸売し、当時の韓電の発電部門に電力 生産の燃料として供給する構造であった。

しかし会社を分割すると、これまで韓電が一括で行っていた燃料購買業務が発 電5社に移管され、別々に購入する形に変えざるをえず、購買交渉力は低下した。 交渉力の低下は有煙炭の購買単価上昇につながり、当然、電力料金値上げの要 因として作動する。さらに現在のような原油高局面で、有煙炭価格上昇局面で は石炭の需給能力も深刻に脅かされている。2005年トン当たり平均48ドル、 2006年は49ドルなど、安定していた有煙炭価格は、2008年1月には90ドルと二倍 以上急騰し、3月には125ドルにまで上がった。石油価格上昇で有煙炭の需要が 急騰したためだが、これにより生産単価のうち有煙炭の比重が高いセメント、 鉄鋼などは系列会社が共同購買をするなど、交渉力の強化と導入単価を下げる ために非常をかけている。

有煙炭共同購買への回帰、発電所分割売却政策の失敗を認めるもの

天然ガスは、2004年以後一時、ガス公社の分割私有化が中断されていたが、分 割売却ではなく競争導入の形で浦項製鉄、SK、GSなどに自社消費用と民自発電 用での直導入を許した。これは市場開放の形でガス公社私有化を再推進する形 態として理解すればいい。直導入を認める過程で、発電子会社にも複合火力発 電用燃料の直導入を認めている。しかし、競争導入のために進め直導入は、 2004年に浦項製鉄55万トン、SK60万トンの直導入以上に進まなかった。有煙炭 の分割購買が経済性が低いのと同じ理由だ。ただし浦項製鉄と、SKは2004-5年 まで、一時的に存在していた国際天然ガス市場の特典を十分に享受した。その 後、190万トンの直導入を認められたGSは、天然ガス導入を放棄してガス公社に 物量を依存することに決めた。最近、浦項製鉄も自社が所有する仁川西区の浦 項製鉄パワー複合火力発電5-6号機の100万トンの物量をまたガス公社に依存す るようになった。発電子会社直導入もうまくいったことはなく、発電5社は相変 らずガス公社に卸売物量を依存している状況だ。政府が天然ガス直導入政策を 進めても、結局購買交渉力の問題、石油価格の上昇と連動する天然ガス価格の 上昇など、国際エネルギー情勢により直導入政策そのものの実効性が深刻に疑 われていたのが最近までの情勢であった。

ところが10月10日に発表された3次先進化方案で、有煙炭はまた戦略的共同購買 に、天然ガスは2010年の物量から新規事業者進入および発電用物量から競争す るという矛盾した政策を出している。有煙炭共同購買への回帰は、発電所の分 割売却政策の失敗を明確に認めるものでしかない。実効性なく迷走した直導入 の拡張をまた進めることも、政策の失敗を認めない傍若無人な態度だろう。 電力産業の統合的再編、電力とガス間の相互補完およびエネルギー需給調節の 役割強化が今のような原油高とエネルギー危機の時代の唯一の解決法だ。政府 はエネルギー産業の後進化をあおる先進化方案を撤回し、電力とガスの需給調 節の役割を回復していかなければならない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-10-21 04:48:22 / Last modified on 2008-10-21 04:48:23 Copyright: Default

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