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韓国:水西発KTX子会社案、民営化の疑問が拡散
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水西発KTX子会社案、民営化の疑問が拡散...「国土委の独走を止めろ」

野党、「民間検討委を解体して国土委鉄道発展小委を構成しろ」

キム・ヨンウク記者 2013.06.18 00:00

国土交通部のKTX水西発路線の子会社運営案をめぐり野党の国会国土交通委員は民営化の事前段階ではないかという疑惑を提起した。野党の議員らは、国土部が子会社の根拠として提示した鉄道公社の競争体制という論理の問題を指摘し、鉄道公社の赤字の根本的な原因を問い詰めた。

6月17日、国会国土交通委の業務報告で、野党の議員らはすでに国土部が民営化 の前段階である子会社案を作って独走しているとし、国土委で小委員会を構成 して鉄道発展のための社会的合意をしなければならないと要求した。

民主党の李美卿(イ・ミギョン)議員は「なぜ鉄道公社の負債が増えたのか、 全般的な分析と公開が必要だ」とし「鉄道の上下分離(施設課運営の分離)により 鉄道の負債も解消し、競争も導入すると言うが、10年が過ぎても負債があるとか ないとか狭く見ている。事実、鉄道の負債は政府が望んだ事業をしたことによるもの」 と指摘した。

李美卿議員はまた「国土部は、鉄道公社の子会社を作ることは民営化の手順では ないと言っているが、よく検証しなければならない」とし「鉄道上下分離10年から、 さらに鉄道発展計画のために、政府は公開の社会的合意機構を作り、国会は 国会で小委員会を構成して検討していかなければならない」と国土委鉄道発展 小委員会の構成を提案した。

統合進歩党の呉秉潤(オ・ビョンユン)議員も「鉄道負債を理由として大衆療法 を提示し、子会社を設置しようというのが、果たして民営化ではないという 言葉を国民が信じるか」とし「今回の子会社推進の過程を見れば、国会議員室との 協議も説明もなく、労組と対話もなかった。民間検討委員の構成も市場主義者を 連れてきて効率性だけを強調している。政府が国会、鉄道公社、鉄道施設公団、 労組、専門家、関連市民団体を集めて意見を聞かなければならない」と小委の 構成を要求した。

「民間検討委解体、国会が中心になって世論を反映させろ」

特に、民主党の辛基南(シン・ギナム)議員は、国土部などが昨年から民営化の 礎石を固めるためのフォーラムを構成するメンバーが、持ち株会社の運営案を 提示した民間検討委に参加したという疑惑を提起し、KTX民営化の議論はさらに 強まりそうだ。

辛基南議員は「国土部は鉄道民営化が世論の反対にぶつかると、コレイル持ち 株会社案を持ち出したが、段階的な民営化でないかという議論が多い」として 「国土部は失敗した英国の鉄道民営化をしばしば例にあげているが、英国は 民営化以後にサービスが低下し、鉄道料金は天上知らずに上がっている」と指摘した。

辛議員は「昨年8月31日に国土部の関係者が鉄道施設公団、韓国交通研究院の 関係者を招集し、鉄道改革に対する社会的共感を拡散するための戦略報告書を 発表した」とし「報告書の主題は競争体制の導入、鉄道改革のための共感の 拡散だが、核心当事者である鉄道公社や鉄道で働く人々、社会団体は議論の 過程から排除し、国土部が語る競争体制の導入、第2民営化のために鉄道公社を 枯死させようとした」と指摘した。

辛議員は6月16日に報道資料で「該当報告書で提案された『鉄道発展フォーラム』 に参加した人物の6人のうち5人が、4月末に構成された鉄道発展方案民間検討委員に 参加している」とし「鉄道民営化に対する賛否世論を公正に反映すべき民間の 検討委員会の構成が、民営化賛成論者を中心に形成された背景に、こうした事前の 共謀作業があったことを疑わせる」と明らかにした。

辛議員はこの日、国土委でも「民間検討委員会の主力は全員当時フォーラムの メンバーで構成されていて、民間検討委が出したという(持ち株会社)結論も、 既存の(民営化)主張の延長だと認識される」とし「4月に構成された民間検討委 が5月13日に結果を発表し、国民的な合意を導くべき委員会が、わずか一か月で 結論を出すのは常識的ではない」と指摘した。

彼は「国土部は、まだ民間検討委の構成の過程と議事録などの資料を提出 していない」とし「民間検討委を解体してまた国会が中心になって、世論を 反映した合意を導くことが妥当だ」と小委の構成を要求した。

徐昇煥(ソ・ソンファン)国土部長官は度重なる民営化の疑問に対して「絶対に 私たちが推進しているのは民営化ではない」とし「株式売却を徹底的に禁じる 案があり、競争体制の議論は急造されたものではなく長い研究に基礎をおくもの」 と強調した。

辛基南議員が提起した委託報告書の疑惑には「(報告書が)民営化に関して研究 を行なわせたと言うが、現在の鉄道競争体制は全く民営化を考えていないので、 委託報告書自体はあまり有効性がない」と委託報告書の存在を認めた。ソ長官 は、しかし民間検討委員会に対して提起された疑惑については言及しなかった。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-06-18 09:38:38 / Last modified on 2013-06-18 09:38:39 Copyright: Default

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