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韓国:撤去民のための弁明
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撤去民のための弁明

[コラム]金品恐喝犯になった化粧品店の主人

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イ・ジョンフェ(龍山氾国民対策委)/ 2009年05月08日11時06分

今日5月8日、チョン・サムレ、チャン・ヨンヒ氏ご両人の拘束適法可否審理が あります。チョン・サムレ氏、そして高校3年、小学校6年の二人の子供だけが 家を守って待っているお母さん、水原コンソン地区撤去民チャン・ヨンヒ氏が ぜひ釈放されるよう願います。

率直に話せば、私が知っているチョン・サムレ氏はまちがいなく女性だ。常に 整った顔と従順な声から、そのすっきりした様子まで。彼女は黒石市場が整備 される前の20数年前、道路周辺の家を賃借りして、化粧品店をしてきたという。 ところがある日、在来市場育成特別法で再開発の許可を受けた組合が、用役を 動員して黒石市場に店と露店を壊して入ってきた。

300万ウォンを受とって出ていけと言われ、とてもくやしかった。悪口を吐き、 小便をして家を壊して入ってくる用役と戦いながら、彼女は闘士になった。他 の撤去民と同じように、彼女も警察を見るだけで、俗っぽく言えば目を剥いた。 用役が暴行していると通報しても、ゆっくりきたり、来たとしても腕組みをし て見守っていて、終ればむしろ殴られた人を拘束するのが常というのが、彼女 がみた警察だったからだ。本当に皮肉なのは、彼女の夫は昨年まで現職の警察 だった。彼女が拘束された。

私たちにとって、貧民街は今の韓国社会を作った場所だ。低い穀価に耐えられ ず離農した人々が産業予備軍を形成し、低賃金を維持する空間だった。交通施 設などが不備な市の外郭に移住した撤去民は、労働市場に復帰するために投機 屋たちに土地を転売した後、都心や市外郭の無許可の定着地を転々とする悪循 環を繰り返した。

80年代末以後は、過剰資本、いや不正な金の欲望と投機と利益が綴られた空間 だった。よく見れば、撤去を1回だけでなく、2回、3回と経験する撤去民が少な くないのもこれに由来する。貧民街や撤去村をのぞき見れば、朴正煕の経済開 発政策があり、盧泰愚の200万戸があり、金大中のバブルと二極化がある。決定 的な経済崩壊を防ぐために不動産バブルを維持しようとありったけの力をふり しぼる李明博政権にとって、撤去民も大運河も、犠牲であるのは同じことだ。

必要な時は適当に維持し、不要になればはき捨てる多種多様な開発計画があっ た。当然、開発事業の名称も違い、それぞれの事業が基づく法律も違い、事業 が進められる方式も違う。施行する再開発が『住宅再開発事業』なのか『住居 環境改善事業』なのか『都市環境整備事業』なのか『住宅再建築事業』なのか、 何が何だかまったく雲をつかむようだ。

人々は事業の種類とは無関係に、すべて再開発事業と受け止めているが、名前 も基づく法律もそれぞれ違い、一貫性もない。そして居住者の要求で形成され る再開発ではなく、住居環境改善より利益が優先で、住民の権利は基本的に排 除され、家と共に家族、地域共同体が破壊されるのは当然の事だろう。ある町 で兄と弟、そして長老と信徒がかたき同士になるのは茶飯事だ。

ただ一つ暴力的という一貫性はある。時間が金なので、用役を動員して速戦即 決で処理し、ここに権利を口にして強情を張れば、監獄に行くことになるのが 再開発地域だ。当時、現職の警官だったチョン・サムレ氏の夫が、夫人が監獄 に行くことになり、「犬法」だと嘆いたことを理解することができようか。

そう言えば光州大団地事件もあったし、不良市営アパート、ワウ・アパート崩 壊事件もあった。無等山チーター事件もあったし、キム・ドンウォン監督の上 渓洞オリンピックもあったし、龍山惨事もあった。今はとぼけ続けているが、 龍山惨事が起きてハンナラ党では循環式開発と言って法案を改正すると言及し たのを見ると、法もなく、だから無法天下だということを彼らも知らずにいる とは思えない。

惨事がおきたナミルダンビル近くの町、5区域はすでに再開発が終わり、南山と 漢江が全て見える44階の住宅商店複合建物が建っている。最近のように家の値 段が下がったと騒いでも、坪当たり4千万ウォン以上の値がつく、それこそソウ ルで最も高価なアパートだ。だからその近所に住む人たちは、入居する意欲も 出せない所になってしまったが、まして借家人だ。イ・ヨンヒ氏は300万ウォン 払うから出て行けと言われて憤慨し、循環式開発と賃貸住宅を要求して何と6年 間も戦った。子供が見ている前で用役に家が壊され、殴られ、さらに子供たち まで暴行され、結局は監獄にも行ってきても戦った。

昨年末、龍山5街の撤去民対策委員会イ・ヨンヒ氏は、組合、きちんと言えば都 市環境整備事業組合、そして施工者のサムスン建設、現代建設と住居移転費 2000万ウォン、生活支援費2000万ウォン、理事費1000万ウォン、そして負傷者 に合意金および慰労金500万ウォンと、賃貸住宅に入居するまでの臨時住居費用 210万ウォンで合意した。6年間、多くのテントを張り、むちで打たれ、監獄に 行って、1億の値をつけるその町内の土地一坪の値段にもならない5710万ウォン で合意をしたのだ。

その合意の代価として、組合と施工者のサムスン、現代建設が「家賃入居者と して住居生活などを確保する金がない庶民の哀歓が発端になった苦しい境遇の 立場から起きた出来事だった、...... しかも二人の子供を持つ家庭の主婦で、 家庭生活にも非常に困難を味わ」い、「善処をしてくれ」という嘆願書を法院 に提出して、監獄から出てきた。しかし早くから地獄の時期をあじわった子供 たちに人を描けと言うと怪物を描くというのだから、その代価はあまりにも苛 酷ではないか。

労働者たちが労働条件改善のために労働組合を作れば、民主労総でも韓国労総 でも上級組織に加入する。同じように、暴力的で一方的な撤去にあう住民が撤 対委、つまり撤去民対策委員会を作り、全国撤去民連合のような上級組織に入 る。全撤連が民主労総と違うのは、任意団体だということだけだ。ところが龍 山惨事が起きた後、検察は全撤連を集中的に調査し始めた。マスコミには全撤 連が撤去地域に入って共に戦ってやり、金を恐喝する組織暴力団であるかのよ うな情報を流した。

安城村の街にある市価七千万ウォンの組織暴力団の親分ナム・ギョンナムの家 は豪華住宅として描かれ、全撤連の口座を調べて全撤連所属地域撤対委撤去民 をせめたて始めた。それでも何も出てこないので、ソウル市龍山再建築工事の 現場で撤去工事を妨害しないことを条件に、金品を取り込んだ共同恐喝などの 疑いでチャン・ヨンヒ、チョン・サムレを拘束させ、イ・ヨンヒを不拘束立件 した。サムスン建設と課現代建設に恐喝で金品を取り込む合意した当時、全撤 連総務局長のチャン・ヨンヒ氏、全撤連黒石委員長のチョン・サムレ氏は傍聴 人だった。通る犬も笑う。

乱開発でなく、住民参加公営開発のために、そして暴力を根絶するために、直 すべき法は、すでに発議されていたり、発議される予定だ。ところが龍山惨事 でこの大騷ぎになっても今の臨時国会で民生法案の名で再建築時賃貸住宅建設 義務を廃止した。そして今、ソウル市は500か所を越える場所でまた再開発を急 ぐという。5人が死んでも、土地を愛する者、傲慢な者どもの天国は空の高さと 知らずに舞い上がる。火の中の、暴力の叫びが聞こえもしない、同じなのに互 いに通じない言葉を駆使する者たちのバベルの塔を、李明博の神は容認するの だろうか。

『小人が打ち上げた小さな球』で、小人の子供は泣き叫ぶ。「天国で暮す人は 地獄を考える必要がない。しかし私たち五人家族は地獄に暮しながら天国を考 えた。たった一日も天国を考えなかった日はない。」

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-05-09 22:24:13 / Last modified on 2009-05-09 22:24:15 Copyright: Default

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