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韓国:鑑識専門家、「発火原因を火炎瓶と断定できない」
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鑑識専門家、「発火原因を火炎瓶と断定できない」

竜山撤去民鎮圧裁判、火災原因・発火地点めぐって舌戦

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キム・ヨンウク記者 batblue@jinbo.net / 2009年09月18日8時40分

9月15日、ソウル中央地法刑事合意27部(部長ハン・ヤンソク)は、消防・鑑識の 専門家を証人に呼び、竜山撤去民の高空櫓鎮圧の過程で、撤去民5人と警察特殊 部隊1人が死亡した事件の審理を開いた。この日、消防・鑑識の専門家は検察側 の証人として、それぞれ異なる角度から写した映像と現場鑑識の結果等により、 発火原因を火炎瓶と特定するのは難しく、発火地点も中が先か外が先か認知推 論は難しいと証言した。

こうした証言により、キム・ヒョンテ弁護人は「検察は控訴状で、櫓内部の4階 から3階の階段での火炎瓶が発火原因だと主張するが、今日、三つの異なる角度 の動画を見ると、片方は外部が先のように見え、他の映像は先に4階から火が落 ちている」とし「この動画で4階から3階にわざと瓶を投げたと特定するのは難 しく、故意か過失で火災が起きたかどうかはわからない」と述べた。

この日、現場目撃証人に出た竜山消防公務員(16年間勤務)のA氏は「『デモ隊が 屋上からガソリンをまいて火を付けている』と無電報告したのは大きな煙が一 度あがったので、救急車がたくさん必要な状況で、急ぐ気持でそう話した」と し「実際に火を付けたというのではなく、危険なので、もっと救急車が必要だ という趣旨の過敏反応だったようだ」と自身の陳述を翻意した。

彼は屋上の櫓から分からない液体があふれる直前の状況について「真っ黒な煙 がたくさん出て、そばの警官はわからないが私は危険かもしれないと思った。 煙が出ていなければ深刻とは考えなかっただろう。煙が激しければ火花が少し 散っても火事になる」と証言した。

彼は「事件が発生する数十分前に用役が火事をおこしたのを見たし、櫓の中に シンナーがあることも知っていながら、警察が進入するのは危険ではありませ んか?」という弁護人の質問には「非常に危険だ」と答えた。「個人的に鎮圧 しなければと思うか?」という質問には「そんな状況にしてはならない」と答えた。

だが検察は「その日、なぜ火災が発生したと思うか」と質問したが、A氏は「そ の部分はよくわからない。私が鑑識をしたわけではないので話すべきではない」 とのべた。検察が「当時そう感じたのでなく、結果として多数が死んだので、 鎮圧をしなければというような趣旨で話したのか?」という質問には「そうだ」 と答えた。

[出処:チャムセサン資料写真]

二番目の証人に立った国立科学捜査研究所(国科捜)の火災研究室室長B氏は、 13年間、火災を鑑識してきた。B室長によれば、当時、火災は急速燃料から出た。 急速燃料はLPGとシンナーがあったがLPGボンベは閉じられており発電機のスイッ チも入っておらず、電気的な発火原因は排除した。

B室長は当時、火が上がる前に非連続的にまかれた液体を人為的と見るのは難し いと述べた。彼は検察からの「櫓で最初に火災が発生したと推定される地点は どこか?」という質問に「初めの動画では3階から、二番目は4階でさらに早いよ うだ。4階かもしれない。発火地点は正確に特定できない」と話した。また、 「4階の隙まで小さな火が出た後、また3階が明るくなる。それが火炎瓶を投げ たためといえるか?」という質問にも「動画だけでは断定できない」と証言した。 続いて検察が「櫓内C区域の鉄階段上から壊れた瓶とガラスの破片が融けたもの が出た。これが火炎瓶を内部から階段側に投げたと見られるか?」という質問に も「火炎瓶を投げたとは断定できない。階段で発火したのかどうかは分からない」 と話した。

キム・ヒョンテ弁護人がB室長に「市立大学のユン某教授の鑑定書は外部の火が 櫓内部の油の蒸気で急速に広がったという内容があるが、櫓の外の油蒸気で先 に火事が起きると思うか?」という質問に彼は「十分に推論は可能だ」と答えた。

また「櫓の中はシンナーと油蒸気でいっぱいだが外から水をかけることは櫓の 中の火災を防ぐのに役に立つか?」という質問には「直接的な助けにはならない、 シンナーの蒸気を少なくすることにはなるが、逆にシンナーを広げることにも なるので、良いとはいえない」と答えた。

続いて国科捜からの二番目の証人、C氏もそれぞれの動画を見て「発火原因を火 炎瓶と推論するのは難しい。発火場所も中か外かあい昧だ」と明らかにした。

だが動画を主に判読した京畿消防防災研究所のD所長(経歴6年)は「発火を推論 しろといえば4階で火花が見え、階段側で火災が起きたという情況はある」とし 「3階だ4階だとは言えず、その間で火花を含んだ液体が落ちた」と話した。D所 長はキム・ヒョンテ弁護人と動画解読で舌戦を繰り広げた。D所長は櫓外部1階 の床で火が上がったのが見えないかという弁護人の質問に「3階でまず火事が起 こり、3階の隙間から出てきたあかりが反射して、1階の外に火がついたように 見えるのだろう」と話した。

だが弁護人は「画面をよく見れば、櫓の3階の暇からあかりが漏れているのでは なく、1階の床で出たあかりがコンテナと櫓の間から洩れるのを櫓内部の間から 見えているように思われる」と主張した。李某所長が現場鑑識に参加せず櫓の 構造について弁護人との舌戦もあった。

キム・ヒョンテ弁護人は初めての弁論で「検察が4階から3階に火炎瓶を投げて、 3階で火事が起こったと主張する控訴事実を確認するのは難しく、もし誰かのミ スで火が起きたのなら特殊公務執行妨害致死罪の成立は難しく、共同正犯でな くて過失致死でも、誰が過失をしたのか分からず、被告人は無罪であることを 立証する」と述べている。共謀共同正犯は2人以上が犯罪を共謀して、そのうち 誰かに犯罪を実行させた時、実行しなかった共謀者も共同正犯になるという判 例上の理論だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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