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韓国:最低賃金委公益委員の『沈黙』で議論
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最低賃金委公益委員の『沈黙』で議論

「労使が自ら意見を狭めろというようなもの」

キム・ヨンウク記者 batblue@jinbo.net / 2009年06月25日12時52分

来年の労働者最低賃金引上げ率の最終決定を目前にしても、最低賃金委員会の 公益委員が積極的な仲裁の努力をしないという『沈黙』で論議がおきている。

6月19日に開かれた6次全員会議で使用者側は、修正案として-5.8%から-4%削減 案を、労働者側は28.7%から20%の引き上げ案を出した。この日、双方の引上げ 率修正案の違いは何と24%にもなった。特に使用者側は、相変らず削減案を固守 しており、労働者委員の反発は強い。最近数年間、最後の会議を前にした会議 では、修正案の違いが20%を越えたことはない。

年度別最低賃金額現況によれば、06年には(2007年適用)労使の初提示案が各々 35.5%と2.4%だったのが、最終会議前の4次会議で18.4%と6.6%の修正案が提示さ れた。11.8%差に狭まったのだ。最低賃金委員会の資料は公益委員の調整と説 得努力のためだと説明した。

07年(08年適用)には5次会議で21%と2.4%と、18.6%の差が出た。李明博政権に なった08年(09年適用)には、やはり5次会議で20.2%と2.0%で18.2%の差が出た。

労働界は例年より双方の要求案の溝が狭まらない理由として、公益委員が積極 的な仲裁努力をしないためと指摘した。

労働者委員として会議に参加した韓国労総のペク・ホンギ事務総長は「例年は 労使の案に公益委員がコメントしたり、同じように討論もして立場を出した。 ところが今年は何も言わない」と会議の雰囲気を伝えた。

ペク・ホンギ総長はまた「公益委員が調停者役をすることで案が狭まるが、意 見を狭める努力が全くない。ただ労使が勝手に意見を狭めろというような調子」 と公益委員を非難した。

ペク総長は続いて「使用者側は22年ぶりに初めて-5.8%削減案を持ち出した。そ れが妥当だとか、違うと言った話もなかった。労働界は毎年定額賃金の50%とい う論理で引上げ率を提出してきたが、使用者の削減に論理的な説明が足りなけ れば意見を提示して意見を狭めるべきではないか」と反問した。双方の差を狭 める努力を公益委員がしていれば差は大きく狭まったという指摘だ。

民主労総も24日に声明を出して「6次全員会議に出た公益委員は3時間ほどの会 議の途中、ずっと司会の委員長を除き、たった1人も最低賃金議論関連で発言を しなかった」と伝えた。民主労総は「結局、使用者団体は公益委員の沈黙に支 えられ、余裕をもって削減案を固守した」とし「9人の公益委員が沈黙し、使用 者団体の削減要求を助けている」と主張した。

最低賃金委員会のある関係者は、公益委員の沈黙をめぐり「勤労者委員と使用 者委員の差があまり大きく、慎重を期しているのだろう」と話した。だがペク・ ホンギ総長は「公益委員が差を狭める役をしなければ差は狭まらず、仲裁もで きない」と主張した。

「公益委員範囲率削減や凍結が出てくれば委員長退陣を要求」

ムン・ヒョンナム最低賃金委員長の公益委員としての偏向的な発言も俎に上がっ た。イ・チャンベ民主労総女性連盟委員長は5月13日10時30分頃、天安牙山駅の 最低賃金現場訪問で、「ムン・ヒョンナム委員長が『最低賃金が上がれば人員 が切られるのでないか、人員が切られれば誰が責任を負うか』と話した」と伝 えた。イ・チャンベ委員長は「女性連盟組合員と用役業者社長がいる席でムン 委員長が経営界の立場を代弁した」と非難した。

李明博政権の初代労働部長官嘱望されていたムン委員長は、6月24日の毎日経済 とのインタビューでも「最低賃金を上げれば勤労者には良いが、零細企業は支 払い能力に問題が生ずる」と話し、財界と同じ立場を出した。

民主労総は「ムン委員長は大統領と同じ慶尚道出身、高麗大出身で、最低賃金 委員会も大統領を中心にする学閥主義と地域主義が作動している」と主張した。 民主労総はまた「低賃金労働者を保護する意志もなく、沈黙で使用者支持を続 けるのなら、公益委員職を辞任するべき」と糾弾した。

イ・チャンベ女性連盟委員長は「25日の最終会議で公益委員が提示する範囲率 に削減や凍結が含まれれば会議場をけって出てくるだけでなく、委員長退陣運 動も行う」と述べた。範囲率は、労使が終盤まで合意できなければ普通公益委 員が双方の立場の中間範囲で提示する引上率だ。

一方、民主労総は6月25-26日にソウル市論硯洞の最低賃金委員会前で『最低賃 金現実化要求2日間野宿闘争』を行う。これに先立ち、民主労働党のホン・ヒド ク議員も24日から最低賃金委前での2泊3日の座り込みに突入した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-06-29 02:08:37 / Last modified on 2009-06-29 02:08:38 Copyright: Default

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