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韓国:龍山惨事当時の警察職員、自責感吐露
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「全撤連との対話の機会を作れず残念だった」

龍山惨事当時のソウル警察庁情報係職員、自責感吐露

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キム・ヨンウク記者 batblue@jinbo.net / 2009年09月30日22時33分

ソウル中央地法刑事合意27部(ハン・ヤンソク部長判事)は9月30日も午前10から 龍山惨事裁判を開き、ソウル警察庁所属火災鑑識班員、ソウル警察庁所属情報 係員、拘束された全国撤去民連合(全撤連)会員、警察特殊部隊員などを証人に 呼んだ。

この日、証人に立った惨事当時ソウル警察庁情報係所属K氏は「施工者、施行社、 龍山区庁、竜山4区域撤対委、全撤連、竜山警察署が一回ぐらいはみんなで会っ て、6者対話の機会を作ることができなかった」と自ら叱責する証言をした。

K氏はこのような証言をして喉がつまり、しばらく落ち着く時間を取りたいと、 3分ほど法廷外に出た。彼は惨事が発生した後、自ら志願してソウル警察庁を離 れ、一線の警察署に行った。法廷に戻ったK氏にハン・ヤンソク部長判事は「証 人に責任があると追及しているのではないから思い出すまま話してほしい」と 慰労の言葉を投げた。

K氏は竜山撤去民が櫓を作った日、ソウル警察庁情報網から入ってきた無電内容 を聴いて櫓を作っている現場に行った。K氏は現場で状況を報告した後、撤去民 と施行社、施工者との交渉を斡旋すると報告した。

K氏は「6者の集まりを斡旋したが全撤連対協局長L氏が先に兵力を撤収させなけ れば対話に出られないと言い、テーブルができなかった」と話した。彼は交渉 斡旋者として、今回の惨事事件の残念な点は何かという質問に「一度も(6者が) 会えなかった結果がこのようになったこと」と述べた。

K氏は続いて「19日の夜10時に特殊部隊が投入されるという事実を知っても交渉 を斡旋しようとL氏とさらに二回会ったが、全撤連が警察兵力の撤収だけを要 求したため話ができなかった」と主張した。

検察はこうしたK氏の証言により、全撤連の先兵力撤収要求は交渉するつもりが なかったという趣旨で、「不法行為の現場でデモ隊が武装をしたのに撤収する ことはあるか?」と尋ねた。K氏は「そのような場合はなく、(警察が)そうする こともできない」と話した。

だがK氏と会った全撤連所属のL氏は「兵力が配置されているので降り話もでき ず、下にいる人が降りてくれば捕まるといったので、兵力撤収を要求した」と し「不当な理由で兵力を抜けといったのではない」と話した。警察兵力が周辺 に密集している状況での対話は難しい条件だったということだ。

検察と弁護団は全撤連の櫓座り込みをめぐり攻防を繰り広げた。

L氏は『撤去民がなぜ櫓を作ったのか?』という弁護人の質問に「用役が地域で 暴行を続け、夜隣の家を半分壊して危険なほどにして、街灯がないところで子 供の登下校の道で口にできない悪口をいい上着を脱ぐ。集まって暮すしかない」 とし「櫓に集まるのは用役と外部の暴力に安全なため」と強調した。

だが検察は「2008年の全撤連総会資料集に櫓座り込みは敵を打撃する戦術と規 定している。ここで敵は用役と警察ではないか」と全撤連の暴力性を強調する 質問をした。

L氏は「住居入居者は住民税と月貰を払って暮すが、開発が始まれば人間扱いさ れないので撤去民は全撤連に集まる」とし「撤去民の痛みを知る人は集まるし かない」と主張した。彼は「私になぜあちこちの撤去現場集会に行ったのかと 尋ねるが、初めて合意した賃貸アパートがそのままなら、私が5歳の息子を置い て二回の獄中生活をしただろうか」と反問し「私もやられたが、竜山で亡くなっ たイ・サンニム烈士が嫁の前で用役に頬を打たれ、嫁に悪口を言うその横で、 再開発組合員が笑っている光景を見た。その痛みを自分で判断して連帯した。 私たちの子供の世代はきちんと暮らせるようにしたいということだ。私たちは 暴力デモが目的でもなく、テロ集団でもない」と話した。

L氏は「撤去民が集まったのは、テロのためでもなく、火炎瓶を投げたかったの でもない。安全に要求案を貫徹して平和に降りたいという気持ちで上がった。 そんな撤去民の状況なければ、今5年生の息子を塾に送ってうまく暮していた」 と主張した。

L氏は撤去民が櫓にいつもセノックスを持ち込む理由について「櫓座り込みに突 入すればすぐ断電・断水になる。水はミネラルウォーターを持っていくが電気 発電機に入れられるガソリンがセノックスだ。水と電気なしで人が生きること ができないから」と述べた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-10-04 12:06:43 / Last modified on 2009-10-04 12:06:44 Copyright: Default

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