韓国:再開発、資本の強奪的蓄積と暴力 | |
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3千頁、国家暴力、そして隠された真実[コラム]再開発、資本の強奪的蓄積と暴力
イ・ジョンフェ(龍山氾国民対策委)/
2009年06月01日12時13分
土地を愛する人々は土地は嘘をつかないと信じている。だから彼らは土地に投 資する。全斗煥時期、あの有名な赤ズボンから今の李明博時期のパク・ミソク 前社会福祉政策首席まで、時代を貫く金言だ。事実、彼らがすることは農地を 買って登記を変更し、家を建てて利益をあげたり、開発・再開発地域に投資し て利益をあげたり、一般的に考えられる方法を越えない。だが彼らは金があり、 開発地域の情報を持っており、あるいは権力を動員して開発させれば良いので、 私たち普通人とは違う。 こうして欲望と利益で綴られた投機は、農民を、そして再開発地域住民と商人 の生活の元手を盗み出す強奪的蓄積過程でもあるが、他方では彼らを都市周辺 の非公式部門に追い出す階級、階層分化の過程でもある。こうした階級階層の 分化過程は、失業と非正規職を行き来する極端な労働柔軟化と連動しており、 同時に空間移転の過程でもある。排除された者たちは、首都圏電車拡大区間と からみ、ソウルから水原に、水原から烏山、平沢、天安に追いやられている。 光州大団地事件や、あるいは88オリンピックを契機に環境浄化を打ち出した上 渓洞などの土地の再開発と同じように、以前は国家が直接、開発、再開発を施 行した。しかし今は建設会社が一地域の開発、再開発プロジェクトを作り、銀 行から金を調達するいわゆるファイナンシングの手法で進められる。28兆の開 発費がかかる龍山惨事の現場に隣接した龍山国際業務地区もそうして始まった が、経済恐慌で費用が調達できずに遅れている。同じように経済恐慌に入り、 アパートの売れ残りが続出し、PF(プロジェクト ファイナンシング)不良が銀行 の不良を呼ぶほど大きな問題になっており、政府の救済金融でやっとがんばっ ている。このように、建設資本と銀行を含む金融部門が開発、再開発をしても、 これはすでに構造化されてしまった投機を基礎とする。 一方、このように、資本の強奪的蓄積とこれによる階級階層の分化は、一方的 な土地収用を可能にする、そして用役と警察を動員した暴力が可能にする、都 市整備法、警備業法のような法制度のおかげで可能だ。したがって、住居環境 改善といった居住者の要求は、制度的に排除されたまま、必然的に伴う私的、 公的な暴力に無防備に露出している。ソウルだけでも550余か所で再開発が進め られても、市民権を獲得できない撤去民運動は、むちゃくちゃにやられる撤去 民のわめきでしかない。龍山の撤去民も暴力を避け、自らを防御するために櫓 に上がったにすぎない。 3千頁、強富者のための国家暴力の隠蔽 1月20日、龍山惨事以後86年の建国大事件以来、単一事件では最多の27人の検事 を動員して捜査し、櫓から生還した撤去民は警察1人を殺し、数人を負傷させた 罪で『特殊公務執行妨害致死など』の疑いで起訴された。あらかじめ構成され た脚本の中に、結論は予定されていた。身元を確認するという理由で家族の同 意もなく実施された、前例のない解剖検査さえ、予定された結論から外れる証 拠を消すためではないかという疑問が遺族から絶えず提起された。証拠資料と して提示された、鎮圧に同行した採証班の映像はなぜか決定的な瞬間には音声 が出なかったり記録されていなかった。 ところが検事は控訴状の基礎になる1万頁程度の捜査資料のうち3千頁程度の分 量の提出を拒否している。弁護士は捜査資料3千余ページを出すことを裁判所に 要請し、裁判所は認めることを決定した。それでも検事は拒否し、裁判所は単 に検事側に不利益を与えるという脅迫以外の特別な措置はない。不利益を与え ようとしても、検事側に有利な資料しかない状況で、口先だけの脅迫に終わる ほかはない。そして弁護団が裁判所の忌避申請で裁判が混乱しても、3千余ペー ジが出てこなければやはり予定された結果に向かう経路を踏むことになるのだ ろう。 すでにPD手帳で放映されたように、検察が証人を採択するために証拠開始手続 きにより、やむを得ず公開した約400ページには、シンナーのような危険物質が あるのかも知らずに進入した特攻隊員と出動した消防隊員の陳述、マットレス などの安全装具もなく、そして必要な300トン クレーンを調達できず、100トン クレーンで押し切ったという陳述がある。また、発火場所についての特攻隊員 のちぐはぐな陳述を、後で口裏を合わせて『特殊公務執行妨害致死など』の決 定的端緒を構成したことを示している。そのため、主にキム・ソッキをはじめ とする警察指揮部、特攻隊長をはじめ、現場に進入した特攻隊員、現場に出動 した消防隊員、用役への調査が含まれた3千余ページには、これまで提起された 多くの疑惑を解明できる決定的な資料が含まれているものと予想している。 「座込み場所に危険物質があることを知りつつ、その消耗を待ったり被害を最 小する対策もなく、すぐその翌日鎮圧に入る」無謀な作戦を批判しつつ、「外 部の圧力がなかったとすればありえない常規を逸した鎮圧としか言えない」と いう前警察総合学校校長、朴ジョンファン氏の言葉を借りなくても3千余頁の内 容は明らかだ。結局、検察の捜査資料3千余頁の公開拒否は、資本の強奪的蓄積 を可能にする国家暴力で、赤ズボンであり、そして強富者体制の構造的暴力を 隠そうとする必死のあがきでしかない。 首長を直接任命した前職大統領まで死に追いやった強大な権力、検察を本来の 位置に戻せなければ、誰も龍山惨事から自由ではないだろう。単に撤去民だけ でなく、近い将来、私の、私たちの問題となるだろうし、その試金石は3千余頁 の捜査資料の公開だ。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2009-06-03 16:57:31 / Last modified on 2009-06-03 16:57:34 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ |