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終戦70周年、日本の再武装が意味するもの

[人権オルム]「戦争ができる国」に向かう安保法案改正

チェ・ウナ(人権運動サランバン常任活動家) 2015.08.14 16:06

朝鮮が日本植民支配から独立してから今年で70周年になる。 同時に日本としては敗戦・終戦70周年を迎える年でもある。 戦後、日本は帝国主義と植民主義の終末を宣言し、 侵略戦争をしないために戦闘力を持たないことを規定する平和憲法を作った。 しかし今年、国内外の反対の声にもかかわらずに日本政府が強行してきた安保法案改正は、 戦争に反対し、平和を実現するという人類普遍の価値に逆行している。 敗戦・終戦70周年が面目を失うほどに、 日本はまた戦争ができる国によみがえろうとしている。 とても長い間準備されてきた再武装化を、今年は「制度」として整備しているという印象が拭えない。

7月16日、安部政権は集団的自衛権行使のために進めている安保法案を衆議院で強行処理した。 日本の市民が積極的な反対の意志を表現して連日さまざまな抵抗運動を繰り広げているが、安部政権は気にしない。 安保法案には日本が「自国の平和と安全に重要な影響を与える事態」として認められる状況が発生すれば、 世界のどこにでも自衛隊を派遣して、 米国はもちろん、他国の軍隊への後方支援ができるようにした。 いつでも自衛隊の派遣が可能で、日本と密接な関係にある国家が攻撃を受けた時には反撃ができるようにした。 たとえば日本は韓半島で戦争が発生すれば、自国民の保護を名分として自衛隊を派遣できることになる。 日本は、韓国政府の同意がなければ日本の自衛隊を韓国に入れないとは言っているが、 北に対しては韓国と同じように「事前同意」を求めないという意思を明確にしている。

▲7月、安倍政権が衆議院本会議で安保法案を強行処理したことに対する抗議集会.

近代になって日本がアジアで起こした侵略戦争の名分は、「自国民の保護と救出」だった。 1874年の台湾侵攻、1875年の江華島事件、1894年の日清戦争、1932年の上海事変を起こした日本は、 自国民の保護と救出という理由を突きつけて露骨に他国に軍隊を駐屯させた。 アジアを植民地化して日本が行った蛮行が、また韓半島で再現されるのではないかと憂慮される。

また、日本が進めている安保法案改正は、日米安保同盟の脈絡とつなげてみなければならない。 最近の日米安保同盟の流れは「21世紀の桂-タフト密約」に比喩できる。 私達が知らない、統制が難しい帝国主義権力が、また朝鮮半島を飲み込むために、 どんな密約を互いに締結したのか分からない。 2015年4月28日、日本の安倍首相は米国を訪問し、日米間の新しい防衛協力ガイドラインを締結した。 防衛協力ガイドラインの核心は「安保同盟と経済協力の強化」だ。 日米同盟を強化し、中国、ロシア、北朝鮮の威嚇に対抗して、 安保と経済に共に対応するという。 防衛協力ガイドラインを改正し、自衛隊の派兵を拡大して、 集団的自衛権の行使を全世界に拡大するという意志を表明したのだ。 これを実現するために、日本は安保法案を改正しており、 今年末に防衛協力ガイドラインも改正する予定だ。 東アジアに軍事的な緊張が高まり、軍事化が集中するのは明らかだ。

戦後、日本が平和憲法を作った背景は、 日本による戦争犯罪を懺悔して、他国を侵略しないという意志の表明であり、 日本の市民の平和への渇望でもあった。 日本の軍国主義は隣国の市民を死地に追いやっただけでなく、 日本国内の市民に対してもこの上なく大きな苦痛を抱かせた。 また、戦後の日本社会を「平和国家」にすることができた力は、 反帝国主義戦争の下でも犠牲と献身により「植民地」を終わらせるという全世界の民衆の熱望があったから可能だった。 1945年の終戦から3年後に作られた世界人権宣言は、 すべての人々の尊厳と譲渡することができない権利が「平和の基礎」だと宣言した。 人権は平和という礎を踏んで、新芽を吹いた。

しかし今、安部政権が日本の市民をはじめ、東アジアの市民の意志を挫き、 集団的自衛権を行使しようとしているのは、 歴史を100年前に戻すという意志だ。 安部政権は終戦70周年を迎え、他国を侵略して戦争を起こしたことに対し、 責任ある謝罪と共に、二度と同じ歴史を繰り返さないという約束をしなければならない。 安部政権が発表する戦後70年の談話が単に「言葉」だけで終わらせないために、 全世界の市民が平和構築に向けた声をさらに高めなければならない。

今年の初め、光復70周年を迎えた朴槿恵政権は、 日本に対して強硬な立場を見せ続けてきたが、 6月に突然、韓日修交再開50周年を祝して過去史の重荷を和解と共生の気持ちで下ろそうと言った。 朴槿恵政権が語る共生と和解の気持ちが何なのかを訊ねたい。 日本がまた戦争ができる国に変身することを容認するように見える。 事実上、日米韓の軍事同盟を念頭に置いて日本に免罪符を与えようとしているのだ。 表面でいくら朴槿恵政権が強硬な立場を打ち出しても、 実際の外交や軍事領域で独自の声をあげられない理由は、 韓国が日米安保同盟に積極的に便乗しているからだ。 光復70周年の歓喜に酔って現在、朝鮮半島が直面している状況を直視することができなければ、 われわれは100年前の痛みと苦痛を現世代と未来の世代に相続するほかはない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-08-16 04:35:42 / Last modified on 2015-08-16 04:35:43 Copyright: Default

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