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済州海軍基地反対運動「必然的に勝利する」

[インタビュー]振り返ってみた1年、平統サ キム・ジョンイル前事務局長

チョン・ジェウン メディア忠清記者 2012.01.02 23:02

国防部済州海軍基地建設予算が国会でほとんどが削減され、これに連する地域 発展別途予算も事実上、全額削減されるなど、韓国社会を沸き返らせた海軍基地 建設事業が今年は新しい局面を迎えそうだ。

海軍基地全面白紙化闘争は、江汀村住民の5年にわたる粘り強い反対運動と共に、 平和運動団体、平和守備、カトリックおよび宗教界などの献身的な連帯闘争で 呼吸してきた。その長い呼吸で海軍基地建設をめぐる政府政策の問題、海軍、 警察兵力など国家権力の不法性と暴力性が暴露された。

また、彼らは海軍基地反対抵抗運動で生命と環境、平和という話題をこの社会 に投じた。美しい『平和の島済州』を守る努力は結局、生命と環境、平和を守 る運動と結びつくことを全身で知らせた。

メディア忠清はこの1年間、江汀村に留まって海軍基地反対運動をしてきた平和 と統一を開く人々(平統サ)の前事務局長キム・ジョンイル氏と会った。1年間の 海軍基地反対運動の評価と展望を聞いた。

▲平統サ キム・ジョンイル前事務局長

済州江汀村にきて、もう1年でしょうか? いつ済州行きの飛行機に乗ったのですか?

新年だからもう一昨年ですね。2010年12月26日に済州海軍基地事業団起工式 反対闘争のために初めて江汀村にきました。

ここにくる契機は、平統サの昨年2月の総会の組織決定でした。平統サでは済州 海軍基地建設問題が韓米関係の中で、東北アジアの平和を威嚇する重大な懸案 だと判断し、3〜4年前から関心を持って連帯してきました。その時は主として 事業別の連帯で、2011年に本格的に工事が強行されれば大衆闘争で突破しなけ ればならないから、重要な時期だと判断しました。海軍基地反対の方針を決め、 平和運動家が参加して共に闘争を作ることにしました。江汀村に行って、住民 と同じように闘争し、現場を把握して、5年間戦いを続ける住民の闘争動力を復 元することが重要だと思いました。また、汎道民対策委、全国対策会議など、 海軍基地全面白紙化のために多くの連帯単位が参加できるように動かなければ ならなかったのです。

いわゆる『外部勢力』ですが、村に留まっての海軍基地反対運動は簡単ではないでしょう。平統サの伝統的な活動方式は外部勢力として介入し、住民と大衆闘争を成功させることですが、今回の江汀村事業は成功的でしょうか?

2011年の初めから現在まで、江汀村住民、済州道の市民社会団体と共に、海軍 基地反対運動の大衆化、全国化を実現して、現場の海軍基地不法工事阻止闘争 の成果を作ってきたと考えています。しかし、まだ済州道民の圧倒的海軍基地 反対の世論を造成し、誤った設計で進められている沈砂池、仮排水路などの不法 工事を防ぎ、海軍基地白紙化の決定的局面を作り出す闘争課題が残っています。

平統サの組織の話をしないわけにはいきませんね。前事務局長を長く歴任して いましたし。平統サというと『平和、統一、自主』を指向するという点と現場 で大衆的実践に努力する平和団体と要約されます。団体の性格もありますが、 長い間この主題に集中するのは簡単ではないようです。迂余曲折も多かったと 思います。

済州海軍基地の問題は、韓半島の平和と統一、民族自主に直結する事案です。 東北アジアの覇権維持のために米国が中国を狙って作られているのが済州海軍 基地です。済州海軍基地が建設されれば米中間の軍事的緊張と対決局面が表面 化するでしょう。結局は、米中間の争いに巻き込まれることになるでしょう。 朝鮮・中央・東亜などの守旧勢力が先頭に立って平統サの過激イメージを作り、 左派団体に追い込む理念攻勢で、昨年前半期には住民にある程度警戒心があり ましたが、1年ほど住民と共に闘争した過程で、平統サの真正性を住民が実感し、 今は平統サではなく海軍が本当の外部勢力であることを住民たちが理解したよ うです。

それ以外にも、国内の米軍基地拡張、再編に抵抗する平統サの多くの活動で、 現場から信頼を得てきた過程があります。2000年の梅香里闘争、2002年の米軍 装甲車による女子中学生死亡事件(ヒョスンさん、ミソンさん)、2004年の平沢市 大秋里の米軍基地拡張阻止闘争、2008年の坡州武建里訓練場拡張阻止闘争、 2010年初めの江原道鉄原の砲撃訓練場新設阻止闘争など。また、地域の平統サ では群山米軍基地阻止闘争、富平米軍基地返還闘争など、主に米軍基地拡張 阻止に関するさまざまな闘争で、平統サが専門性により組織的に闘争を支援した ことで、地域住民からの信頼に基づく闘争ができました。

江汀村で8月末に連行されて40余日後に釈放されましたが、意図せず拘束と釈放を味わうことになりました。今回も12月26日の不法工事糾弾と阻止闘争の集会中に捕まりましたが、何回目ですか? 海軍基地反対以外でも連行や拘束は多いでのしょうか?(笑)

はい、そうです。これまで4回の拘束の経験があって、不拘束裁判をたくさん受 けました。今も5件の裁判が各種の基地関連の闘争などで進められています。 これまでの拘束は主に米国と関連する軍事基地関連闘争のためでした。

▲政府は警察兵力を動員して昨年9月2日に物理的衝突を起こし、中徳三叉路に最後のフェンスを打った。

やはり江汀村住民、平和運動家の海軍基地反対抗議、これによる連行が続いています。抵抗が続いても、政府はこの声を聞きません。対話の問題を越えているようです。政府の意図は何だと考えいますか?

1990年に米ソ間の東西冷戦が終わると、米国は自分たちの唯一覇権のために、 1993年から『中国威嚇論』を押し出して軍備増強を試み、対中国包囲封鎖戦略 を彼らの外交安保軍事戦略の基調に採択して以来、今まで続いています。伝統 的に韓米軍事同盟に依存して朝鮮半島安保を追求してきた韓国は、李明博政権 以後、本格的に韓米間の侵略的戦略同盟を進め、済州海軍基地建設を具体化し ました。

李明博大統領は候補だった時に済州海軍基地を公約にして、大統領になった後 は国防予算を配分し、済州海軍基地建設に弾みがつくことになりました。政府 の意図は、つまり米国との強い軍事同盟による韓半島の平和と安定というより 自分の政権安保を進めることです。

1年の間連帯して、住民が一番変わった点を選ぶとすれば

絶望的な敗北主義から抜け出して、次第に海軍基地白紙化の希望を持つように なった点です。これは、現場での不法工事阻止闘争の成果の蓄積が続き、現実 になりました。その結果、2012年の済州海軍基地関連のほとんどの予算が削減 される結果を作り出したりもしました。

事実初めて江汀村にきてみると、住民が5年間闘争してとても疲れていました。 村総会や記者会見に集まる住民は少なく、雰囲気も低迷していました。底辺に 流れる低迷した雰囲気と敗北主義を把握して克服するために、住民と会い始め ました。その過程で評価と診断について話をするようになりました。私たちは 今後、連帯する単位が多くなり、やさしくできる闘争から始めようと住民たち の闘争の意志を集める過程がありました。また、住民と市民社会団体、平和守 備隊がみんな非暴力平和闘争の基調を堅持して、闘争の過程で海軍、警官、 工事現場作業員の暴力的な凶悪性が広がり、住民だけでなく国民的な支持と 共感を得たと思います。

汎道民対策委、邑面洞対策委をはじめ、全国対策会議など1年間、全国的な水準の対策委まで、組織の枠組みができた時期だと思います。もちろん5年間の住民の闘争があったからでしょう。それぞれの役割と活動の焦点は違っても組織的には成果と言えるでしょう。今後の展望について、組織的な課題は何だと思いますか。

済州海軍基地反対闘争の成敗は、闘争動力に左右されます。まず、住民の済州 海軍基地反対闘争の力量をもっと江汀村会に集めなければならず、さまざまな 闘争の過程への住民の参加をさらに高めなければなりません。道対策委と邑面 洞対策委も、キャンドル文化祭と広報実践などの日常活動で、活動力を強めな ければなりません。全国対策委はずっと現場闘争を強める一方で、政府与党、 国防部と海軍、国会などへの政治的な圧迫で、情勢介入力を一層高めていかな ければなりません。

ちょっと見ると、多くの組織と同時に個別の平和守備(平和運動家)など、さまざまな層の組織と個人が協調して海軍基地反対で戦っているようです。多様な組織と個人の民主主義実現の問題が内部課題の一つではないかと思います。

済州海軍基地白紙化という要求は同じでも、実践闘争力、闘争の方式と程度、 組織的な運動の経験など、さまざまな違いで統一した実践の担保は簡単ではあ りませんが、組織的な結束力と平和守備相互の愛情と信頼は次第に高まってい ます。時間がかかっても、民主集中制による議論構造を定着させて、共同実践 闘争の中で何が正しく、何が間違っているかを何かのたびに評価して、総化する ことで、守備内部の矛盾と対立解決の過程がとても重要です。

▲平和運動団体、宗教界、平和守備隊は繰り返し連行され、海軍基地全面白紙化運動をしている。

江汀村海軍基地反対の戦いでは、民主主義の問題、平和と環境の問題、米国の軍事基地拡張と再編問題など多様な議題が提起されました。また、主体も幅が広がり、過去の反基地運動や反戦平和運動とは一部違う様相に見えます。さまざまな要因があるでしょうが、どう見ていますか?

以前の反基地運動や反戦平和運動が、主に運動団体や活動家を中心として展開 していたとすれば、済州海軍基地反対運動は、村住民と運動団体はもちろん、 良心的な個人などの参加の幅がだいぶ広がりました。さらに各自の条件に合わ せてオン・オフラインで多様な方式の自発的参加が増え続けています。この点 が以前と違う点ですが、今後、こうした傾向はさらに拡大するでしょう。

今の時点を小康状態と見たり、一部の勢力は事実上終わった戦いだと見たりもしていますが、現時点への判断が重要だと思います。現在までの総括的な中間評価を簡単にするとすれば、どう診断しますか?

海軍基地賛成と反対勢力、どの観点で見るかにより評価が違うでしょう。海軍 当局が小康状態だと局面を診断していますが、反対運動陣営では闘争の成果と して海軍基地工事が事実上、中断する状態まで至ったと見ています。2011年の 闘争を簡略に評価すれば、多くの迂余曲折とカン・ドンギュン江汀村会長など 11人の拘束、数百人の逮捕連行召喚調査、莫大な罰金爆弾を受けるなどの犠牲 が従いましたが、全体的に勝利的な局面を開いてきた闘争の過程だったと思い ます。昨年末、済州海軍基地予算も大幅に削減されたので、ウ・グンミン済州 道知事の職権工事中断と政府当局の済州海軍基地建設方針撤回を強制する課題 だけが残されています。

▲コンクリート構造物のテトラポッドで一部覆われている一枚岩のクロムビ。海軍基地ができるとこの一帯がセメントで覆われる。

昨年1年を振り返れば感慨が新たです。年末に済州海軍基地予算がほとんど削減 されました。済州道知事が海軍基地建設による周辺発展計画として、行安部と 国土部から配分されることになっていた420余億ウォンも23億ウォンに削減され たことからもわかるように、海軍基地事業は済州道民はもちろん、国民的名分 がありません。この過程で二重協約書が暴露され、設計ミスなどが明らかになっ たりもしました。特に海軍は、海軍基地工事現場で最低限の環境影響評価によ る附款履行指示、つまり事前に済州島行政機関から承認を受けなければ実施で きない事業も無視して、不法工事を強行してきました。この過程で警察兵力と 作業員などを動員して、暴力まで行使しました。

われわれは力が強くなりました。村会の力が強まり、汎道民対策委、全国対策 委が活性化され、さらに国際的な平和運動の勢力が連帯を続けて、私たちの力 が極大化している反面、海軍側は事実上、昨年は一年中陸上と海上工事ができ ず、予算も執行できませんでした。その意味で、この闘争は必然的に勝利する ほかはないと確信します。なぜなら正当性と名分があれば共感する勢力の力が 結集します。済州海軍基地事業に名分がないと思うので、私たちの力は極大化 し、海軍側は事実上工事ができなくなることが現実になりました。年末の済州 海軍基地関連予算削減だけを見ても与野の合意です。海軍基地建設強行に対す る否定的見解が蔓延して、工事がきちんと進まないため、海軍は本来の2013年 の海軍基地完工目標を昨年は2014年、最近はまた2015年と、工事期間を延ばし ました。今政府が決断して、海軍基地を全面再検討し、白紙化しなければなり ません。村の住民も自ら9.5合目まで稜線を越えたという程、われわれは勝利を 目前にしています。

しかしどんな時も、国策事業、特に軍が主導する国策事業は素直に退いた前例 がありませんから、海軍は最後の反撃を取ろうとするでしょう。海軍は最近、 沈砂池工事強行などの不法工事を行い、工事期間を延ばし、済州道庁と可能な 協力的関係を作って、少し時間はかかっても海軍基地を建設する意志を見せて います。それでも、もう済州海軍基地は多くの矛盾と対国民詐欺劇であること がわかったので、容易ではないでしょう。こうした現在の情勢を考慮すれば、 日和見主義的な態度を見せる済州道知事と道政を圧迫する一方、実質的には現 場で工事阻止闘争をもっと全面化することが切実です。今年の総選挙、大統領 選挙の政局で、政界でも済州海軍基地が再議論されるでしょう。早ければ総選 挙の直後に新しい白紙化局面に入るか、遅くとも今年末に白紙化の手続きに入 ると予想しています。

これまでの闘争の過程でわかった主導者の問題、または自己批判する点は? 今後の闘争の展望に関して重要な問題だと見ます。自己批判のない運動には未来がないと思います。さまざまな成果もありますが、以後の闘争のためにも主導者が謙虚に自分を批判すべき点についてお願いします。

多様な差を持つ個人と団体が、住民と連帯してこれまで済州海軍基地反対闘争 を展開してきました。連帯運動の原則は求同尊異です。『差異を尊重して共通 点を中心に団結する』という意味です。済州海軍基地反対闘争は、正しい情勢 判断により、住民を闘争の確固たる主体にする活動方向が一貫して堅持されな ければなりません。住民を中心にその他の連帯運動勢力の力が極大になった時、 始めて海軍基地反対闘争が勝利できます。自分の情勢判断と経験を絶対化し、 他人を強制しようとする一部の住民と平和運動家の自己中心的な傾向が、全体 の団結を困難にし、闘争動力を下げるということを肝に銘じなければなりません。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-01-03 04:22:18 / Last modified on 2012-01-03 04:22:19 Copyright: Default

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