本文の先頭へ
韓国:移住労働者は医療からも疎外
Home 検索

移住労働者は医療サービスからも疎外、健康保険加入率48%

未登録は健康保険加入不可、制度的支援を

チョン・ヨンギル記者 2013.05.28 10:51

▲労働災害で指を失ったパキスタンから来た移住労働者フセイン氏。彼は韓国で13年働いたが、きちんと医療の恩恵が受けられない。[出処:ニュースミン]

韓国で働く移住労働者が病気になっても医療機関の利用が難しく、特に未登録移住労働者は国民健康保険に加入できず、医療利用の死角地帯に置かれているというアンケート調査結果が出た。

ソンソ工団労組付設ソンソ移住労働者無料診療所は、5月25日開所10年を迎え、 ソンソ工団で働く移住労働者237人を対象として2012年9月から11月まで実施した 移住労働者健康権実態調査の結果を発表した。

移住労働者健康保険加入率半分にも満たず
32.5%は病院に行きたくても行けない...時間がなくて行けないは54.7%

調査の結果、医療機関診療の最初の関門である国民健康保険への加入率が半分 にもならない48.1%であることが明らかになり、医療機関への接近からして容易 ではないことが明らかになった。制度的に雇用許可制で登録された移住労働者 しか健康保険に加入できない。事業場以前などの理由で雇用許可制未登録状態 の移住労働者は、そもそも健康保険の加入が遮断されている。また登録された 労働者の中でも6%が健康保険に加入していなかった。

[出処:ソンソ移住労働者無料診療所]

健康保険に加入している移住労働者にも医療機関の利用の障壁は存在した。 「最近1年間で病院に行きたいが行けなかった」と答えた移住労働者も32.5%に 達した。行けなかった理由として、時間がないからが54.7%で一番高かった。 これは職場で医療利用時間が認められないことを示している。

「時間がない」という回答からわかるように、移住労働者の医療機関接近性が 低いのは、劣悪な労働条件が根本的な原因であることがわかる。月休業日数の 質問に68.4%(145人)が4日と答え、半分以上の移住労働者が週6日勤務をしてい ることが分かる。2011年7月から、5人以上事業場にも週40時間勤務が適用され たが、週5日勤務が移住労働者にとっては遥か彼方のものであることを示す。

平日の勤労時間の質問には、55.4%(118人)が「12時間以上14時間未満」働くと 答え、長時間勤労が医療機関利用に影響していることを間接的に確認させる。 2011年にソンソ工団労組が実施した調査では、50人以下の韓国労働者の平均勤 務時間が10.21時間だった点から考えると、移住労働者の方が韓国労働者より 長時間働いていることも確認された。

[出処:ソンソ移住労働者無料診療所]

3D業種で労災の危険に露出しているが、労災教育と情報をよく知らない

働いていて危険を感じたことがあると答えた移住労働者は42.8%で、危険要因と しては「危険な機械や薬品の取り扱い(41.3%)」、「騒音や悪臭(22.9%)」、 「言葉ができず、わからない(16.5%)」をあげた。これは移住労働者が働く所が 3D業種で、韓国の労働者が敬遠する事業場に従事し、労働災害の危険にさらさ れる確率が高いことを推察させる。

働いている時に怪我をしたことがあったという移住労働者は24.9%で、あまり高 くなかったが、傷害時の治療費用負担についての質問に対し、会社が負担した という回答は38%に留まり、きちんと労災治療が受けられないことがわかった。 そして未登録移住労働者も業務による傷害による労災治療ができることを知っ ているかという質問には36.5%だけが知っていると答え、労災の教育と情報が きちんと提供されていていないことが分かる。

[出処:ソンソ移住労働者無料診療所]

「健康権を含む権利教育の不在」
「地域医療保険、未登録移住労働者に対する支援金を増やせ」

実態調査の結果についてソンソ工団労組のイム・ボンナム委員長は、「韓国で 働く多くの移住労働者の健康権が死角地帯にあることがわかった」とし「雇用 許可制で入って来た移住労働者には産業人員公団が教育をしているが、健康権 を含む権利教育はなく、企業体がどんな人を好むのかという教育しかしない」 と健康権の基礎的教育不在問題を指摘した。

続いてイム・ボンナム委員長は「未登録移住労働者は健康保険がなく、未登録 移住労働者を支援する大邱医療院に押し寄せる。これさえ支援金が切れる10月 末になれば支援が受けられなくなる」とし「長期的にすべての人々が健康保険 に加入できるように地域医療保険を拡大しなければならず、現実的には未登録 移住労働者への医療支援金を拡大させなければならない」と話した。

現在、未登録移住労働者、難民や裁判などの目的で臨時滞留(G-1)している移住 労働者は、健康保険に加入できない。大邱では大邱医療院が唯一、未登録移住 労働者に対する医療支援をしている。大邱赤十字病院も医療支援をしていたが、 2009年に閉鎖されたため未登録移住労働者は大邱医療院に追い詰められている。 保健福祉部が大邱医療院を支援する予算がすっかりなくなる年末になれば未登 録移住労働者は安い公共医療の恩恵が受けられない。

イム・ボンナム委員長は「最近、晋州医療院閉院問題で騒々しい。増えるべき 公共医療院がますます減っている。未登録移住労働者だけでなく、貧民のため の公共医療を拡充していかなければならない」と付け加えた。(記事提携=ニュースミン)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-05-29 22:13:39 / Last modified on 2013-05-29 22:13:39 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について