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韓国:10/30にアノアル移住労組委員長国家相手訴訟の第二回公判
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30日、アノアル移住労組委員長国家相手訴訟の第二回公判

判事、出入国側に逮捕の責任者に 証人として出席を要求

チョンミンソン minsungch@hanmail.net

30日の午後2時、ソウル市瑞草洞のソウル中央地方法裁判所9号法廷では、移住 労組のアノアル委員長が国家を相手どって出した損害賠償請求訴訟の第二回の 裁判が開かれた。雨の中、約20余人の知人が参加して開かれた今回の裁判で、 判事は双方が提出した資料の内容を当事者と確認して、出入国事務所側に逮捕 当時の責任者が次の裁判に証人に出てくることを決めた。

判事は出入国側の弁護人に『逮捕者名簿を提出するようにいったのに、なぜ提 出しなかったのか』と尋ねた。被告側は『ソウル出入国内部で逮捕者名簿を公 開することに異論があり、まだ提出できない』と釈明した。判事が出入国側の 弁護人に『現場での逮捕時に、直接加担した責任者を次の裁判に証人として出 廷すること』を要求した。出入国側は『民事訴訟なので、あえて逮捕当時の担 当者が出てくる必要はないのではないのか』と尋ねたが、判事は『現場責任者 が1人は証人に出てくるように』とまた要求した。

裁判長は、被告側と原告が提出した証拠資料を検討し、アノアル委員長に入所 当時に医師が診療をしたのか、傷の写真は一枚だけなのか、医務室長の名前は 『ハ・キジョン』なのかを尋ねた。医務室長を証人採択するのがどうかと訪ね ると、アノアル委員長は医師の名前は知らないと話した。アノアル委員長がさ らに詳しく韓国語で説明することが困難になり、傍聴席に参加していたチョン・ ウォンギョン事務局長がアノアル委員長の弁論を文書として作成した文書を判 事に渡し、被告側の証拠資料として提出した医務室長の陳述書に暴行痕跡に対 してあいまいに陳述されていると説明した。

判事はまた原告側に、合同法律事務所のクォンヨングク弁護士がなぜ代理人と して弁論をしないのかと尋ねた。チョン事務次長は『できないのでなく、国家 人権委の決定を待っているため』とし、『その決定が延期され、現在のところ 10月10日に予定されている。それ以後、代理人を選任できる』と答えた。

チョン・ウォンギョン事務局長は、『アノアル委員長がちゃんと自分の弁論が できるように』と判事に通訳を要請した。判事は『裁判所には現在アノアル氏 が韓国語を話せるのでバングラデシュの言葉ができる通訳がいない』と釈明し、 チョン・ウォンギョン事務次長は原告側も通訳を探してみると答えた。

判事は最後に被告側に逮捕当時の現場責任者1人を証人として申請し、次の裁 判に出席するように要請し、裁判に必要な質問をあらかじめ準備して提出する ことを確認した。次の裁判は1か月後の10月29日、午後4時に決められた。

アノアル委員長、保護一時解除と通訳支援で法的権利の行使を

[インタビュー]

この日の裁判を傍聴した参席者たちは、アノアル委員長が訴訟の当事者として きちんと法的な権利を行使するために、まず、4ケ月間続いている長期拘禁の 状態から解かれること、正確な法的陳述のために法廷での通訳が必要なことを 指摘した。

移住労組のシャキル職務代行は、『現在、短期保護施設の保護所には保護期間 を制限する法律条項がなく、アノアル委員長が犯罪者のように保護所で4か月 以上生活している』とし、『一日も早く国家人権委の保護一時解除勧告案が発 表され、アノアル委員長が訴訟の当事者として正当な法的権利を行使できるよ うにするべき』と指摘した。

彼は、次の裁判で逮捕当時の責任者が出てくる予定で、さまざまなやりとりが ありそうだと述べ、原告側も多くの準備が必要だろうと予想した。

明洞聖堂座り込み闘争に参加し、当日の裁判を傍聴したビョン・ジョンピル氏 は、『雨が降る日なのに多くの人が裁判を傍聴し、アノアル委員長はとても力 づけられただろう』と話し、言語の問題できちんと弁論ができなかったのを見 て残念だったが、最後まで堂々と弁論に臨む姿を見てうれしかったと吐露した。

また、裁判に参加した移住労組のソ・ソンヨン前事務局長は、『訴訟の当事者 が外国人の場合、裁判所は外国語の通訳を提供する義務がある』とし、日本の 大阪裁判所では、現在各国語で進められる法廷裁判が毎週公示され、開かれて いると説明し、外国人でも法的な権利が享受できるように法的な配慮が必要だ と強調した。

公益弁護士グループ共感の難民訴訟担当ファン・ピルギュ弁護士は『難民訴訟 では、主に書面の提出なので必要がなかったが、韓国の民事訴訟法143条にも 「弁論に参加する者が韓国語を話せなかったり困難な場合、通訳人を提供する」 と規定されている』とし、可能な通訳人を原告側が交渉して、裁判所に申請す ることを助言した。

2005年10月01日0:24:07

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2005-10-01 15:40:12 / Last modified on 2005-10-01 15:41:25 Copyright: Default

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