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韓国:国家人権委、アノアル委員長『保護一時解除勧告案』審議延期
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国家人権委、アノアル委員長『保護一時解除勧告案』審議延期

25日、移住労組委員長釈放要求決議大会を開催

チョンミンソンminsungch@hanmail.net

*25日、国家人権委前では、清州外国人保護所で拘禁72日目の移住労組「アノアル委員長の保護一時解除」を要求する集会が開かれた。*

25日に予定されていたアノアル移住労組委員長の国家人権委保護一時解除勧告 案の審議が、8月中旬に延期された。本来国家人権委は、11日に委員長の保護 一時解除に関する立場を明らかにする予定だったが、資料調査が充分ではない という理由で、審議そのものを25日に延期していた。

移住労働組合の関係者によると、「国家人権委担当者は本来25日に議論される 予定だったアノワール委員長の『保護一時解除勧告案』審議が、出入国管理所 の文書提出の遅れにより延期になったと説明した」とし、法務部の圧力があっ たと推定した。

この日の午後2時、ソウル中区武橋洞にある国家人権委員会(委員長チョ・ヨン ファン)の前では、国家人権委が現在清州外国人保護所で拘禁72日になるアノ アル移住労組委員長を『保護一時解除』するよう要求する集会が開かれた。 移住労働者と連帯する韓国人が参加した日の集会には、市民、学生団体関係者 30人あまりと、ソウル、京畿中部からきた移住労働者20人ほどが参加した。

社会進歩連帯、延世大北極グマ、労働解放学生連帯、学生行動連帯、明知大 アクションペーパー、西部建設労組、安山労働人権センター、全国撤去民連合 三角水下洞支部などが参加し、移住労組事務局長の司会で進められたこの日の 集会には、先週ソウル、京畿地域で行われた地域宣伝戦に参加した学生参加者 と市民団体、移住労働者の参加発言があった。

まず、京畿西部地域建設労組の金ホジュン委員長は、「政府は今年の上半期に 9万2千人の未登録移住労働者を追放した」とし、『きちんとした政策を作らず、 増え続ける未登録移住労働者を取り締まりだけで減らす』という非現実的な政 府の政策を批判し、「我が国をもっと民主化され住みやすい社会にするために は、移住労働者政策を正しく立て直すことが必要だ」と強調した。

20日から5日間『現場連帯闘争団、レジスタンス』活動に参加した『学生行動 連帯』の参加者も同席した。イジュンヨン(カトリック大校誌編集部)君は「安 山地域宣伝戦に参加し、地域の移住労働者の宿舎と工場などを訪問して、普段 聞くだけの移住労働者の現実を直接見ることができ、貴重な時間になった」と し、多くを感じる機会になったと伝えた。

明知大アクションペーパーのペクソンヨン氏は「先週の安山地域宣伝戦に参加 して、『賃金未払い』や『社長の非人間的な待遇』等、さまざまな要求があっ た」とし、「移住労組安山支部が創立され、今からこうした要求を『強制追放 と雇用許可制無力化』という大きな目標の下で体系的かつ具体的な事業計画を たてて、個人的な怒りとして表出するのではなく、一緒に問題を解決できれば いい」という期待を表明した。

*この日の集会には特に三角水下洞の撤去民組合員が参加して目を引いた。この2週間、移住労組が人権委前で一人デモをしているとき挨拶した撤去民組合員が連帯次元で参加したことだった。*

延世大マルクス主義学会『シロクマ』の『クッチョル』君は、『移住労働者運 動で、今は現場闘争が必要な時期』とし、『現場の労働者も闘争の必要を理解 しているが、条件と計画が足りず実践できずにいる』と話し、連帯単位の積極 的な支援があれば闘争を成功させられると説明した。

彼は18世紀のヨーロッパと米国に蔓延した奴隷制度に反対し、奴隷たちが主体 的に闘争した結果、結局1794年のフランス革命の時、フランス公会は『全世界 奴隷制撤廃』を宣言するに至ったと語り、移住労働者の積極的な闘争だけが 『現代版奴隷制度』と呼ばれる『産業研修生制度』と『雇用許可制』を撤廃さ せられると強調した。

安山から来た移住労働者のティプさんは「移住労働者運動はこの社会の少数者 として、多くの非正規職労働者、女性労働者、撤去民、露天商などと共にこの 社会の貧民、少数者運動の中心にいる」とし、「堂々とした労働者として、ま た権利の主体として、堂々と権利を要求し勝ち取ろう」と声を高めた。

彼は「地域の多くの移住労働者は、月給を取られても金ももらえず、病気でも 病院に行けず、被害にあっても訴える所がなく、困難な生活をしている」と、 移住労働者の現実を代弁した。

社会進歩連帯のチョンヨンソプ事務局長は「8月17日は政府の雇用許可制実施 から1年になる日で、米国のような人権後進国も移住労働者を合法化しており、 この前スペインでも移住労働者合法化措置が作られた」とし、取り締まり追放 と弾圧で移住労働者を追放しようとする政府政策を非難した。

この日の集会には、特に三角水下洞全国撤去民連合の組合員が参加して注目を あびた。イインジェ組合員は集会が終わった後、インタビューで「移住労組の 組合員が2週間、国家人権委の前でデモをして、市庁前の撤去民野宿闘争現場 に挨拶にきた」とし、連帯という次元で参加したと伝えた。

彼は『昨年夏、フィリピンに旅行した時、偶然韓国で3年働いていたというフィ リピン移住労働者に会ったが、韓国に対する悪い記憶だけを持っているのを見 て、残念な気がした』とし、安山からきた移住労働者のティプさんが撤去民に ついて話した時は胸がジーンとしたと伝えた。

シャキル移住労組委員長職務代行は、アノアル委員長釈放に関して、労組の執 行部と中央運営委員会会議を経て、これからの対応方案を用意する計画だと伝 えた。

2005年07月26日20:48:42

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


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