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韓国:労働者運動の主体に立つ移住労働者と連帯しよう!
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[262号]労働者運動の主体に立つ移住労働者と連帯しよう!

*-移住労働組合発足の意味と労働者運動の課題*

社会進歩連帯

政府の人間狩り取り締まり追放と移住労働者の状態

2005年8月になると、さらに11万7千人の移住労働者がビザ満期で未登録状態に なる。すると、既存の未登録移住労働者18万8千人に加え、30万5千人が未登録 状態になる。政府自身が今年導入した雇用許可制の適用人員が3万9千人なのに、 実際に導入された人員は現在までに僅か4000人ほどでしかない。政府は今年末 までに14万5千人を出国させ、未登録移住労働者を16万人程度の水準に減らす 計画だというが、無理な取り締まり追放政策は常識以下の人権侵害とそれによ る反発を呼ぶだけであるのは明らかだ。すなわち、既に現実的に雇用許可制は ほとんど作動しておらず、逆に未登録移住労働者が増えている。さらに最近、 出入国管理所は取り締まりの過程で移住労働者に同僚を密告させる「偽装活動 家」行為を強要するなど、度を越えた人間狩りを行ない、糾弾の声は一層高まっ ている。移住労働者密集地域では、出入国と警察までが加勢した合同取り締ま りが日常的に強行され、未登録移住労働者を雇う事業主への処罰が強化され、 移住労働者が失業するケースが多い。また、取り締まりを悪用し、事業主が賃 金を削減したり未払いにするなど、現場での問題は拡大している。取り締まり 追放と劣悪な労働条件の二重苦がさらに深くなっている。
そして、雇用許可制のもとでは事業場移動の自由がなく、労働三権が保障され ない。1年単位で契約を更新し、事業主があらゆる労働条件を一方的に決定し てもそれを受け入れざるをえない。契約を拒否すれば契約が廃止され、不法滞 留者になってしまうからだ。人権侵害と不正の温床である産業研修制度もまた 温存されている。未登録移住労働者の全面的合法化、取り締まり追放中断、労 働三権保障が実現していない以上、現在のような政府政策は未登録移住労働者 を持続的に量産し、それに対する取り締まり追放と人権侵害という悪循環を拡 大再生産するだけだ。

移住労働組合建設の歴史的意味

2003年の11月から2004年までの380日間、移住労働者は明洞聖堂で「強制追放 阻止と未登録移住労働者全面合法化のための籠城闘争」を展開し、ここに民主 労総をはじめ多くの社会運動陣営が連帯した。雇用許可制実施を控えて政府が 大々的に行なう殺人的な人間狩りに対抗し、全国の移住労働者が自分の生存権 と労働者としての権利を勝ち取るために、国籍と人種を問わず労働者の名前で 一か所に集まって1年以上、弛まない闘争を展開した。
盧武鉉政府の取り締まり追放に追い出され、10人ほどの移住労働者が命を絶つ こともあり、闘争の過程で参加にしていた移住労働者が政府の標的取り締まり で暴力的に連行され、強制的に本国へ送還されることもあった。しかし「移住 労働者も人間だ、人間らしく暮らそう」、「移住労働者も労働者だ、労働権を 保障しろ」、「労働者はひとつだ、韓国の労働者、移住労働者が団結して労働 ビザを勝ち取ろう」という要求は、運動陣営全体に、さらに韓国社会全般に、 明らかな軌跡を残した。また、こうした要求を実現するために、さらに組織的 で闘争的な移住労働者の労働組合を全国規模で建設しなければならないという 大衆的な熱望が確認され、共有された。

その延長線で、去る4月24日(日)民主労総に結集した約100人の移住労働者は、 ソウル京畿仁川移住労働者労働組合を設立し、委員長をはじめとする役員を選 出した。韓国労働運動史上、初の独自の移住労働組合が結成された瞬間だった。 移住労働組合の建設の意味を簡単に整理すれば、次の通りだ。

まず、10余年にわたる移住労働者等の悲痛な闘争の結実だ。1990年代、政府の 政策で本格的に移住人員が流入し、ブローカーの搾取、事業場での人権蹂躙、 産業災害、賃金未払いなど、到底語ることもできない人間以下の生活に対して 移住労働者は時期ごとに抵抗を組織した。人権と労働権侵害、産業災害問題を 告発した移住労働者11人の経実連籠城(1994年)、産業研修制の廃止と労働権を 要求した産業研修生13人の明洞聖堂鎖籠城(1995年)、集会・結社の自由争奪と 取り締まり追放反対、労働ビザ争奪のための明洞聖堂籠城闘争(2002年)、外国 人保護所内で初の断食闘争(2002年)、雇用許可制反対闘争(2003年)、強制追放 阻止と未登録移住労働者全面合法化のための明洞聖堂籠城闘争(2003-2004年) など、切実な闘いを続けてきた。その裏には、指を切断し、常習的な殴打と悪 口に苦しみ、最近のノルマルヘキサン中毒産業災害など奴隷のような労働条件 があり、いつ出入国管理所に拘束され強制追放されるかわからない不法滞留者 のくびきがあった。

二つ目に、移住労働者が労働者運動の主体として堂々と立つということを組織 的に示したという意味がある。苦しい生と労働に対し、恩恵授与や同情の対象 ではなく、移住労働者が主体的に労働組合を組織して、労働者運動に本格的に 進み出たのである。相談所中心の運動から脱却し、自主的な移住労働者運動を 開拓するための流れは、「移住労働者労働権完全争奪と移住・就職の自由実現 のための闘争本部(移労闘本)」の結成(2000年)、ソウル京仁平等労組移住支部 の結成(2001年)と続き、それが全国的な移住労働組合を指向する、ソウル京仁 移住労働組合の結成に至った。もちろん、まだ規模の面では大きくないため、 移住労働者運動の組織的求心体として名実ともに立ち上がるまでは、多くの努 力が必要になるだろう。

三つ目、移住労働者の手で直接建設し、自ら責任を負うことを指向するという 意味がある。もちろん、韓国の労働者と活動家の支持と連帯は、さらに高めな ければならない。さらに重要なことは、一次的に自らの生と権利を自ら勝ち取 るために移住労働者が悩み、組織して闘争にたつことだ。

労働権争奪と移住労働者主体拡大は共同の課題

権力と資本は、最も基本的な人権と労働権を二重に搾取して奴隷として生きる ことを強要したが、移住労働者は国籍を問わず、労働者として生と権利を勝ち 取るために進み出た。ソウル京仁移住労組はその規約にも、「移住労働者への 取り締まり追放反対、勤労条件改善と権利確保、移住労働者合法化、労働階級 の団結と前進を阻害するあらゆる差別と抑圧を拒否、万国の労働者団結の精神 に、すべての労働者の人間らしい生の実現」を目的とすると明らかにしている。 韓国の労働者運動もまた、労働者団結の精神で移住労働者運動を強化し、労働 者国際主義の精神で無制限に連帯しなければならない。
最近、民主労総の金属労組は規約を改正して、移住労働者も組合員対象に含め ることにした。これは、これまで移住労働者がいる製造業事業場でストライキ などの団体行動をする時には、移住労働者が工場を動かし続け、ストライキの 影響力が減少するという現実的な状況を反映している。しかし、これはわれわ れと全く同じ労働者として移住労働者を認め、同志になるという重要な出発点 だといえる。
もちろん、韓国の労働者は移住労働者を国内労働者の雇用を侵犯する利害関係 の対立の構図で眺められることもある。このような思考の中では、移住労働者 の問題は永遠に解くことができない頭の痛い問題でしかなく、労働者国際連帯 の当為性と国内労働者階級の保護という両者の間で葛藤せざるをえなくなる。 しかし、資本が人種、性、階層の分割を利用して内国人と外国人、男性と女性、 正規職と非正規職などに分断し、離しながら労働の不安定化を強要することが 新自由主義の属性であることを認識すれば、移住労働者もやはり、最も底辺の 不安定労働者でしかない。したがって、移住労働者運動は韓国労働者運動の重 要な一部である。
要するに、移住労働者闘争を組織し、連帯し、移住労働者運動の主体を大衆的 に拡大して労働組合を強化することは、韓国の労働者運動、全体の民衆運動の 重要な課題である。これについて労働者は移住労働者の問題を同じ労働者の問 題として認識できるように、教育宣伝を強化すべきであり、各地域と産業で移 住労働者との連帯を具体的に現実化するべきだ。韓国労働者や移住労働者や 新自由主義が強制する労働の不安定化と労働権に対する攻撃の前におかれるの は同じだからだ。
移住労働組合は、民主労総と各社会運動団体と共に今後、全国移住労働者闘争 団を建設し、全国的に取り締まり追放粉砕闘争と移住労働者労働権争奪闘争、 労働許可制争奪闘争などを展開するだろう。小さくは移住労働組合の支援から 始め、こうした闘争に参加し、移住労働者運動の強化発展に努力しよう。

2005年05月03日19:48:18

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


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