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KBS記者が「こんなことなら、なぜストライキをしたのか」という言葉を聞きたくなければ

KBSニュース9のトップニュースに冷淡な反応…「何も考えず視聴率を考えて作ったニュース」、KBS記者の返事は?

入力:2014-06-07 15:54:39 公開:2014.06.07 16:27:36
チョ・スギョン記者 | jsk@mediatoday.co.kr

KBS理事会が6月5日、政権の報道統制疑惑の当事者と指定された吉桓永(キル・ファニョン)社長解任案を可決した。 だが前途は遠いという批判が上がっている。 主に構造改革と報道統制疑惑の糾明が必要だということに焦点が合わされている。

まず政権の意向に振り回されるほかはないKBS社長選任の構造を改革する問題だ。 KBS二大労組と記者協会が叫んだ「吉桓永社長退陣」のスローガンは、 「青営放送(青瓦台が経営する放送)」を可能にする構造をもう変えようという意味でもあった。

社長候補を選ぶKBS理事会は、与党7人、野党4人の推薦で構成される。 多数決で決まるため、KBS社長は政権の圧力に弱い人物が選任される可能性が高い。

二番目の課題は、青瓦台のKBS報道統制疑惑の糾明だ。 キム・シゴン前報道局長がセウォル号惨事報道に対する青瓦台介入を暴露したのに続き、 チャン・ヨンジュCPも社内掲示板で吉社長が「深夜討論」の内容にいちいち介入し、 昨年、議論になった「TVショー珍品名品」のMC交替にも吉社長がかかわっていると暴露した。

▲製作拒否を宣言したKBS記者協会イ・チヨル記者truth710@

全国言論労働組合などの言論団体とKBS記者協会は、 吉社長と7日に辞任した李貞鉉(イ・ジョンヒョン)青瓦台秘書室長を放送法第4条2項違反で告発し、検察の捜査を要求した。 吉社長はセウォル号惨事の国政調査ですべての真相を明らかにすると話した。

だが6月6日のKBSニュース9は、KBS構成員が解くべきもうひとつの課題があることを見せている。 まともな放送ニュースだ。 吉桓永解任案が通過するとすぐ、KBS二大労組は6日の午前5時のストライキ終了を宣言して現場に復帰し、 記者協会も製作拒否を中断した。 6月6日のニュース9は青瓦台のKBS掌握に反対した記者が復帰後初めて製作したニュースだった。

これに対して、とても冷たい反応が出てきた。 主にこの日のニュース9のトップニュース「連休開始、外出客『わいわい』…あちこちで深刻な渋滞」についての評価だった。 あるツイッタリアンは「KBS労組製作拒否+ストライキの端緒はセウォル号惨事だった。 昨日、放送に復帰して9時ニュースの最初の項目が連休外出客でなければなかったのか? ニュース信頼度1位になったJTBCは彭木港でした。 あなた方は、まだまだという印象は振り切れませんね」と残した。

他のツイッタリアンは「MBCには期待もしない。 だがKBSは、ストライキの真情性があるのならキム・ジャンフン氏のセウォル号真相究明運動インタビューぐらいして報道しろ」と残した。 歌手キム・ジャンフンが参加するセウォル号遺族からの真相究明署名運動など、 セウォル号惨事の真相を報道で糾明しろということだ。

▲ KBS 6日付〈ニュース9〉トップニュース

ストライキ復帰初のニュースに対する冷笑的な評価は、一般市民だけの反応ではない。 シム・ソクテSBS記者(前言論労組SBS本部長)は自分のSNSで、 KBSのトップニュースに「少し当惑した」という意見を残した。

シム記者は「本当に国民が税金に準じる(だから準租税と呼ぶ)受信料を払って運営する公的な放送が作るニュースなら、 民主主義社会を運営するために一番核心的な情報を伝えることが当然ではないか」とし 「それなら昨日までの混乱ニュースできちんと伝えられなかった6.4地方選挙関連の分析であれ、さもなくばKBSを混乱に導いた問題が何なのかについての静かな事実と分析報道が今日のニュースの冒頭に配置すべきではなかったか」と指摘した。

もちろん、KBSはニュース9で吉社長の解任と今後の課題を詳しく扱った。 以前なら想像もできない報道だった。 KBSはニュースの後半部に配置されたリポート「KBS理事会、吉桓永『解任案議決』…理由は?」で 「そんな状況(解任)がもたらされたのは、青瓦台をはじめとする政界の報道介入が吉社長を通じて続いたという証言が続いたため」と伝えた。 次のリポートでは「吉桓永社長の件を契機としてKBSの社長選任の方式を変えるべきだという声が高まっている」と伝えた。

天気ニュースについての価値判断の問題もありそうだ。 主導的にストライキに参加したKBSのある記者は 「当日発生した懸案をまとめるニュースもあるが、取材期間が必要だが復帰初日なので深いニュースを出するのは難しい構造で、通常の放送時間を埋めることに比重をおいた」と話した。

この記者は「トップニュースが天気のニュースだったという批判があるが、 編成の価値についての判断が違う。 天気のニュースは政権が放送を掌握したから冒頭に出てきたわけではなく、 内部でも天気ニュースについての判断は交錯している。 (だが放送掌握とは無関係に)KBSは週末は天気スケッチのニュースが多く、 6日のニュースもこうした延長線上にあった」と話した。

もっと時間が必要だとも言った。 この記者は「公営放送の構造を作るストライキと製作拒否だったので、 じっくり取材した内容を政権の妨害と干渉なく放送する姿を見守ってくれ」と述べた。

▲クォン・オフン言論労組KBS本部長

だがKBSのニュースが非難の対象になった理由は、政権に不利な問題を避けて放送せず、 天気のニュースをいくつかのコマで伝えることで、適当にニュースの時間を消費して自ら「官営放送」を自任したためだ。 MBCの「動物ニュース」と共に、KBSの天気ニュースは不公正放送と政権に掌握された放送の象徴と感じられた。

国民は青営放送を脱皮して「ニュースらしいニュース」に戻す機会だと感じ、 KBSのストライキを支持した。 これは、KBSの記者に対し、単に青瓦台の干渉から抜け出すだけでなく、 以前とは違う「まともなニュース」を見せてほしいという要求でもある。 KBSの社長が変わり、支配構造が変わることよりも、 どんなニュースがニュース9に出てくるかが国民にとってKBS正常化の尺度とみなされるだろう。

こうした面で国民の反応とシム記者の批判は、3番目課題をKBSの記者に投げかける。 シム記者は「今まで他の放送は、政治的な状況についての避けられない考慮や、 複雑な内外の事情のため、そんなニュースは難しいと考えた。 しかし今日のKBSのニュースを見て、少し考えが変わった。 政治的な状況とは無関係に、ニュースはこう作るべきだという考えがないのではないか」と批判した。

KBSの記者は時間であれ、事案の価値判断であれ、 これから製作されるニュースについて国民の評価は避けられない。 MBCを見てもわかるだろうが、支持した放送局への評価はさらに苛酷だ。 「あなたたちはまだまだ」という評価が 「こんなことなら、いったいなぜストライキをしたのか」という評価につながらないようにするためには、 公営放送のニュース製作についてのKBSの記者の根本的な悩みが必要になりそうだ。

原文(メディア・オヌル)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作権:この記事の原著作権は、韓国のインターネット新聞メディアオヌルが保有しています。この記事はメディアオヌルの許可を得て翻訳・掲載したものです。本記事および文中の写真・図表の利用や転載などについてのお問い合わせはメディアオヌル宛にご連絡ください。


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