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韓国:インターネット、自律性と自浄能力の進化に注目
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インターネット、自律性と自浄能力の進化に注目

メディア行動ワークショップ、「インターネット表現の自由の侵害と代案」

ユ・ヨンジュ記者 www.yyjoo.net / 2008年10月23日11時07分

進歩ネットワークセンターのオ・ビョンイル活動家は、李明博政権での主な インターネットでの表現の自由侵害の内容として、△キャンドルデモのインター ネット統制、△情報通信網法全部改正案、△強制的インターネット実名制の拡大、 △サイバー侮辱罪を選んだ。

10月22日の午後、フランチスコ教育会館で開かれた言論私有化阻止・メディア 公共性争奪社会行動(メディア行動)の第二回ワークショップで、オ・ビョンイル 活動家は『インターネット統制TF活動報告および討論』でこう診断し、代案 としては特に『自律性と自浄能力の進化』を主張した。

▲メディア行動第二回ワークショップが23日にフランチスコ教育館で開かれた。この日のワークショップでは、インターネット統制TF、放送通信TF、メディア関連法国会対応、政府の私有化攻勢などを主題に扱った。

インターネット統制、萎縮効果をあげる

キャンドルデモでのインターネット統制に関して、5月には警察がネチズン21人 の身元確認を要請、ハンギョレ21により明らかになった政府の会議文書、放送 通信審議委員会による5月28日以後の掲示物審議と7月1日の不買運動掲示物58本 削除などの事例を選んだ。

5月、警察がダウム、ネイバーなどのポータルサイトに対し、2MB(李明博)弾劾 署名運動とBSE関連で書き込みをした21人に対する身元確認要請をしたという点。 これらはすべて不法とは言えず、実際に特に捜査の成果もなかった。

オ・ビョンイル活動家は「事実、捜査機関の意図は、刑事処罰で威嚇すること でインターネットでの活動を萎縮(chilling effect)させることだった」と話し た。捜査機関は、『5月17日ストライキ休業』を提案した19歳の青年を学校営業 妨害の疑いで不拘束起訴したが、法院は無罪判決を出した。

放送通信審議委が7月1日の朝鮮・中央・東亜不買運動関連掲示物58本について 削除を勧告した後、広範囲な掲示物の削除が行われた点、7月8日に関連活動を したネチズンの出国禁止措置と15日の家宅捜査などに対してもオ・ビョンイル 活動家は「結果として朝鮮・中央・東亜不買運動への萎縮効果を持たらした」 と指摘した。

情報通信網法全部改正案、やはり表現を萎縮

7月22日に放送通信委員会が発表した『インターネット情報保護総合対策』。そ の名分は、今年発生したオークション、ハナロテレコムなどの個人情報流出・ 乱用を契機として、個人情報の保護とセキュリティの強化を上げているが、 『有害情報摘発』を根拠としてインターネット内容規制を強化しており、問題 が指摘された。

オ・ビョンイル活動家はこれに対して「キャンドルデモの過程で高まった政府 への批判的な世論を統制する意図だ」と指摘した。

この総合対策は、9月1日、情報通信網法全部改正案に反映されている。内容規 制に関する毒素条項は、不法情報流通防止のためのモニター義務賦課(第124条 第2項)および臨時措置関連条項(第119条、第145条第1項17)の大きく二つ。

オ・ビョンイル活動家は、モニター義務の賦課に関して、「サービス提供者に 不法情報への民事刑事上の連帯責任を賦課すると、サービス提供者は法的な責 任を避けるために不法が疑われる利用者の掲示物を広く削除することになるだ ろう」と見て、「不法情報は不法と疑われる情報でしかなく、これは利用者の 正当な表現行為まで深刻に萎縮させる」と指摘した。

次に、臨時措置。情報通信サービスの提供者が該当情報を削除するよう要請さ れたときは、遅滞なく削除・臨時措置を取らなければならない。これに違反し た場合、3千万ウォン以下の過怠金が課される。これもまた利用者の表現を過度 に制約するものと説明された。

『実名制vs匿名制』ではなく、『強制的インターネット実名制vs試用者の自主的判断』

放送通信委は、キャンドル集会の過程でインターネット実名制を拡大する計画 を公表した。情報通信網法一部改正案の立法予告で、10月25日に法務部は、 『インターネット有害摘発』を理由としてインターネット実名制を拡大し、 ドメイン登録実名制も進めることを発表した。

改正案は、これまで一日の接続利用者が20万人(インターネット新聞)、30万人 (ポータル、UCCサイト)以上にのみ適用されていたインターネット実名制を、 10万人以上の接続があるすべてのインターネット事業者に拡大することを内容 とする。改正案が適用されると、対象は現在の37サイトから178サイトに増える。

オ・ビョンイル活動家は「今回の改正は、強制的インターネット実名制政策の 実効性への評価も実名制拡大の根拠もなく強行される」とし「チェ・ジンシル氏 の自殺事件と強制的なインターネット実名制には何の関係もない」と話した。

オ・ビョンイル活動家は、利用者がインターネット実名制に賛成するのは、 『誤解』によるものとし、「争点は『実名制 vs 匿名制』ではなく、『強制的 インターネット実名制 vs 利用者の自主的判断』」であり、「個々のコミュニ ティの特殊な状況と自主性を無視して、なぜ政府が特定の掲示板システム/政策 を強要するのか」と問いかけた。

サイバー侮辱罪は、政府批判を規制する意図

7月にキム・ギョンハン法務長官が導入の必要性を公表して以来、政府とハンナ ラ党の人々が提起し続けているサイバー侮辱罪。反意思不罰罪とし、当事者の 告訴がなくても捜査、処罰できるようになり、処罰の程度も一般の侮辱罪より 高くすることが要旨だ。

オ・ビョンイル活動家は「わが国には、すでに刑法に名誉毀損罪と侮辱罪、 情報通信網法にサイバー名誉毀損罪があり、当事者は名誉毀損や侮辱などにつ いて法的救済を受ける法的手段が存在する」と指摘し、「したがってサイバー 侮辱罪の核心は、当事者が告訴しなくても捜査機関が任意に捜査できるように することではないか」と推測する。

オ・ビョンイル活動家は「明確な基準なく、捜査機関が不法性の捜査ができる ようにすると、利用者は自分の表現行為を自己検閲をするようになる。これも 憲法裁判所が指摘した明確性の原則などに反する違憲的な立法」と主張した。

オ・ビョンイル活動家は「非正規職の闘争を誹謗中傷する連中を捜査機関が捜 査をするだろうか」とし、「結局、政府を批判、規制する意図」だとサイバー 侮辱罪の推進を批判した。

インターネットの自主性、自浄能力の進化を振り返れ

一方、オ・ビョンイル活動家は法規制の強化に反対する立場でインターネット の自主性と自浄能力に任せるべきという主張をさらに詳しく語る必要を提起した。

インターネットの利用者の自主性、自浄能力について、「時間がたてばネチズ ンは次第にネチケットを守るだろうとか、文化的に成熟するという信頼はでき ないだろう」と述べた。誹謗中傷の現象がインターネットそのものの問題とい うより、韓国の社会構成員が持つ疎外や憎しみの感情の表出であるという点で、 社会的な問題だと指摘する。

オ・ビョンイル活動家は「無限競争の新自由主義体制が深刻になる限り、そう した感情が緩和されると期待するのは難しい」とし、そのため「運営者も利用 者も、インターネットでの経験を蓄積し、インターネットの特性への理解を深 め、試行錯誤を経て問題への対応力が高まる」ことに注目すべきだと話した。

たとえば、誹謗中傷には深刻に反応しない、私的な内容を公開する場合の慎重 さなどの文化的な適応、またはコミュニティのための適切な政策指針や、技術 システムの採用などを上げた。

オ・ビョンイル活動家は「自主性、自浄能力は空文句ではなく、インターネッ トの草創期からの自主的な問題解決の過程の進化を表現する」、「個別の空間 ごとに、すべて特性と問題が違う。そして自分たちで問題を解決する方法を探 しているのに、なぜ外部から単一の解決策を強制しようとするのか」と述べ、 自主性、自浄能力の進化に注目することを提起した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-10-26 08:42:42 / Last modified on 2008-10-26 08:42:43 Copyright: Default

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