本文の先頭へ
韓国:インターネット言論、最も難しいのは「企画と戦略」
Home 検索

インターネット言論、最も難しいのは「企画と戦略」

インターネット言論ネットワーク、「表現の自由・進歩談論」を主題にワークショップ

ユ・ヨンジュ記者 www.yyjoo.net / 2008年08月19日12時39分

メディア忠清、蔚山労働ニュース、チャムソリ、労働ネット、民衆言論チャム セサンなどのインターネット言論ネットワークに所属するグループがワーク ショップを開き、メディア環境の変化を直視する中でデスク間の情報交換と共 同企画、インターネット言論の戦略方向などを共に模索することにした。

インターネット言論ネットワークが主催し、韓国言論財団が後援する今回のワー クショップは、8月14-15日に儒城の東鶴山荘で開かれた。所属ジャーナリスト と活動家約40人が参加し『表現の自由・代案談論、オルタナティブ・メディア の役割』を主題として幅広い討論を持った。

▲8月14-15日インターネット言論ネットワーク ワークショップ「表現の自由・代案談論とオルタナティブ・メディアの役割」/写真-キム・ヨンウク記者

李明博政権のインターネット統制政策による『表現の自由』侵害は深刻

初日に『インターネット言論の表現の自由と選挙実名制』の討論で問題提起を したインターネット実名制廃止共対委のチャン・ヨギョン執行委員は、参与政 府に続いて李明博政府の発足後に拡大されるインターネット実名制の強化の流 れに深刻な憂慮を表明した。

チャン・ヨギョン執行委員は「インターネット実名制は、2004年に導入された 直後から、ずっと議論の対象」だったが、今回の「キャンドル集会が議論を再 始動させた」と話した。

チャン・ヨギョン執行委員は、2008年5月のキャンドル集会とともに「インター ネットがいわゆる『狂牛病怪談』疑惑に振り回されるという保守言論の指摘が 起こり、時を合わせてインターネット実名制を拡大しようとする政府の動きが 捉えられた」と指摘した。7月22日に政府が制約的本人確認制、つまりインター ネット実名制を現行の37サイトから大幅に増やし、268サイトで義務化する方針 を公式に表明したのに続き、8月8日には公聴会も開催した。

チャン・ヨギョン執行委員は、インターネット実名制は、これまでネチズンの インターネット活動を萎縮させ、表現の自由を侵害してきた流れと事例を挙げ て、「インターネット実名制は全体的なインターネット言論環境の硬直を産む」 と警告した。

特に、大統領府のインターネット専門担当秘書官新設、警察のインターネット 対応チーム運営、ハンナラ党のサイドカー制度など、李明博政権が導入するイ ンターネット統制政策は、「インターネットの世論を初期から監視するという 意図が明白だ」とし、同時に「インターネット(言論を含む)事業者によるイン ターネット世論統制」も深刻だと指摘した。

初日の討論では、大統領選挙と総選挙の時に選挙実名制を適用されるインター ネット言論が多様な方式で拒否した事例を発表した。

総選挙の時には労働ネット放送局、大字報、レディアン、ミディアース、メディ ア忠清、民衆言論チャムセサン、民衆の声、扶安21、エキュメニアン、蔚山労 働ニュース、移住労働者放送局、人権オルム、インターネットジャーナル、仁 川ニュース. イルタ、チャムソリ、カルチャーニュース、コカニュース、共に 歩む、PDジャーナルなど、20余りのインターネット言論が選挙実名制廃止を要 求して共同実践を展開した。

これらのインターネット言論は、選挙法上の選挙実名制が表現の自由を侵害す るだけでなく、インターネット言論の世論の多様性を害する毒素条項だという 判断を共有し、掲示板閉鎖、サイト ストライキ、匿名コメント、掲示板運営主 体の変更などの戦術で選挙実名制を拒否した。

イ・ヨンジュ、「インターネットとネットワークメディアは『政治の社会化』に寄与」

二日目の『代案談論とインターネット言論の課題』討論では文化連帯メディア 文化センターのイ・ヨンジュ所長が『ジャーナリズムシフトと進歩言論の挑戦』 を、進歩ネットワークセンターのファン・ギュマン活動家が『インターネット 言論の過去と現在そして未来』をそれぞれ問題提起した。

イ・ヨンジュ所長は『ニューメディアとニューメディアの政治的可能性と記者 とジャーナリストの拡張』を特に強調した。

イ・ヨンジュ所長は「インターネットとモバイルなどのネットワークメディア 的な疎通形式は既存の大衆媒体と違い、私たちが注目すべき可能性の一つ」と して『公論の場』の側面を上げた。イ・ヨンジュ所長は「プレスの名札を付け てはいないが、プレスの名札よりはるかに多くのニュースと情報、知識と討論 を媒介するインターネットとモバイルジャーナリスト、そしてコミュニケート する人民の広場では、明らかに新聞やテレビが採択しないか、採択できないよ うな主題が相対的に自由に公開され討論される」ことに注目した。

イ・ヨンジュ所長は「インターネットとモバイルメディア、そして今後出現す るだろうニューメディアとニューメディアは、既存の確立された社会領域に対 する公共社会を形成する」と肯定的に述べ「インターネットとモバイルメディ アが政治的啓蒙と闘争の最も適当なメディアになるかもしれない」と主張した。

イ・ヨンジュ所長はまた「インターネットやネットワークメディアは『政治の 社会化(socialization of politics)』に寄与すると期待」するとし「自分の狭 い利害と視野を越え、人民の表現と政治的な場として、いかなるメディア政治 を構成して行くか」を考えようと提案した。

ファン・ギュマン、「世の中を解釈する自分だけの固有な世界観」

進歩ネットワークセンターのファン・ギュマン活動家は言論としてのメディア が備えるべきさまざまな要素を通史的に見た後、『議題設定能力』など六つの 要素を提起した。

ファン・ギュマン活動家は「既存の主流メディアは自分のコミュニティの大衆、 さらに広場の大衆と対話する経路を作るためにす早く動いた」とし、代表的な 事例として今回のキャンドル局面でのMBC 100分討論を上げた。MBC 100分討論 が意見掲示板を自社ホームページを利用せず、ダウム・アゴラとネットワーク を構築したことが「非常に感覚的なアジェンダ設定技法」だったと見た。

ファン・ギュマン活動家は「これまで広場の大衆とコミュニケートするのはイ ンターネット言論の専有物だったが、2008年のキャンドルの最大の受恵者は、 ハンギョレとMBC」だったとし、ハンギョレがダウム・アゴラとネットワークを 構築してす早く生中継し、その力を基盤として強大なアジェンダ設定の力量を 披露した点も高く評価した。

こうした主流メディアの変化に対し、ファン・ギュマン活動家は、「単に言論 技法の洗練というだけの意味ではない」とし、「インターネットがメディア市 場全般に衝撃を与えたことに劣らない技術的な革新と市場の変化に注目しなけ ればならない」と付け加えた。

2002年にインターネット言論が成功したのは、インターネットの技術的価値・ つまりネットワークの中立性による部分が大きいという点で、進入障壁が低く、 効果的に既存のメディアを革新することができる武器だったとすれば、今のよ うに技術と市場が統合された状況では、ネットワークへの進入障壁ははるかに 高くなっているという指摘だ。

これは、インターネット言論ネットワークに所属するインターネット言論のよ うに、「大きな資本がない事業者は、当初から競争力をなくし」、「主なプラッ トホーム事業者と別途の契約を結べなければコンテンツへのアクセスからも遮 断される可能性が高い」という判断だ。

ファン・ギュマン活動家はこうした状況で、インターネット言論が構築する課 題として、△議題設定能力、△世の中を解釈する自分だけの固有な世界観、△自分 だけの固有なコミュニティ構築、△実験的なプラットフォーム、△自分だけのコ ミュニティを越えた広場の大衆との対話、△今後展開するメディア市場で有機的 な主流メディアとのネットワーキングなどを提示した。

最も難しいのは人と金、それより難しいのは企画と戦略

メディア忠清のイム・ドゥヒョク発行人は、「運営する立場から見ると、最大 の問題は金」とし、「最も良いのは私たちが生産する記事が売れることで、そ れは同時に広がるということ」とし、財政とコンテンツ流通の重要性を強調した。

イム・ドゥヒョク発行人は「記事の質が落ち、洗練されず、企画されなくても、 まず私たちの中だけででも流通させる流通網を拡張することが必要だ」とし、 「ここにいる報道機関の固定読者を活用し、深みのある記事と共同の記事に進 む可能性を検討しよう」と提案した。

民衆言論チャムセサンのキム・ヨンウク編集局長は、「自ら独立ネットワーク に対する指向があったと思うが、ネットワークでは仲間はずれになったようだ」 とし、最近のダウムのブログニュースによる独自大衆との疎通事例を挙げた。

キム・ヨンウク編集局長は「古典的情報通信運動の脈絡から見ると、ポータル との連係は容易ではない問題だが、今後、ネットワーキングのための技術的な 検討と疎通方式の検討が不可避だ」と話し、「結局コンテンツ生産の問題がカ ギだろう」と付け加えた。

チャムソリのパク・ジェスン編集局長は、「2003年の扶安闘争の時(チャムソリ の)影響力は高かった」とし、当時の事例を挙げた後で「地域言論の課題と役割 も、地域の闘争とかみ合っているようだ」と話した。

パク・ジェスン編集局長は「扶安闘争以後、地域運動の停滞とかみあって、言 論も独自の役割をきちんと果たせない状況」だと地域運動に絡む代案的な言論 活動の悩みを表わした。

蔚山労働ニュースのイ・ジョンホ編集局長は、「最近、リニューアルしてホー ムページを変えたりもしたが、問題はなくならない」とし、「人と金の問題が 大変だ」と話した。続いて「その中でも一番難しい点は、根本的な変化に対す る戦略と企画がないこと」と強調した。

イ・ジョンホ編集局長は、「疎通と連帯の武器としてインターネットを設定し、 これまで女性非正規職問題などを扱いながら自負心もあるが、果たして地域で 何ができるのかに悩む」と話し、創刊4年目をむかえる地域進歩言論の現実的な 困難を吐露した。

イ・ジョンホ編集局長は「共同企画など、民衆言論チャムセサンが全国的水準 で考えるべき点がある」と話し、「各地域のメディアがもっとたくさんできて、 私たちだけのコンテンツを生産して蓄積すれば、難しいことだが意味がある」 と話した。

全国メディア運動ネットワークのホギョン活動家は「地域メディアの各グルー プは、多くの困難があるが展望もある」とし、蔚山労働ニュースの事例を肯定 的に評価した。また、「最も苦しいのは民衆言論チャムセサンだろうが、チャ ムセサンが持つ世界観がそれだけ絶対的に少数だから」とし、「さらに大衆的 かつ代案的な方向を確立することが必要だ」と提言した。

参加者は近い将来、後続の企画の会を開き、提起された課題を議論することにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-08-23 22:13:12 / Last modified on 2008-08-23 22:13:12 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について