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「最賃委決定、女性労働者の賃金をむしろ削減」

[女性行進] 29日最賃委決定に批判声明

チョ・シネ記者 shin@jinbo.net

29日、最低賃金委員会が今年の9月から来年12月までに適用される最低賃金と して、時給3100ウォン、9.2%の引上げ率を決めた。 これは、現行の最低賃金時給2,840ウォンから260ウォン引き上げられた金額で、 40時間換算で月647,900ウォン、44時間換算で月700,600ウォンだ。

これに対して貧困と暴力に抵抗する女性行進は30日、最賃委の決定を批判する 声明を発表、「貧困女性の要求を無視して低賃金構造を強化する最低賃金委を 解体しろ」と主張した。

*去る2日最低賃金現実化集会に参加した清掃用役支部女性労働者*

女性行進は声明書を通じて「最低賃金9.2%引上げ決定に怒る」とし、「今回 公益委員が提示した引き上げ上限線のとおり、13.5%に引き上げるとしても、 週40時間制による年月給の縮小、生理休暇の無給化によって賃金が低下するの で公益委員案を反対したのに、それにも至らない」と批判した。

女性の貧困化、貧困の女性化

女性行進は新自由主義労働柔軟化の中で非正規職が量産され、非正規職の大多 数が女性であるという状況、一方で家事、保育、看病などの仕事が当然のよう に女性の責任とされる現実が「女性たちは自身の生計に責任を負い、自分の人 生をつくる基本的な権利を奪われている貧しい状態」と指摘し「女性の貧困化、 貧困の女性化の問題は、もうこれ以上見過ごせない」と明らかにした。

続いて「女性行進が最低賃金闘争を支持し、野宿座り込みに参加したことは、 最低賃金が何万ウォンか上がることで女性労働者の貧困問題が即刻解決するわ けではないにしても、最低賃金が「低賃金労働者の最小限の生計を保障して、 労働者内部の過度な格差を解消するための」趣旨のとおりに現実化すれば、 女性たちの貧しい人生は変わると考えたため」と伝えた。

女性労働者の賃金はむしろ削減

彼らは29日に決まった「最低賃金9.2%引上げ決定無効化」を主張して、今回 の引上げ率として決定した最低賃金が、△他の労働者の賃金引き上げ額よりも 低い金額△多くの女性労働者の賃金が削減△週44時間労働、1か月の月給 700,600ウォンでは生計は不能などを理由に上げた。

特に、女性労働者は週40時間制によって年月次給与と生理休暇手当てが削減さ れ、女性労働者の賃金は昨年より逆に削減される状況という指摘だ。

女性行進は「今回の最低賃金引き上げの決定が最低賃金の趣旨に正面から反す るだけでなく、女性をさらに貧しくし、低賃金構造を強化する決定」と批判し、 「貧しい女性たちの叫びを無視した最低賃金委を解体せよ」と要求した。

[女性行進声明書全文]

貧困女性の要求を無視して低賃金構造を強化する最低賃金委を解体しろ!

6月29日に最低賃金委員会が決めた最低賃金9.2%引上げの決定にわれわれは怒る。 韓国の最低賃金は生計費にも至らない非常に低い水準だ。その上、平均賃金を 比較すると、むしろ最低賃金は毎年低下してきた。今回、公益委員が提示した 引き上げ上限の13.5%まで引き上げたとしても、ド週40時間制による年月次給与 の削減、生理休暇の無給化によって賃金が低下するので、公益委員案に反対し たが、それにさえ達し得ない。

新自由主義的世界化過程で労働が不安定化し、それに伴い非正規職が増え、非 正規職の大多数が女性である。そして、女性が責任を負うべきは家庭だという 理由で、女性には安定した良い雇用が与えられない。また家事、保育、看病な どの仕事はどんな女性でも自然できるという通念を押し付け、低い賃金で働く ことを強要している。このような状況で、女性たちは自身の生計を責任を持ち、 自身の人生をつくる基本的な権利を奪われて、貧しい状態に直面せざるをえな くなった。貧困の問題が社会的に深刻になり、女性の貧困化、貧困の女性化の 問題は、もうこれ以上見過ごせない。

「2005世界女性行進と共に貧困と暴力に抵抗する女性行進」は、最低賃金を受 ける女性、男性労働者の最低賃金闘争を支持し、野宿座り込みに参加した。 最低賃金が何万ウォンか上がれば女性労働者の貧困問題をすぐ解決されるわけ ではない。だが、最低賃金が「低賃金労働者最小限の生計を保障して、労働者 内部の過度な格差を解消する」という趣旨のとおりに現実化すれば、女性の貧 しい人生は変わると考えたからだ。

29日に決定された最低賃金9.2%引上げ決定は、次のような理由で無効化され るべきだ。第一に、今回の引上げ率による最低賃金引上額は、他の労働者の賃 金引き上げ額より低い金額だ。2004年8月を基準として、全労働者の定額給与 は1,637,538ウォンだ。ここに賃金引き上げ率展望値を6.0%とすれば、98,252 ウォンだ。しかし今回の決定で、最低賃金が適用される労働者の賃金引き上げ 額は、週44時間を基準とした時、せいぜい58,760ウォンでしかない。最低賃金 で働く労働者と、そうではない労働者の賃金格差はさらに広がる。第二に、今 回の決定でむしろ多くの女性労働者の賃金が削減される。週40時間制により、 年月次給与と生理休暇手当てが削減されるので、女性労働者の賃金は昨年と比 べるとむしろ削減される深刻な状況だ。第三に、週44時間働き、一か月の月給 が700,600ウォンではとうてい暮せない。29才以下の単身労働者の生計費が 113万ウォン(昨年10月基準)という数値に言及するまでもなく、これは明白な事実だ。

われわれは今回の最低賃金引き上げの決定が、最低賃金の趣旨に正面から反す るばかりでなく、女性たちをさらに貧しくし、低賃金構造を強化する決定であ るため、明確に反対する。また、貧しい女性たちの叫びを無視した最低賃金委 を解体することを要求する。われわれは、不安定な労働と低賃金に苦しむ労働 者民衆と共に、今回の決定の無効化、最低賃金委の解体のために連帯して闘争 するだろう。

2005年6月30日

貧困と暴力に抵抗する女性行進

2005年06月30日12時51分

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2005-06-30 23:52:46 / Last modified on 2005-09-05 05:16:29 Copyright: Default

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