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韓国:米民主党下院議員との共同対応
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姜基甲、「最初のボタンをかけ間違えた韓米FTA」

米民主党下院議員との 共同対応に合意

ラウニョン記者 hallola@jinbo.net

第一回韓米FTA交渉期間中に訪米活動を展開した民主労働党の姜基甲議員が、 12日に記者ブリーフィングで活動報告および交渉に対する立場を発表した。

姜基甲議員は、韓国政府の4大前提条件(スクリーンクォータ、牛肉輸入、自動 車排気ガス、薬価政策)の受け入れと公聴会などの国民的な意見収斂手続き、 過程を省略した点を上げ、「開始から間違って出発した韓米FTA交渉は、憂慮 された通り第一回本交渉でも最初のボタンをかけ間違えた」と評価した。

特に1次交渉の内容に関し「米国には『贈り物』を一袋渡して、政府はほとん ど『手ぶら』で帰ってきた失敗の交渉」と評した。

失敗と評価する理由は「現地に法人や地点を設立せず、金融商品を取り扱える 国境間取り引きを開放することにより、雇用増大は期待しがたく、金融サービ ス強国である米国にさらに有利になった」という点、「サービス分野で現地に 支店や・代行社がなくても国境間サービスが営業できるようにしたことで、現 地の雇用創出効果はそれだけ減るうえ、消費者被害補償も難しくなると予想さ れている」という点を上げた。

また、投資分野では投資の意向の段階から国内企業と同じ待遇をすることにし、 現地の人と現地の部品を使う義務の賦課を禁止した点、投資家-国家間の紛争 解決手続きに合意した点を上げて「国内経済のかく乱要因になり得るホットマ ネーのような投機資本も投資待遇を受ける道を開いた」と主張した。

その反面、韓国政府の要求はほとんど反映されていないことを指摘した。姜基 甲議員は、△農業分野で緊急セーフガード措置など韓国側の重要な要求内容は 米国側の反対で妥結できなかった、△原産地通関分野で政府は開城工業団地製 品の韓国産認定を主張し続けたが、米国は今回の協定の範囲は韓米間だという 論理とともに北朝鮮の核問題などの政治的障害物をあげて無視した、△繊維分 野では、政府は原産地基準の緩和と早期関税の撤廃を要求したが米国は受け入 れなかった、△貿易区各分野では、韓国は対米輸出に悪影響を与える反ダンピ ング関税と計上関税(1983〜2005年まで373億ドルを賦課、対米総輸出額の7%) を米国が乱発できないようにするメカニズムを主要争点として扱ったが肯定的 な答弁は聞かれなかったと説明した。結局、韓国政府の要求はまともに反映さ れなかったという結論だ。

米国民主党下院議員と共同で対応

姜基甲議員は訪米活動を「肯定的」と評価し、「米国民主党の下院議員と韓米 FTA阻止のために共同対応することを合意した」と明らかにした。

共同合意事項

(1) 韓米FTA交渉反対のために両国の実情に合った多様な事業を両国の国会、 市民社会団体とともに進める。特に韓米FTAに反対する両国の国会議員を集める。

(2) 7月に開催される韓米FTA第二回交渉に合わせて両国の国会議員の共同声明 など共同の行動を模索する。

(3) 9月にワシントンで開催される韓米FTA第三回交渉に合わせて米国民主党、 大韓民国民主労働党、両国の市民社会団体と共同で、仮称「韓米FTAが両 国民に及ぼす影響と対応方案に対する討論会」の共同開催を推進していく。

※米民主党クチニチ議員(オハイオ州)は7月2次交渉に合わせて、ソウル訪問を積極的に表明する。

また、今回の訪米活動を通して米国の代表的な労働運動組織である米国労総産 別会議、勝利のための変革連合との間で韓米FTAを阻止活動に合意し、アンサー (ANSWER Coalition)等の米国内の進歩的勢力と韓米FTAを阻止する共同行動を 展開することにしたと明らかにした。また、米国交渉首席代表(ウェンディ・ カトラー)との面談で、韓国民の「韓米FTA交渉に反対」の立場を明確に伝えた と報告した。

さらに米国内の消費者団体(Food & Water Watch)との出逢いで、BSEの危険か ら安全ではない米国産牛肉の問題点について両国民間で公論化する契機を用意 したと付け加えた。

2006年06月12日22時27分

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


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