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韓国:現代車労使暫定合意案に関する批判が続く
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現代車労使暫定合意案に関する批判が続く

「不法派遣特別交渉の実効性に疑問、 非正規職差別をしてきた過去を踏襲」

崔ハウン記者

故リュ・キヒョク組合員自殺関連対策委構成問題に続き、9日に導かれた 現代車労組臨時団体協議暫定合意案に対する論議が起きている。

議論の焦点は不法派遣特別交渉問題など現代車内の非正規職懸案闘争に対する 対応の部分だ。現代車非正規職労組の関連声明だけでなく、すでに『ピープル タイムズ』など、インターネットの論客サイトでは「正規職労組謹弔」という 文など、今回の現代車労組暫定合意案への酷評が続いている。

「現場の力がない使用側との交渉は毒になるだけ」

現代車労使は9日に△賃金89000ウォン、盆暮れのボーナス80万ウォン、3社制 度改善激励金100万ウォン(妥結から遡及分支給) △週間連続二交代制度2009年 1月1日に施行△カン・ビョンテ解雇者釈放後、本人からの要請があれば1ケ月 で復職△正規職13人告訴告発双方撤回、損賠仮差押さえ撤回△非正規職賃金 82770ウォン(正規職賃金引き上げの93%)、成果金300%、一時金120万ウォン△ 非正規職8月12日以後に発生した告訴告発撤回、懲戒最小化など、63条項に合 意した。そして不法派遣特別交渉を暫定合意後1カ月以内に開催するように合 意した。

これに対して現代車非正規職労組は12日に声明を出し、「9ケ月近く展開して きた不法派遣元下請連帯会議による不法派遣撤廃闘争が、05年賃団闘空間で 『1カ月内特別交渉実施』という不渡り手形に向かっている」と強く批判した。

「不法派遣元下請連帯会議で8回も不法派遣特別交渉を要求したのに、会社側 は拒否し続けてきた。だが労働組合は賃団闘の前に不法派遣特別交渉を必ず成 功させるという決意で使用側の最後の決断を要求し、1ケ月以内に3次徭法派遣 特別交渉をすることに合意を引き出した」という現代車労組の9日付の争対委 速報とは正面から反する評価だ。

現代車非正規職労組は暫定合意案に対して「賃団闘の時とは比較もならないほ ど現場が沈んでいる時期に、果たして使用側が合意事項をきちんと履行するだ ろうか? 現場の力がきちんと組織できない状況で、交渉が達成されても意味 ある成果を期待することは夢想に過ぎない」と酷評している。労組の声明書は 「不法派遣完全撤廃、正規職化争奪、非正規職撤廃のために最後の1人まで、 渾身の力で戦う」という決意表明で終わっているが、結局、現代車労組が賃団 闘期間を元下請共同闘争で突破する企画や実践意志がなかったという点を主に 批判したかったものと読める。

「正規職非正規職差別の誤りを踏襲」

指摘されているのは不法派遣特別交渉問題だけではない。すでに現代車非正規 職労組は9日に『暫定合意案に対する立場』という題の声明を通じて「毎年 指摘されてきた誤りを踏襲した絶望的な合意案」という立場を表明している。

△不法派遣闘争関連非正規労組弾圧に対する原状回復の合意で『8月12日以後』 と釘を打ち、結局1月18日からストライキ座り込みに突入して闘ってきた5工場 座り込み者などが排除されている点△2・3次業者労働者が適用対象から除外さ れている点△非正規職賃金関連で正規職『引き上げ分』の93%引上げ、成果給 差別などが労組が指摘している部分だ。

このような合意内容は「最も先に立って犠牲と献身で闘争を展開してきた5工 場ストライキ座り込み者などの志気を落とし、絶望に押し込む」とし、「賃団 闘空間内で合意を引き出して、これを何かの形で定例化して構造化させようと、 また闘争に乗り出したシナン・ケリムと現代セシン2・3次労働者は、再度疎外」 され、「正規職と非正規職の差別を大きくした」と労組は判断する。

現代車労組はこれに対して「毎年80%水準の賃金引き上げをしてきたが今年は 93%を勝ち取るなど少しずつ良くなるよう努力していて、不法派遣、賃金引き 上げ、解雇者問題などどの一つも雑にせず最善を尽くそうと努力した」という 立場だ。

「転換配置の基準は、結局は適法な請負を推進するという会社の内心を表すもの」

一方、現代車非正規職労組は協約の34条(配置転換の制限)に関する合意にも、 『不法派遣改善計画』を実行する前哨作業だという憂慮を強く示した。

現代車労使の協約34条暫定合意案は、「・・・人材の効率的な運営のために、 2005年10月末までに〈配置転換の基準〉を用意、施行する」という文句を含む。 これについて暫定合意案が出た日にほとんどのマスコミが「労使はまたこれま で生産工場の効率的な人材運営の障害になっていた配置転換の制限を緩和する ために、もっと柔軟な配置転換基準を新しく用意することにした」と報道した。 現代車労組の関係者は「転換配置基準を柔軟に用意するというのではなく、こ れまで転換配置基準自体がなかった問題で、実際に現場で発生する転換配置の 問題に対応することが難しかった部分があって、これに対する『基準』を用意 していくという内容」と釈明した。

現代車非正規職労組はこういう転換配置基準の議論が「当分は使用側が工場間 の物量差などを言い訳にして、配置転換基準の緩和を主張しているが、内幕は 不法派遣を適法請負で解決しようとする、いわゆる『不法派遣改善計画』の実 行と窮極的にスト権無力化による労組破壊という策略がかくされている」と指 摘する。

このような論議の中で、12日現在、現代車労組は午前から暫定合意案に対する 組合員の賛否投票を進行している。暫定合意案否決の主張も現場組織から出て いるのは事実で、実際に投票でこの主張がどれほど意味のある数値と表現され るのかはわからない。

2005年09月12日14時30分

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2005-09-14 13:52:05 / Last modified on 2005-09-14 13:52:47 Copyright: Default

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