本文の先頭へ
韓国:現代車牙山、下請け労働者の雇用継承を拒否して暴行事態
Home 検索

現代車牙山、下請け労働者の雇用継承を拒否して暴行事態

(株)現代自動車、使用者性を隠すために下請け業者を背後操作していた疑い

チョン・ユンミ メディア忠清記者/ 2008年01月04日13時25分

(株)現代自動車牙山工場は、社内下請労働者への弾圧で新年を開いた。

(株)現代自動車牙山工場(以下牙山工場)塗装部社内下請業者のナムムョン企業 (社長イ・ジュンボク)が、これまでのクァンジン企業所属で牙山工場で働いた 労働者を再雇用するにあたり、勤続年数を認めずに新しく勤労契約締結を要求 した。

そこで80余人の全国金属労働組合忠南支部現代自動車牙山工場社内下請支会(以 下社内下請支会)の組合員全員が勤労契約書作成と退職金の受領を拒否し、完全 な雇用保障と勤続年数継承を要求して戦っている。

「(株)現代自動車、ナムムョン企業を利用して不法派遣を隠せたのではないのか」

これまで(株)現代自動車をはじめとする完成車組み立て工場の中では下請け業 者が廃業すれば業者社長だけ変わりながら、新規業者が下請け労働者の賃金、 勤続年数をすべて認めてきた。

これは2003に年(株)現代自動車の管理者が有給を使おうとしていた社内下請労 働者のアキレス腱を切られた事件に遡る。当時、有給のために同僚がアキレス 腱を切られたことに怒った正規職・非正規職労働者たちが48時間の連帯ストラ イキを行ない、牙山工場を止めた。この闘争で現代自動車牙山工場社内下請支 会が結成され、業者変更時雇用・勤続継承を勝ち取った。

しかし、2007年の下半期から現代、起亜自動車は下請け業者が廃業するときに 下請け業者所属労働者の勤続年数を認めず、新規入社勤労契約書を要求し始め た。この問題について、社内下請組合員は自分たちの実質的な使用者が元請業 者である(株)現代自動車であることを立証し、勝訴した。2007年6月1日、金属 労組現代自動車牙山工場社内下請支会組合員7人がソウル中央地方法院に、現代 自動車を相手どって出した勤労者地位確認訴訟で「社内下請労働者は現代自動 車の勤労者であることを確認する」という判決を受けた。

そのためこのような状況で起きたナムムョン企業の直接雇用の回避は「(株)現 代自動車が自分たちが社内下請労働者の使用者であることを認めず背後で操作 しているのではないか」という疑惑を受けている。

[出処:現代自動車牙山工場社内下請支会提供]

▲工場に復帰した組合員が作業を始めようとすると、管理者が組合員1人に4人がつき、組合員を引き出して暴行している。[出処:現代自動車牙山工場社内下請支会提供]

牙山工場塗装部下請け業者、勤続年数を無視

昨年11月30日、牙山工場塗装部下請け業者のクァンジン企業が廃業を発表した。 12月31日に廃業をするという。31日からはナムムョン企業が入る予定だった。

しかし12月、ナムムョン企業は、これまで牙山工場の社内下請労働者に保障さ れていた「下請け企業の廃業時退職金精算」と「年月差・勤続年数継承」など の団体協約内容を無視し、クァンジン企業所属社内下請労働者に新しく勤労契 約書を結ぶことを強要した。今までずっと牙山工場で働いていた労働者に新規 入社しろといったのだ。

社内下請労働者がこれを拒否すると、ナムムョン企業は非組合員の家に来て 「退職金と勤続年数以外は全く同じだ」と勤労契約書作成を要求した。

数日後、一部、勤労契約書を書いた非組合員たちが社長に「退職金と勤続年数 以外は全く同じという言葉は本当か」と再度確認すると、ナムムョン企業社長 は「当然年次はなくなる」と答えた。そのため非組合員たちは「偽りで作成さ せられた勤労契約書は無効」だと確認して勤労契約書を返すよう要求したが、 返させなかった。

そこで社内下請支会塗装部現場組織委員会(準)(以下塗装部現場組織委員会 (準))は、「業者変更を使った(株)現代自動車のインチキが確認された」とし 「業者変更は不法派遣を隠そうとする軽薄な策略」と指摘した。また「業者変 更の過程で、有給継承不可と勤続年数によって支給される成果金まで削減し、 雇用継承拒否を使って自分たちに都合がいい人だけを受け入れ、労働組合を瓦 解させようとしている」と明らかにした。

(株)現代自動車、管理者とアルバイトを動員して工場占拠
無条件の勤労契約書作成、勤続年数不認定、退職金強制精算を強調

12月31日、塗装部現場組織委員会(準)は「働いていた工程で仕事を続けるから、 (株)現代自動車と下請け企業会社側は、事業変更して措置しろ」という要求と ともに「新年初出勤の1月3日は(株)現代自動車と下請け企業による弾圧がなけ れば平常時のように働く」と明らかにした。

しかし1月2日、(株)現代自動車とナムムョン企業は組合員に隠れてアルバイト を動員して生産を始めた。そして新年初出勤日の3日午前7時から、(株)現代自 動車は一ケ所だけ塗装部の入口を開き、他の入り口を閉めた。また元請企業は (株)現代自動車の管理者約150人とアルバイトを工場に投入し、警備隊には非常 待機指針を命令した。

この知らせを聞いた旧クァンジン企業の約80人の組合員たち(A/B組)と現代自動 車牙山委員会幹部など約100人が小競合いの末、工場に進入した。旧クァンジン 企業のA組の組合員が作業服に着替えて工場の中に入り、元請管理者のほとんど がラインから撤収した。すると旧クァンジン企業を継承したナムムョン企業の 社長が現れて「勤労契約書を書け」とせきたてた。だが組合員は「雇用、退職 金、勤続年数を継承しない勤労契約書は書けない」と拒否すると、ナムムョン 企業の社長は「君たちは外部の人だ。現住建造物侵入罪で告発する」と言って 消えた。

午後1時過ぎに、一時間ほど3者交渉が進められた。この交渉には労働組合幹部 4人とナムムョン企業のイ・ジュンボク社長、現代自動車牙山工場協力支援チー ムが参加した。労働組合は雇用、退職金、勤続年数の継承を要求したが、会社 側は無条件の勤労契約書作成を前提として勤続年数不認定、退職金強制精算、 勤続手当の基本時給転換、年月次有給廃止の方針だけを強調した。交渉が妥結 点を探せず、同じ話が繰り返されたため労働組合は「会社側が今より進んだ提 案を持ってきたらまた交渉をする」と交渉中断を宣言した。

しかしナムムョン企業は3時から、労働組合との対話ではなく、暴力による強制 鎮圧を試み、(株)現代自動車と下請け企業管理者は牙山工場塗装部を守ってい た約100人の労働者を外に引き出した。この過程で元下請管理者は労働者に塗装 部内の化学用品と消火器を散布して資材ボックスを投げるなどの暴力を行使、 多数の組合員が負傷したと確認されている。

現在、全国金属労働組合は社内下請支会所属金属労組組合員には1月5〜6日に休 日特別勤務を、旧クァンジン企業組合員にはこれまで働いていた作業場と該当 工程を確保すれば業務に復帰し、生産ラインを稼動するという指針を下した。 また全国金属労働組合全組合員は、今回の闘争に積極的に連帯するよう指針を 下した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-01-06 03:23:30 / Last modified on 2008-01-06 03:23:30 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について