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「非正規闘争を金属労組全体の戦いに」[インタビュー]クォン・スンマン金属労組非正規割当副委員長
チェ・イニ記者
flyhigh@jinbo.net / 2007年10月10日16時34分
昨年の産別完成代議員大会で15万組合員の産別労組として新たに出発した全国 金属労働組合は、規約を整備して副委員長に非正規割当を置いた。先月の役員 補充選挙で金属労組初の非正規割当副委員長に当選したクォン・スンマン副委 員長と会った。クォン・スンマン副委員長は、GM大宇昌原工場出身で、2005年 にGM大宇昌原非正規職支会初代支会長を経た。現在は金属労組非正規代表者会 議の議長を引き受けるなど、直接闘争してきた当事者で、金属労組内非正規職 問題を深く考えてきた人物だ。
クォン・スンマン副委員長に金属労組非正規事業に対する視点、ハイニックス マグナチップ社内下請支会職権調印に関する問題、起亜車正規職-非正規職対立 といった比較的敏感な事案について聞いた。クォン・スンマン副委員長はこれ まで非正規職の闘争がいかにすさまじく、いかに孤立しててきたのかを指摘し ながら、金属労組がこれへの計画を提出できなかったと批判、さまざまな質問 で「本組(金属労組)次元の闘争」、「原則」をしばしば強調した。 特に、立候補して言及したハイニックス社内下請問題では「現在進行形」とし て「たとえ主導者が苦しくて諦めると言っても、指導部が闘争に持っていかな ければならなかったが、それが出来なかった」と話した。「問題提起を政治的 な攻勢に追い込んで責任を取る人なく、主体の問題として片付けてしまった」 という。最近、一連の事業場で表面化した正規職-非正規職間の対立や1社1組織 の問題にも「元下請共同闘争の経験なく規約で解消しようとする試み」を憂慮 して「階級的観点で同じ労働者だという認識と、そのためには金属労組の計画 と努力が必要だ」と語った。 非正規職労働者として、金属労組役員として、現在金属労組内に山積している さまざまな非正規職関連の事案をどう切り開くのか、その努力が注目される。 以下、インタビュー全文。 金属労組非正規割当副委員長に立候補した理由と背景は 金属労組が15万産別労組になり、非正規職と女性割当副委員長を規約に用意し た。本来、今年の2月の金属労組役員選挙に候補を立候補させるべきだったが、 当時は非正規職労働組合の現場条件が悪く候補を出せなかった。 2005年に活性化した社内下請労働者の闘争が、資本の弾圧で大変な組織的困難 を経て、ほとんどが路上に追い出される過程があった。重く見るのは、その時 に放棄せず闘争を続け、GM大宇昌原非正規職支会の高空籠城を援護するために 社内下請労働者たちが自発的に集結したことのような闘争の成果があったとい うことだ。その時から共同闘争共同ストライキの可能性を確認して現代自動車 の非正規職三労組と起亜車非正規職支会を中心に、共同臨時団体協議争奪スト ライキを宣言し、打ち抜いた。 「非正規闘争の孤立、進展ない不法派遣問題... 金属労組は役割を果たせ」* そうして2006年闘争を続けたが、その年の下半期に非正規職闘争は急激な困難 に直面することになった。特に不法派遣問題や非正規職組織化が停滞していた 時期でもある。これに対して実際、きちんと取りまとめなければならない労組 中央の事業がなくなってしまった。非正規職法が改悪されて、たくさんストラ イキと闘争をしたが、しっかり防げなかった。結局、改悪案が通過した後に金 属労組内での自発的な現場闘争が難しくなって孤立し始めた。 2005年の金属労組や金属連盟中央事業のように、労組が直接自分の課題と受け とめて組織しなければならなかったが、15万金属労組になって全くそうした事 業は行われなかった。ついに今年は臨時団体協議もきちんとできた単位はない。 特に、起亜車非正規職は正規職から無差別に侵奪される状況が起きた。こうし た問題を金属労組中央が自分の責任と受け止め、自分の戦いにする役割を誰か がしなければないのではと判断した。
これまでの金属労組の非正規事業の評価は。非正規職労組組合員として感じてきた点があると思うが* 一番よく感じたのは、現場主導者の闘争が言葉にできない程すさまじく、また 諦めずにいるが、それでも民主労総の中では闘争力が強いといわれる金属労組 でさえ金属労組全体の戦いとして受け止められないということがずっと続いて きたのではないか。現場主導者だけの闘争、あるいは地域の戦いで終わること が多かった。特に改悪された非正規法案に対する問題などで、金属労組が独自 の計画を提出できなかった。また社内下請は、不法派遣問題が全く進められず にいる。 キリュン電子は告訴告発と略式起訴されても、罰金だけを払って責任を全うし たという状況で、GM昌原はGMの前社長が裁判を受けているが、これらを一つに まとめ上げられずにいる。最も憂慮するのはハイニックスマグナチップ社内下 請問題のように、難しい闘争があったのにその闘争が15万産別労組では違う整 理がされているところだ。この問題では、金属労組中央次元できちんとした 解決策を提示すべきではないかと評価する。 ハイニックスマグナチップ社内下請問題は、立候補時の公約に関連事項を'職権調印'だと言及した ハイニックス社内下請支会の闘争を見ると、民主労総内の非正規闘争において とても重要な事業場で、組合員が多くの苦痛をあじわったところでもある。地 域支部で生計費をかけ、ガソリンスタンド前の闘争で拘束された人もいて、家 庭の破綻に処している組合員もいる。そうして工場に帰ることを持続的に要求 してきた。 「ハイニックス職権調印、闘争主体に責任をなすりつけてはいけない」 たとえその主導者がつらくて放棄するような状況に置かれても、指導部なら、 闘争を呼び掛け、そうして行かなければならない。だがそうではなく職権調印 の形を帯びるようになった。またこの部分が問題提起されても責任を取る人が いない。形式的にだけ、謝罪にならない謝罪があっただけだ。職権調印は本組 でしておきながら、闘争主体の問題と片付けたりもする。特に問題提起を政治 的な攻勢に追いやったのはとても正しくない。 ハイニックス問題はまだ進行形だ。色々な状況によりきちんと対策会議ができ なかったが、選挙前に中央委員会で長時間、激しい討論があった。問題提起し た中央委員と金属労組中央で、該当単位と懇談会をすることにしたが、現在の ところ開かれていない。 金属労組の初めての非正規割当副委員長ということで内外の期待が高いようだ。一番重点的に推進したい核心事業は 現場で選挙運動をしてみて、現場で闘争する仲間たちは金属労組が組織的に対 応しないというところで非常に悩んでいた。実際の闘争過程で、本組が十分な 支援や援護をしなかったと提起された。起亜車であらわれたように、非正規職 闘争が孤立し、深刻な組織的問題が発生したが、本組が明確な立場を提起しな かった。非正規職出身の副委員長になったので現場の期待心理もあるが、憂慮 する人も多い。「困難な選択だ」という話をよく聞く。現場が要求しているの は、現場と連帯する役員だということを強く感じた。 重点的に推進したいのは、組織化と闘争だ。すでに組織されている非正規職の 結集力が非常に弱まっているが、これを中央でまた作り出すこと、そしてたく さん残っている未組織分野の組織を拡大強化する部分だ。全く組織化されてい ない中小零細非正規職の組織化方案を明確にしなければならない。特に、造船 鉄鋼業種では組織化が弱いが、そっちの軸を用意しなければならない。しばし ば、労組を作るより守るほうがもっと難しいという。実際に本組次元で突破し なくては、守って行くのは難しい。これは、ハイニックス事態で克明にあらわ れている。非正規闘争において、金属労組全体の死活をかけた戦いに作ること が必要で、全体組織の同意を得られるように努力する。 もう一つは元下請労働者関係についてだ。とにかく、1社1組織が労組規約で決 められたし、原則的にも同意するが、現実的には同意できない部分がある。(正 規職)現場の反対も明確にある。とにかく共感を形成して元下請共同闘争で作る 1社1組織が理想的だと思う。 組織率が低い分野の組織化について具体的な計画はあるか 現在、造船業種はすでに組織化されている労組さえ、組織力の強化が難しい状 況だ。造船現場の割合を見ると、多ければ正規職1人に非正規職十人のところも ある。正規職であれ非正規職であれ、現場活動家、主導者に対する組織的な関 係を作ることがまず必要だ。接近も難しい造船業種に対して、労組内でも造船 分科会などで最大限、既に組織化されている労組と活動家の間で、その部分を 解決していかなければならない。 金属労組の最も大きな部分を占める自動車業種の労組は「大工場貴族労組」「大企業利己主義」、あるいは非正規職問題に積極的でないと批判されていたりもする。改善の一環として正規職労組組合員の非正規職問題の関心を高める方案を考えていないか
非正規職問題について、主導者の組織も重要だが、2005年度頃に正規職組合員 を対象として教育を配置したり討論をして、正規職労組が一緒に解決しなけれ ばならないという認識があった。だが実際に非正規単位が労組で組織化されて も、そうした部分はなかった。正規職労組との関係も、労組と連盟が二元化し ている体系にあるので、きちんと掌握できず、今回産別が完成してもそうだ。 GM大宇昌原のように正規職労組執行部が意志を持って推進しても、現場組合員 の反対で執行部が辞任するという状況が発生することもあり、逆に起亜車では 正規職労組の執行部より現場正規職活動家が献身的に努力した。執行部の意志 と状況、正規職活動家の役割という2つの限界がある。金属労組中央次元で正規 職労組の執行部と活動家または組合員全体にまで、教育と激しい討論が必要だ。 起亜車非正規職支会を見れば、1社1組織問題でも現場暴力事態でも、組織的に 有り得ないことだが金属労組中央が全く指導力を発揮できない。もちろん初め て作られた15万産別労組なので企業別支部という認識が多く残っているとは言 え、さらに原則を強めて指導部が献身的に努力することが必要だと思う。 今回の起亜車非正規職支会のストライキでの正規職組合員の暴力で、社内下請労組と一部の労働団体が金属労組次元の懲戒などを主張している* 役員が現場に派遣されるときは、本組次元の正確な立場を持って行く必要があ るが、そうではないことが多い。起亜車支部が個別に直加入を受けたり現場で 暴力事態が起きたのに、それへの公式の立場が全くないことでもわかる。常に 「現場で問題提起しろ」で整理されることが多い。今も起亜車非正規職支会の 組合員が組織の偏在について選挙権の行使ができないことが発生しているのに、 金属労組が原則的な立場を作って貫徹させる実践的な努力をしていない。 金属労組本組次元の努力とは別に、起亜車支部やGM大宇車支部などで最近正規職労組が見せている動きは、非正規職労組にはあまり友好的ではないようだ GM大宇富平工場問題の場合、今回の暴力事態のような問題が起きて、チョン・ ガプドク委員長が直接GM大宇社長と会った。非正規職問題に関して5期執行部が 初めて個別事業場の社長に会ったということは相当な意味がある。だが、実際 に正規職執行部が元請資本を圧迫する実質的な行動を作らなければならないが、 全くそうでない。本組の役割がどれだけ原則的に提出されるかと、本組の意志 を明確に表現することが重要だろう。 そうした状況等を見ると、1社1組織になった時、既存の非正規職問題と要求が管理されたり宥和されるおそれもある 金属労組が15万産別労組に行くために、事前に規約を作るさまざまな討論を行 い、非正規代表者会議でも1社1組織問題を議論していた。これまでの闘争で、 元下請間で多くの対立が実際に存在しているが、現場で同じ労働者として階級 的観点で共同闘争をした経験がない状態では、規約で整理しても解決にはなら ないということが確認される。 資本は非常に暴圧的に非正規職を弾圧して、一度解雇すれば何十人から百人以 上の集団的解雇をする。だから非正規単位は激しく闘争するしかないが、正規 職労組執行部が意欲を持って連帯する所もあり、正規職活動家が連帯しても結 局非正規主体だけの闘争で展開している過程が多い。こうした問題が解消しな い状態で、規約だけでは解消できないということはすでに予想されている。起 亜車で見られるように、非正規主導者の闘争が統制されることが明確にあらわ れたし、初めから憂慮されていた。 「元下請労働者の共感のない1社1組織推進だけではだめだ」 1社1組織は元下請共同闘争を通して連帯するということを下から確認した後で 提起されるべきだ。これは現場内でのささいな闘争だけでなく、要求条件によっ て共同闘争に努力して、本組の明確なイメージが伴わなければ難しい。そうで ないままで1社1組織になると、元下請労働者間葛の摩擦も強くなることは、その 当時も提出されていた。 規約上、2008年11月までに1社1組織を完成しなければいけないが、実際の道は 遠い。資本が容認しない問題もあり、正規職労組が反対すること明らかに存在 する。これを解決するには、まず現場で激しく討論して、こうした部分を克明 に明らかにして、最も重要なことは「同じ労働者」という観点が作られなけれ ばならない。日常的活動と共同の闘争、ただ代理する形では絶対にいけない。 主導者が共に戦う闘争をきちんと作るのは、やさしくはないだろう。
金属労組内の非正規職がほとんど社内下請だというか、この部分への対策は この前、大田忠北支部で現代オートネット社内下請支会ができ、その他にも多 くの単位がある。だが全部で4千人にもならず、15万組織で3-4%程度だ。組織 化はとにかく社内下請の未組織の領域を組織拡大強化する部分で、ある程度組 織された形になっている自動車側でも、未組織の部分がとても多い。非正規問 題が深刻な地域支部組織でも、本組の支援と援護などを続けていこうとすると、 これは全体組織の同意が必要だ。その過程を経るために、地域支部も正規職執 行部も、非正規問題について多くの部分を有機化していく必要がある。 全体組織の同意なら討論でもできるだろうが、代議員大会の決議などが必要だろう。これの展望はどうか* 大企業利己主義についても、特に産別労組になってから起亜車や現代車でも執 行部はそれなりに考え、現場で連帯する正規職の仲間がいる。意志を持つ仲間 と大衆的な活動を、有機的に連結させなければならない。今は代議員大会を通 過させることに同意できない部分も労組内に存在するが、これを突破するのは 現実的な問題だ。最大限事業計画を討論し共有して、足りない部分を最大限満 たしていく。 現在金属労組内の非正規職闘争事業場のうち特に念頭に置いて重要と思っているところは* 大きく見れば社内下請問題だが、とにかく今年、現代車は臨時団体協議が終わっ たが非正規職三労組の選挙が残っている。優先的には起亜車での元下請問題と 大宇自動車富平問題、そして非正規職として長期闘争事業場のキリュン電子問 題。この3つでとても悩んでいる。 最後に言いたいことは 言いたいことは多いが、内部で突破しなければならないという部分が難しい。 非正規割当副委員長が一人いればいいとは思わない。さまざまな努力をするこ とで、地域支部でも、正規職でも、非正規職主体でも、全体が共に取り組む過 程が必要だろうが、初めてなのでさまざまな現実的条件につきあたることにな りそうだ。しかし、だからなおさら原則を持っていくように努力して、最も重 要なことは現場で共感することだから、共に呼吸をあわせ、有機的な結束を作 り出したい。 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2007-10-13 16:29:31 / Last modified on 2007-10-13 16:29:32 Copyright: Default このフォルダのファイル一覧 | 上の階層へ | |