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韓国:[インタビュー]チェ・ホソプ ニューコア労組事務局長
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「今からでも遅くない」

[非正規法粉砕!廃棄!](2) - [インタビュー]チェ・ホソプ ニューコア労組事務局長

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2007年06月08日16時44分

非正規法は非正規職を保護できない

非正規法は非正規職を保護できない。むしろ非正規職を解雇し、正規職を転換 配置し、またその正規職を非正規職に転換して再び解雇するという悪循環が存 在するだけだ。単に非正規職を拡散する法でしかない。

これは、非正規法が国会を通過した時から予想されていた。法の趣旨そのもの が非正規職の拡散を制限するのではなく、差別を是正するという美名の下で、 非正規職労働者の使用で使用主を合法的に保護することだったからだ。法案の 始めから、非正規職拡散を防ぐという意志はどこにもなかった。

「非正規法のためにアウトソーシングする」

結局、非正規法の施行前から非正規職の大量解雇は始まった。代表的な事例は ニューコアだ。ニューコアのキム・ヨンベ管理担当理事は堂々と、「非正規職 保護法に差別是正に関する部分があるので会社は7月1日から法を守る義務があ る。そのために(アウトソーシングを)やっている」と堂々と話した。非正規法 に対して政府が期間制、派遣職労働者が2年以上働けば正規職になれる保護法 だという話は偽りだったことが証明されているのだ。

イーランド系列のニューコアは、5月上旬に直接雇用非正規職だったキムスク ラブのレジ係全員を解雇して外注に転換する計画を発表した。先月15日、京畿 地方労働委員会がニューコア労組の争議調整申請を受けて「使用者は配置転換 と非正規職の外注転換を暫定保留する」と、3週間の調停期間を指示した。だ が使用側はこれを無視して6月4日の夕方、アウトソーシング業者の職員を強制 投入しようとし、これに反発したニューコア労組の組合員たちと衝突した。ア ウトソーシング業者の職員は10日以後にまた投入される予定だ。

「非正規職ではなく正規職がターゲットだ」

チェ・ホソプ ニューコア労組事務局長/イ・ジョンウォン記者

こうした中、ニューコア労組のチェ・ホソプ事務局長と会った。ニューコア労 組は本来正規職労働者で構成されていた。しかし今回の事件を体験し、 積極的に非正規職労働者を組合員として組織して闘争を作っている。

チェ・ホソプ事務局長は「正規職はこれまで非正規職に関心がなかったのは 事実」と話し、「非正規法は非正規職を死に追いやっており、また正規職を 目標にしている」とし、「ニューコアでは非正規職を外注化してその場を 正規職で埋め、正規職を非正規職化するという状況があらわれている」と伝えた。 ニューコア使用側の管理者たちは非正規職を集めて露骨に「非正規職が ターゲットではなく、正規職がターゲットだ」と話したという。

ニューコアで非正規職労働者の戦いが非正規職「だけ」の戦いにすることがで きない理由も明確にあらわれているのだ。

地労委の調整も、労働部の勤労監督も通じない

使用側の行動は徹底的に準備されてきたものだった。地労委の仲裁も、労働部 の勤労監督も効果がなかった。チェ・ホソプ事務局長は「ニューコアは非正規 法の通過直後からじわじわと準備してきたと思う」と伝えた。ニューコアは約 380人の非正規職労働者全員に解約を通知した。そして契約期間が残っている 非正規職には一日、一週間、1ヶ月、さらに期間を明記しない契約書さえ強要 した。

ニューコア労組はこれらの事例を集めて労働部に特別勤労監督を要求した。だ が、これも効果がなかった。労働部による是正措置が使用側の耳に届くはずが ない。チェ・ホソプ事務局長は「使用側は労働部も恐れていない」とし、「処 罰が軽いのに、誰がこれを守るだろうか。労働部と会社が組んだイカサマ賭博 が行われているのだ」と指摘した。

「悪法はなくさなければならない」

ニューコア労組の戦いは、イーランドグループに所属する流通業社で行われて いる非正規職大量解雇の一面だ。そして韓国の資本家の態度、そしてこれから の姿勢の一部分を見せるものだ。これにニューコア労組とイーランド一般労組 は共同の戦いを準備している。ニューコア労組とイーランド一般労組は6月10日 に共同ストライキに突入する。彼らは「悪質イーランド資本は世論の叱責にも かかわらず、非正規職差別と解雇を続けている。むしろ非正規職差別を固定す るための外注転換と職務給制度など、悪質で軽薄な術策を繰り返すばかりだ」 とし「イーランド資本は非正規悪法という毒薬を袋ごと飲んで、死ぬ前に発狂 する狂犬のようによだれをたらして労働者にかみついている」とイーランド グループを強力に非難した。

チェ・ホソプ事務局長は「今からでも遅くない」と話した。非正規法の施行ま で1ヶ月も残されていない状況で、チェ・ホソプ事務局長の話は意味深い。遅 くはないのだ。チェ・ホソプ事務局長は「こうした状況がくる前に、全面的な 闘争ができなかったのは痛恨の経験として残った」として「だが今からでも遅 くはない。団結して闘争すれば必ず勝てる」と伝えた。

そしてチェ・ホソプ事務局長は、非正規法の改正はないと断言した。チェ・ホ ソプ事務局長は「悪法はなくすべきだ」とし「新しく非正規職を本当に保護で きる非正規職権利保障法を立法しよう。きちんとした安全装置を作らなければ ならない」と話した。

最後にチェ・ホソプ事務局長は、何も知らない労働者に嘘をつき続ける政治家 に対してもきびしい発言を忘れなかった。「非正規職が900万いる。彼らを捨 てて政治ができるか。今すぐ非正規職を正規職化する方案を用意しろ」

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-06-11 08:15:01 / Last modified on 2007-06-11 08:15:04 Copyright: Default

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