［論評］施行令改正でなく廃棄ために力を集めよ

5-6月非正規法廃棄戦いに注目しよう

チャムセサン/ 2007年04月20日16時34分

労働部は非正規職法施行令を今日立法予告した。期間制法施行令、施行規則と 派遣法施行令、施行規則は、去年の国会で通過した非正規法案の本質の労働柔 軟化をさらに具体化しているという点で憂慮される。政府は5月25日までに規 制審査を経て、6月19日に国務会議で決定、6月中に公布する予定。公共運輸連 盟、全国非正規職労組連帯会議などは7月施行を前に5-6月集中闘争を繰り広げ る計画だ。

期間制法施行令、施行規則によれば、△博士学位を保有して該当分野に従事す る場合、△技術士等級の国家技術資格を持つ者が該当分野に従事する場合、△ 弁護士.医師.漢方医師.公認会計士など専門資格を持つ者が該当分野に従事す る場合、2年を超過して使っても無期契約に転換しない「期間制特例」に分類 される。また他の法令で期間制使用期間を別に決める場合と、韓国標準職業分 類大分類0、1、2の職業に従事する者で勤労所得が労働部長官が告示する所得 水準以上に該当する場合も共に適用される。政府の福祉政策、失業対策などに より提供されていた雇用も無期限契約職化例外に含まれた。派遣法施行令（案） によれば、派遣許容業務が既存の138業務から187業務に増える。

労働部の施行令に対して経済人総連は「派遣勤労許容業務を名目上多少増やし たように見えるが、実状は従来とほとんど変わらない」と不平を爆発させた。 しかし非正規職当事者の声は全くそうではない。全国非正規職労組連帯会議は 19日、「7月1日から施行される非正規法案、すでに現場では解雇、不利益、ア ウトソーシング・外注化などで戦場を彷彿」とさせるとし、数十の被害事例を 列挙し、非正規法の問題点を批判した。またKTX乗務員労組は乗務員外注化で 鉄道労働者全体の構造調整を予告すると指摘したし、労働部傘下機関の韓国産 業人材公団は、非正規職労働者の正規職転換労使合意をしたのに無期契約転換 を試みており、科学技術部傘下政府外郭機関で最近5年間に新規採用された研 究人材のうち非正規職は67.7%で、博士の49.2%、修士の78.1%が非正規職だと 報告した。非正規法がまだ施行されていないのに、労働現場の事例と各種統計 でも非正規職労働者を保護する法案ではないという事実が明確に確認できる。 非正規法案が多様な名の非正規職を増やすだけでなく、常時化、構造化するこ とで労働市場の柔軟性を強化する法的根拠になっていることを見せる。

施行令は、大統領令で自由に派遣を拡大できるようになっている非正規法に基 づいて立法予告された。非正規法は派遣と請負の区分基準を任意に適用するだ けでなく、不法派遣を合法外注と認められるようにして、2年ごとに解雇と契 約で契約職を永久構造化する内容を含む。差別是正委員会により、労働者が差 別された日から3ケ月間提訴できるとしても、現実的にこれは差別の合理化の ための方便として作用するだろう。施行令は予告されたもので、また今後もい くらでも改正される。結局、非正規法案が諸悪の根源で、非正規法を廃棄しな い限り非正規職労働者が現実に受ける苦痛は減らないだろう。

非正規職労働者の当事者たちが事態の本質を直視し、非正規法案廃棄の意志を 表明しているのは幸いだ。全国非正規労組連帯会議は非正規悪法は修正でなく 廃棄対象だから、6月に闘争戦線を作ろうと訴えた。民主労総代議員大会では 一部の代議員が改悪案廃棄の案件を発議し、全国不安定労働撤廃連帯は労働法 改悪廃棄のための1千人宣言を準備するなど、本格的な活動を準備している。 ただし、民主労総は代議員大会で施行令阻止と特殊雇用労働基本権争奪の特別 決議文を提出したが、これまで労使政協議に公式な議論なく参加しており、施 行令改正を中心として再改正闘争に接近するなどの問題が露出している。また 非正規職当事者の要求を積極的に受けとめておらず、今後実質的な闘争計画を 提示していないという指摘もある。

施行令立法予告は韓米FTA妥結以後、資本が構想する文脈、つまり産業構造の 高度化、規制の先進化、労働柔軟化問題と別問題ではない。非正規法通過に続 く施行令立法予告は、労働柔軟化関連法制度の全面施行を前にした最後の手入 なのだ。したがって非正規法に対しては力が及ぶ限り、廃棄の戦いを続けてい くべきで、施行令を前にして5-6月は時期的にも大変重要だ。通過した非正規 法案を廃棄する戦いは、もちろん容易ではない。しかし小さな戦いでも原則を 失ってはならず、時期と方式で民主労組運動の力を極大化しなければならない。 労働運動でも社会運動でも、反資本の抵抗の連続性とリズムを失わないことが 重要な時期だからだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容（仮訳）に従います。

---

Created byStaff. Created on 2007-05-29 05:30:34 / Last modified on 2007-05-29 05:30:34 Copyright: Default