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韓国:コスコム非正規職、直接雇用を要求して毎時間削髪
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コスコム非正規職、直接雇用を要求して毎時間削髪

28日支部長の削髪式に続いて証券取引所ロビー占拠籠城中

チェ・イニ記者 flyhigh@jinbo.net / 2007年06月29日19時55分

非正規職労働者への不法派遣が疑われている「コスコム(KOSCOM)」で直接雇用 正規職化を要求する闘争が行われている。

コスコム(元証券電算)は、証券会社の電算システムの開発運用、コンピュータ・ ネットワークの維持点検をする会社で、約500人の非正規職労働者が業者から 派遣されて働いている。全国事務金融労働組合証券産業労組のコスコム非正規 支部は5月に労働組合を設立して以来、コスコムが直接非正規職労働者を管理 監督していることで「不法派遣された労働者を直接雇用しろ」と会社側に団体 協約の締結を要求してきた。

▲コスコム非正規支部は28日から証券取引所ロビー占拠籠城をしている。/崔ウンジョン記者

しかし会社側はこれまでの不法派遣を隠すために約50社の派遣業者との契約を 解除して新しく5社と契約を結ぶなどで、労働者の主張を認めずにいる。さら に7月1日から施行される改正派遣法の「差別是正」条項を避けるため、同じ仕 事をしている正規職と非正規職の間に仕切りを設置した。

コスコムは、26日の5次団体交渉でも「使用者ではなく団体交渉をしたり団体 協約を締結する権限も義務もない」、「交渉当事者ではなく労組活動を保障す る当事者ではない」、「未払い賃金はチュンジョン・エンジニアリングが答え る事項だ」、「契約書は経営権に属する資料なので公開できない」などの立場 を示し、非正規職労働者を怒らせた。

「交渉妥結まで連続削髪式を続ける」

これまで記者会見、組合員総会、毎週キャンドル集会、証券取引所前一人デモ、 イ・ジョンギュ代表理事の自宅前集会などで闘争の程度を高めてきたコスコム 非正規支部は、28日の夕方、ファン・ヨンス支部長の削髪式と執行部拘束決断 式を開き、会社側の誠実交渉を要求して約90人の組合員が証券取引所ロビーで 徹夜の座り込みを始めた。8階の会議室前でも証券関連機関労組の代表者たちが 「コスコム非正規職撤廃」、「基本協約締結」を要求して連座デモを行った。

29日の午前8時30分からは総力闘争出征式を開き、キム・ジュシン支部事務局長 を始め、1時間ごとに幹部1人が削髪式を行い、午後5時現在、7人の幹部が髪を 刈って闘争意思を確かめ合った。

▲プラカードとチラシを持って徹夜座り込みをしている組合員/崔ウンジョン記者

▲29日午前8時30分からは使用側の誠実交渉を要求し、1時間に1人の削髪に入った。/崔ウンジョン記者

今日午前10時にはイ・ジョンギュ社長と労働組合側交渉団との面談が実現し、 午前11時から始まった実務交渉が行なわれている。

全非連、「『証券市場活況』の派手な文句の裏では非正規労働者が苦しんでいる」

一方、全国非正規職労組連帯会議も28日に声明書を発表して、コスコム非正規 支部の闘争を積極的に支持した。

全非連は「十数年間にわたり下請け業者と偽装請負契約を結び、派遣のように 間接雇用非正規労働者を直接業務管理してきたコスコムの『偽装請負』問題を 非正規労働者たちが明らかにした」とし「製造-生産職中心だった間接雇用の 闘争事例が事務-サービス職で初めて組織化された」と明らかにした。

またコスコム使用側が「請負会社の職員に対し、請負金額、請負条件など請負 会社との契約により、雇用を安定させ福祉を増進させるようにする」という内 容の談話を発表したことについて、「6月1日にソウル中央地裁が『現代車は、 社内下請労働者への労務費などの引き上げ額を反映して請負金額を上方修正し、 それに従って協力業者労働者の賃金も引き上げられた』という根拠を上げて、 不法派遣であると判示したことを考えると、コスコムは明明白白な不法派遣」 と指摘した。

▲崔ウンジョン記者

コスコム側が「交渉当事者ではない」と主張したことに対しても「請負職員の 処遇について、どういう権利で元請のコスコムが介入するのか、不法派遣でな ければ説明できない」と批判した。

全非連は声明書で、コスコム協力業者に所属する労働者の下のような証言を借 りて「『歴史に例のない韓国証券市場活況』、『東アジア金融の中心、韓国証 券先物取引所』という派手な文句の裏には、正規職の3分の1、4分の1の賃金で、 雇用不安に苦しむ非正規労働者のうめきと血の涙がある」とし「直接雇用正規 職化措置を先行させなければ汝矣島の真中で全国非正規労組連帯会議の旗を迎 えることになるだろう」と連帯闘争を示唆した。

「手当てもない夜間勤務休日勤務も拒まなかった」
「5年間もの賃金凍結にも耐えてきた」

「正規職との賃金格差が3倍、4倍以上になるのにも、雨の日は自分の家の雨漏 りの修理も、家長としての役割も後にして、証券先物取引所にきて水をくまな ければならなかった」
「証券市場専門家たちは『今年は韓国株式市場が活況を持続し、コスピ指数が 2000ポイントまで上昇するだろう』という分析に、私がインストールしてプロ グラムした機械を慰めと思って働いてきた」
「『コスコム』という文字が鮮明に書かれた作業服と名札を付けて働いてきた が、賃金明細票には聞いたこともない業者名前が記されている。これもしばし ば変わり、自分の意志とは無関係に、この業者、あの業者と売れられる『人身 売買』、『不法派遣』の対象になってきた」

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


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