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韓国:6月が恐ろしい清州大清掃外注女性労働者
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6月が恐ろしい清州大清掃外注女性労働者

「顔色をうかがってみじめだが、雇用不安なく月給を受け取れたら」

ユ・ジョンボム現場記者/ 2007年05月17日17時40分

毎年6月になると雇用不安で眠れない女性労働者たち

清州大学校に快適な教育環境を作るため、職業への偏見と最も苦しい仕事をし ながらも、一家族の長として堂々と希望を紡いで生きていく中年の女性労働者 たち。しかし彼女たちはいつも6月になると、いやすでに4月から今年はまたど うやり過ごせるのかと、ため息と不安に震える非正規職労働者の典型を見せる。

清州大施設管理労働者は2003年法定最低賃金の52万ウォンにもならない40万ウォ ンの賃金で、それも3ヶ月以上未払いで、四大保険はもちろん年月次休暇、生 理休暇さえない、極悪な労働環境の中で労働組合を設立し、たった20数人の組 合員だがみな固く団結し、闘争を展開した。労働組合を作り、これまで受け取 れなかった最低賃金違反賃金と各種手当てなどを、それも逃げた外注社長から ではなく元請の清州大から受け取り、勝利を味わった。

たとえ雇用不安に苦しみ、極悪な最低賃金に苦しむ典型的な女性非正規労働者 の典型とはいえ、この瞬間だけは生活の喜悦を味わったという。

しかし彼女たちも元請の清州大と外注会社間の契約期間満了日の6月末が近づ くと、いつも雇用不安に苦しみ、深刻なストレスに直面したりした。今年もや はり外注契約期間が満了し、組合員たちはもし契約に問題が生じて、解雇され る事態が発生しないかと戦々恐々としている。

平均年齢50代半ば、30人の組合員の半分が世帯の家計に責任を負う家長の地位 にあり、平均勤続が7-8年にもなる。彼らは労働組合ができるまでは外注が何 かも知らず、間接雇用が何かも知らない、ただ清州大職員とだけ思っていたと いう。外注なのに学校に言われるまま建物清掃以外に運動場の草取り、入試準 備講義室の清掃および再整備、その上外国人教授の社外住宅清掃も拒まなかっ た。しかし労働組合ができて元請の使用者性が台頭し、清州大では一切直接指 示を中断して外注会社社長からの業務指示を進行しているという。

彼らは毎日午前8時に出勤し、学生と職員、教授などの構成員が出勤する前に 廊下とお手洗いの清掃を終えなければならない。やっと清掃を終えると空の講 義室を探して、学生たちが捨てたゴミを片づけながら、一日を送る。組合員1 人当り平均5-6個のトイレと7-800坪余りの講義室を清掃しなければならない。 50代半ばの女性労働者たちにとって無理な重労働である。

今年新築講義棟ができたという。それでも人材を補充せず、担当の組合員はと にかく仕事をしなければならなかった。補充されない分は適当に仕事をすれば 良いのだが、責任感のために疲れきるまで働かなければならなかった。この状 況になっても外注会社は外注単価を理由に働かせ、元請の清州大は「全く関係 ない」と無視する状況に至った。結局外注会社で半日勤務を提案し、ある程度 業務を減らされたが、人材は非常に不足している現実だ。

清州大職員バスがあるという。しかし考えることもできない彼女たちにとって は絵に書いた餅だ。ほとんど自家用車を利用するのでがらがらの職員バスだが、 彼女たちにはこれも利用する権利がない。忠南、大川に清州大修練院があって、 教職員と学生は夏休みなれば思う存分利用できるという。これも清掃外注労働 者たちには適用除外だ。これ以外にも多くの差別が存在する。最も苦しく、他 人がばかにする仕事をしている女性労働者たちが単に元請によって書かれた非 正規職という理由だけで多くの差別と雇用不安に苦しめられている。

彼らが受け取る賃金は、基本給が月最低賃金796920ウォンより35370ウォン多 い832290ウォン、これに交通費と食事代75000ウォンを受け取り、四大保険料 を除くと830152ウォンが残る。

末娘と一緒に暮らしている家長のある組合員の場合、結婚する息子のために 2000万ウォンを借り、毎月元金と利子だけで65万ウォンを支払わなければなら ないという。電話、電気、水道料金で6-7万ウォンを出し、各種保険で10万ウォ ンほどを払い、冬には暖房費で20万ウォンほどを支払うという。幸い死んだ家 族の年金があり、借入金を計上して、その上にかろうじて生計を続けるという。

夫が大理石関連の建設仕事をしているという一人の場合、夫の仕事が梅雨期と 冬季の4ケ月を除き、雨が降る日を除けば実収が生活費で使われない状況だと いう。子女が高1、中1、小2学年で、子女の教育だけで40万余ウォンかかると いう。それだけでなく、貸し家住まいで月20万ウォンが出て行き、夫と本人の 携帯電話料金と水道、電気、電話料金など租税公課金が50万余ウォンが固定的 に出て行って、とうてい暮らしを続けられずに、仕事が終わった後に刺身料理 屋で5時間皿洗いをしながら60万ウォンの追加収入でかろうじて生計を立てて いるという。

ある組合員の場合、そんな薄給にもかかわらず、夜間の副業まで、真冬にボイ ラーもつけずに子女3人を大学まで送ったりもしたという。実際食料品以外に は服や外食、文化生活は夢にも見られない人生を続けていけたのは、厚いキリ スト教信仰だったと回想したりもする。

このほかにもほとんどの組合員が同じ条件で暮している。社会福祉も求められ ない大韓民国で、子供たち養育費と住居費、それさえも病気がなければ幸いだ。 家族が病気にでもかかればすぐ家計が破綻する状況でかろうじて生活している。

彼らの共通の希望はただ一つだ。「顔色をうかがって、みじめだが、ひと夏の 荒仕事を終えてもシャワー室一つないが、この清州大で雇用不安を感じずに 月給をきちんきちんと受け取れたら」ということだけだ。

労働組合、元請の清州大学校に雇用継承確約を要求

民主労総忠北本部と公共サービス労組忠北本部は5月17日に共同記者会見を開 催して、大学の社会的責任を忘れ、非正規職の雇用不安を加重させている清州 大学校の反労働者行為に対し、忠北地域労働者の連帯闘争を組織して、1人デ モをはじめ、校内外集会と対市民宣伝活動を展開、さらに必要ならこれらの事 態の根本原因を作り出した清州大最高責任者の責任を問う直接的かつ強力な闘 争をすると明らかにし、元請の清州大学校が前向きな姿勢で対話に出て、雇用 継承を確約することを要求した。

一方、同日招集された民主労総忠北本部代表者会議では、清州大清掃外注労働 者の闘争を地域社会の主な事案として浮上させることと共に、民主労総忠北本 部次元の総力闘争を決意した。清州大学校開校60周年記念式が開かれる6月5日 を基点に主要集会を清州大学校で開催するなどの闘争計画を確定した。

最近、蔚山科学大学校清掃外注労働者が元請から雇用継承を確約されたように、 清州大学校が雇用継承を約束するのか、地域社会の関心が集中しているなかで 10数年、黙々と働いてきた女性労働者の恨が極に達した闘争はさらに激烈に 展開するものと見られる。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-05-29 06:02:13 / Last modified on 2007-05-29 06:02:23 Copyright: Default

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