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韓国:死んでも差別される清掃外注労働者
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死んでも差別される清掃外注労働者

女性連盟が 故チョン・ヨンスク氏死亡に関して鉄道公社に真相究明を要求

チェ・イニ記者 flyhigh@jinbo.net / 2006年12月27日17時01分

12月14日午前8時頃、京仁線の富川駅の線路わきで死体で発見された故チョン・ ヨンスク氏に関し、女性連盟が韓国鉄道公社に真相究明を要求している。

富川警察署の調査によれば、清掃外注労働者の故チョン・ヨンスク氏は13日の 夕方6-7時頃、電車に衝突したと推定されている。衝突後に富川駅の線路わき の草むらに落ちて、14時間後の翌午前8時頃に線路班員に発見された。

清掃外注業者(株)のSDKに所属する故人は、13日午後2時に出勤して、午後5時 30分頃、同僚と上下に分かれて仕事を始めたが、すぐ東仁川駅から龍山駅に向 かう急行列車の線路でこうしたむごい事故にあった。最初の発見者の証言によ れば、故人の死体は靴と清掃服が脱げ、頭と顔がひどく壊されていたという。

故人の死体発見当時の写真。故人は死亡推定時刻から14時間後の14日午前8時頃線路脇草むらで服と身体が壊された状態で発見された。死亡場所の富川駅は駅構内にゴミ回収場が設置されておらず、清掃外注労働者は不法を甘受して4本の線路を無断で横断しなければならない構造だ。/女性連盟提供

事故現場の富川駅はゴミ回収のために線路4本を渡らなければならない

女性連盟は故チョン・ヨンスク氏の死亡と関連して、いくつかの疑惑を提起し て、鉄道公社の真相究明などを要求している。まず、富川警察署の調査のとお り、故人が電車にぶつかって死亡したのなら、機関士がこの事実を知っただろ うし、すぐに措置を取っていれば死亡に達しなかったという可能性を提起して いる。またたった一つのゴミ分離回収場が駅構内になかった富川駅の環境のた め、4本もの線路を無断で横断せざるをえない危険な構造を指摘した。

故チョン・ヨンスク氏の惨事に関して、鉄道公社の安全対策の不備、換気施設 もなくプラットホームの階段にある控室、外注業者の最低価落札制度と低賃金 など、清掃外注労働者の劣悪な労働環境が再度喚起されている。だが鉄道公社 は、今回の事故が「本人の過失」という立場で、外注業者の(株)のSDKに責任 を転嫁しあっている実情だ。

女性連盟のイ・チャンベ委員長は、「鉄道公社が加入している損害保険なら、 死亡時に正規職が2億ウォン、非正規職が1億ウォンの保険金を受け取るが、公 社は「間接雇用なので補償できない」と言っている」と憤激を放ち、「鉄道公 社は外注業者のところに行って話せと言い、安全対策も外注業者の責任だと言っ ている」と伝えた。

「清掃する底辺の人生は、死んでも丁寧に扱われないのですか」

故チョン・ヨンスク氏の末の兄弟のチョン・ヨンベ氏も、26日午後2時ソウル 駅で開かれた「根本的な安全対策を要求する韓国鉄道公社糾弾大会」に参加、 真相究明と安全対策を要求した。チョン・ヨンベ氏は「事故から2週間になる が、鉄道公社も外注会社も補償や安全対策どころか遺憾表明もしない」とし、 「うちの姉も家庭では大切な人なのに、地下鉄で清掃する底辺の暮らしで人間 扱いもされず残念にも亡くなったが、慰める人がいないということがあまりに も腹立たしい」と話した。

女性連盟の組合員たちは「クビを切られるかと思って顔色を伺い、死んでも人 間扱いされない。このまま見過ごせない」とし、明日もソウル駅広場で糾弾大 会を開催する予定だ。

26日ソウル駅広場で鉄道公社の真相究明と安全対策用意を要求する決意大会を持っている女性連盟組合員たち/イ・ジョンウォン記者

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-12-30 06:11:00 / Last modified on 2006-12-30 06:11:01 Copyright: Default

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