非正規労働者組織化方案
尹ジノ
(仁荷大経済通商学部教授)
- 組織化のための労働組合の主体的条件整備
(1) 労働組合の組織化戦略樹立: 労働組合が労働階級のきわめて一部に過ぎ
ない正規職男性労組員を中心とする既存の組合員の代弁機能に満足でな
く、非正規職、女性、中小零細企業労働者、公共部門労働者などを包括
する広範な全体労働階級の代弁者となるべきだ。これを包括的労働組合
主義(inclusive unionism)と呼べる。組織率の向上ばかりでなく、法律
と制度の改革を通じ、未組織労働者を含む全体労働階級を保護、代弁す
る機能、団体協約の延長適用などを通じて未組織労働者を代弁する機能
など、幅広い労働組合の活動として労組の社会的、政治的位相を高めな
ければならない。
(2) 組織化のための労働組合の構造、人材、財政の再編:
- 民主労総内に実質的な組織化事業の立案、推進のための核心組織(仮称
組織化事業推進団)を構成して、労働運動戦略の転換方案、組織化事業
の展望の提示、非正規職をはじめとする未組織労働者の現況の把握と
調査研究事業、これに基づく組織化事業の核心部提示、組織化事業へ
の人材、財政の投入方案などを提示
- 民主労総、各連盟、地域本部などの組織化担当部署の人材、財政、機
能を現場の派遣を受けて再確立、再配置
- 中長期目標として、民主労総次元で組織アカデミーを開設したり米国
の労働組合夏学校(Union Summer)のような組織家養成機関をおくこと
- 必要な財政問題解決のために、単位事業場労組の次元では相当な財源
を組織的決議を通じて全体労働運動の発展のための組織化事業に投入
する方案が必要だ。
- 組織化に対する法的/制度的/構造的制約の撤廃
(1) 産別/地域別/一般労組の積極的推進: 企業別組合組織とその枠組なかで
の組合運動が未組織労働者の組織化を阻害する元凶といえる。したがっ
て企業別労組の枠組を跳び越える産別/地域別/一般労組など企業横断的
組織構造形成が重要だ。
(2) 組織化を妨げる法的/制度的制約の撤廃:まず、公務員労働三権の制約な
ど、労働組合の組織化を直接的にさまたげる各種法的/制度的制約を撤廃
する。二つ、再議労組設立申告制は行政官庁が憲法と労動法にない労働
組合に対する実質的審査権を持つという点で違憲、違法な制度であり、
行政官庁による乱用ないし悪用の危険が大きい制度といえる。労組設立
申告制度の改革が必要だ。三つ目、失業者の超企業単位労組加入禁止の
撤廃が必要で、労働組合は労組内に失業者総合支援センターなど雇用安
定機能及び職業訓練機能を揃えてこれと連係して彼ら|これらは組織化す
る方案を推進すべきだ。
(3) 非正規職の保護のための法的/制度的改革:
- 前の論文で提起された有期勤労契約の厳格な制限、労動条件の均等保障、
非正規労働者の労働三権保障、四大保険をはじめとする社会保障恩恵の
提供、勤労者派遣法の改正などを通じて非正規職労働者を保護すべき
- 団体協約の効力を彼らに拡張する方案を推進すべき。
- 非正規職労働者保護のためには、社会保障制度の改革も必要で、特に四
大保険運営に労組が積極的に参加して組織化と連結させなければならな
い。
- 請負取引関係の改革、公正取引制度の確立、建設部門雇用秩序の確立、
商業部門の営業時間規制などが業種構造の民主改革が必要だ。
- 現在、政府も四大保険及び各種支援対策の非正規職に対する拡大の余地
を検討しているが、非正規職保護のための政策課題に照らして見ると極
めて枝葉的で断片的な内容に限定されている。政府はこのような既存の
社会保障制度の一部延長適用に留まらず、非正規職労働者保護のための
総合的対策を用意すべきだ。
- 労働組合は、以上の課題を解決するために民主労総次元の対政府交渉の
枠組を要求して、対政府要求案及び制度改善案を用意するべきで、民主
労総の合法化を契機に政府政策の企画/樹立/実行/評価のあらゆる段階に
介入して独自案を貫徹するように努力するべきだ。
(4) 無労組経営企業に対する対応:非正規職など未組織労働者を組織化するた
めには、個人加盟を原則とする産別労組など、企業横断的な労働組合の
設立が最も正しい方法だが、今後、相当期間企業別労組形態が支配的な
状態が続くと予想されるので、まず労働組合が設立されていない無労組
経営企業に対する積極的な対応と組織化努力を傾ける必要がある。
- 非正規職に対する労働組合の代弁機能とサービス機能の強化
(1) 非正規職に対する労働組合の代弁機能:労働組合はまず非正規職労働者の
賃金及び勤労条件向上と雇用保障など彼らを保護、代弁する活動に取り
組み、これを組織化と連結させる戦略が必要だ。
- 未組織労働者の類型別構成、分布、特性、賃金及び勤労条件、労働及び
生活実態、苦情事項、労組に対する意見、社会問題に対する態度など実
態を調べ、代弁機能及びサービス機能強化の基礎資料として組織化戦略
を用意する。
- 賃上げ交渉、団交時に非正規職の規模制限、正規職との代替可能性最小
化、正規職転換、均等待遇、賃金/勤労条件の改善、最低賃金制及び社会
保険の適用など非正規職問題を積極的に提起してこれを貫徹するように
努力する。
- 前で提示した団交の一般的拘束力条項を積極的に活用して可能な事業者
では団交効力が非正規職労働者たちにも拡張されるように努力する。こ
のような活動を通じて非正規職労働者等の勤労条件が正規職労働者等と
同等になれば会社でも非正規職を使う必要が減るはずだ。
- 勤労基準法や団交などが現場で正しく履行されているか労働組合の徹底
した監視も非正規職保護のための効果的手段だ。非正規職に対する不当
労動行為が発生する場合、労働組合がこれに積極的に介入して、労働委
員会、法院等に提訴する。
(2) 非正規職に対する労働組合のサービス機能強化及び差別撤廃:労組がまず
内部に平等の概念を確立して正規職の既得権を臨時職と分けて持つ姿を
見せなければならない。
- 組織化と関連した標準団交、規約を民主労総次元で制定、教育、普及し
て、単位労組はこのような標準規約に合せて各労組の規約を改正して非
正規職の労組加入に障害になる要因を除去するようにする。
- 労働組合は非正規職に対する差別と差の解消のために努力する。服装、
食堂など福祉施設利用、通勤バス利用などの面で正規職と非正規職間の
差別、差をなくすように努力する。労働組合体育大会、野遊会、趣味会
合など労組の各種行事、教育、会合に正規職と非正規職が区別なく参加
できるように共同活動を行う。
- 非正規職に対する労働組合の相談、苦情処理、権利教育などを強化して
非正規職に対して労働組合と親しむように努力する。
- 非正規職が最も悩む問題は、雇用不安問題なので、非正規職に対する無
料就職斡旋センターを労組が設置して求人-求職情報の提供、職業訓練の
実施などを遂行する。
- 非正規職に対して各種福祉恩恵を提供する。消費組合の制限ない利用、
診療費減免、カード加盟、保険加入など事業場/産業特性に合う各種福祉
恩恵を提供する(保健医療労組の診療費減免などの事例)。すぐに労組加
入が難しい非正規職労働者たちに対しては準会員制(associate
membership)を実施してこのような各種の恩恵が受けられるようにする。
- 非正規職の労組結成は非常に難しいので大衆的な空間形成のための事業
を多様に行うようにする。例えば趣味、運動を媒介とした大衆的な活動
空間の確保、労働組合の会合と組織を公開する方案、これを通した非正
規職活動家の輩出などが必要だ。
- ユニオンショップの拡散
現在のような企業別労組体制下で労働組合が組織を拡大できる最もやさしい
方法の一つは、ユニオンショップの拡大だ。西欧では、このようなユニオン
ショップが一般化している。しかし韓国では、たとえユニオンショップが許
容されているとはいえ、法的強制力がないためにに前に言及した通り、ユニ
オンショップ協定を締結した労働組合の比率自体が低く、また仮にユニオン
ショップ協定が締結されても慣行上、非正規職や事務職労働者が除外される
等、アンバランスに運営されている。
したがって、各単位労組は可能なかぎりユニオンショップ協定を締結し、あ
らゆる労働組合加入対象者が労組に加入できるようにするべきだ。また、ユ
ニオンショップ協定が締結されている場合も、慣行上労組加入から除外され
た労働者等も対象者に含めることによって、真の意味でのユニオンショップ
になるようにするべきだ。
- 労働者特性別の組織化戦略
例)女性特化組織化:非正規労働者の半分以上が女性である程に、女性労働者
の比率が高いが、彼女たちの組織率はきわめて低いのが実情だ。組織化事業
にあって、女性中心の問題開発、女性に適合した組織化戦略、女性組織家の
養成など、女性に特化された組織化戦略が必要だ。
終わり
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Created on 2001-02-03 09:21:45 / Last modified on 2005-09-05 05:19:24 Copyright:
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