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ハイニックス-マグナチップ「慰労金合意」と長期闘争事業場の涙

社内下請労働者の2年半すさまじい闘争、このままで幕を下ろすのか

チェ・イニ記者 flyhigh@jinbo.net / 2007年05月04日19時28分

2年半も闘争してきた金属労組ハイニックスマグナチップ社内下請支会が4月 26日、使用側と合意したことに関連、一部の組合員と非正規職労働者の反発が 続いている。

金属労組代議員大会が開かれた4月26日未明、ハイニックスマグナチップ事態 が「暫定合意」したというニュースが飛込んできた。合意の主な内容は△就職 費用と慰労金を含む32億ウォン支給、△損害賠償、仮差押さえ、告訴告発取り 下げだった。こうした内容に反発する支会組合員は翌日直ちに「すさまじい 2年半の闘争を値段などでは整理できない」という内容の声明を出した。 支会が「この声明は、支会の公式立場ではない」と釈明するなどの ハプニングもあった。

金属労組への批判、ハイニックスマグナチップ支会には激励殺到

反対の立場を出した組合員たちは交渉に入ったナム・テッキュ金属労組首席副 委員長に対して「独断的な決定だった」と批判する一方、「今になってこのよう な形で私たちの闘争を放棄できない」と叫んだ。長い闘争の疲労感で支会内でも 合意に対する立場が交錯する中、各界の批判声明と掲示板論争も相次いだ。

金属労組非正規代表者会議は4月30日に出した声明で「『このように整理して はいけない』という残念な心情で訴える」とし「今、暫定合意案を受け入れる のは、疲労と挫折に疲れて諦める敗北の道であり、暫定合意案は廃棄して本当 に最後という気持ちで新しい闘争を展開しなければならない」と主張した。

金属労組に対しても「仲裁ではなく闘争を組織し、最後の突破口を開かなけれ ばならない」と指摘、「資本家にとって最も簡単な金銭による解決は、金属労 組自らの運命を金に任せる歴史的な汚名になる」という言葉で闘争を訴えた。

また一方、チョ・ソンウン現代重工業社内下請支会支会長とクォン・スンマン GM大宇昌原非正規職支会支会長などの非正規職代表者二人は30日から金属労組 委員長室の前でハイニックスマグナチップ合意に対する抗議座り込みに入った。 彼らは座り込みをはじめるにあたって明らかにした立場で「金属労組中央は、 職権調印した合意書が『全組合員の意思』として責任を支会組合員同志に押し 付けている」とし「孤立し疲れきった同志に合意書を受け入れろというのは、 残忍な暴力」と批判した。

彼らは金属労組執行部に△ハイニックスマグナチップ支会組合員総会に何の責 任も転嫁しないこと、△金属労組中央は早く非常中執会議を招集し、職権調印 した合意書を廃棄してハイニックスマグナチップ打撃闘争計画を提出すること を要求した。

これ以外にもハイテックRCDコリア支会などの長期闘争事業場と労働界団体も 相次いで声明を発表し、合意撤回と金属労組の闘争を要求する一方、ハイニッ クスマグナチップ支会組合員を激励した。

「子供たちが栄養失調で苦しんでいる時、家庭がこわれて最も近い家族が背を 向けていく時、絶望するでしょう。まさにその恐ろしい状況、それがまだ闘争 している長期闘争事業場の組合員全員が味わっている現実です。(...)以後抱 く勝利は、ハイニックス同志だけのものではなく長期闘争事業場同志全員の闘 争で勝利です」 -ハイテックRCDコリア支会3日の声明より

「皆さんの心を理解します。私もあまり荷が重く、闘争を放棄したい時がある からです。しかしこれまで会社と外注、警官と戦いながら、私が傷つき自分の 同僚が傷つくのを見て一日中放水銃を受けたこともくやしく、あきらめられま せん。私がここでやめれば私たちの子孫も私と同じ生活を送るのは明らかだか ら、放棄できません」 -キリュン分会ある組合員がハイニックスマグナチップ 社内下請支会掲示板に書き込んだ文より

「職権調印」の議論と合意案可決

各界の激しい反発が続く中で、金属労組は4月30日に開かれた常務執行委員会で 「ハイニックスマグナチップ社内下請支会合意と関連して、5月2日支会総会を 経て、これに対する細部の後続作業あるいは評価作業を中執と中央委を経る」 と決め、事実上支会総会に球を渡し、3日の支会総会では賛成44人、反対28人 で合意案が可決された。

この過程で支会総会をいらいらと見守っていた非正規職労働者の残念な声が激 しく、合意書全文が金属労組をはじめさまざまな労働組合自由掲示板に掲載さ れ、「暫定合意」ではなく「職権調印」という問題提起が続いた。支会総会が 終わった直後には、激怒した組合員5人がすぐソウルに上京、金属労組事務室 を訪ねて抗議し、小競合を繰り広げた。

金属労組はこうした問題提起に対して異例に「ハイニックスマグナチップ非正 規職支会の合意に対する経過」を公開し「これ以上、何もしなければさらに多 くの誤解を生むので経過を伝え、不必要な混乱がなくなることを望む」と明ら かにした。この経過によれば「道庁との最終合意が残っており、結果を公開し ないことになっている。合意書署名は支会が、本組は立会人の資格で署名した」 と釈明しており、「これまで会社が交渉過程で言葉を変えたことが多く、慰労 金の金額そのものを内部的に公式化するほうが有利だと判断した」と明らかに している。

「『労組の旗を下ろし、慰労金で整理』の先例になるか」と憂慮

2年半という闘争期間には到底言葉でつくせない苦痛をあじわってきたハイニッ クスマグナチップ社内下請労働者が、今回の慰労金合意を可決したのは、これ までの累積した疲労と生活苦により疲れ切ったという理由もあるだろうが、金 属労組次元のさらに積極的な支援と闘争計画の不在が原因だという意見が出さ れている。

一例として4月25日の金属労組代議員大会では、交渉要求案に長期闘争事業場 問題解決のための条項を入れようという修正案が否決された。起亜自動車非正 規職支会、GM大宇昌原非正規職支会、現代重工業社内下請支会などの非正規職 労働組合は、この日の代議員大会に配布した印刷物で「長期闘争事業場問題解 決のための闘争組織が至急だ」と訴えていた。

こうした事情に加え、金属労組役員が参加した長期闘争事業場の交渉の席で 「慰労金支給合意」が積極的に推進されたことについてほとんどの長期闘争事 業場労働者は虚しい気持にならざるをえない。しかも今回の合意は組合員総会 で、暫定合意書受け入れが決定される以前にすでに署名捺印されていた。

合意書に明示された再就職費用8億ウォンの他に組合員に支給される慰労金は 24億ウォンだ。会社側が労働者弾圧費用として支払ったと言われる用役警備業 者への支給額だけでも150億ウォンを越えると考えるととんでもない金額でも あるが、慰労金支給で2年半のあらゆるすさまじい闘争が終わるのはあまりに も苛酷だ。

15万の巨大産別労組完成の重さで発足した金属労組5期執行部は、すでに代表 的な長期闘争事業場のうちオリオン電気支会とハイニックスマグナチップ社内 下請支会を「整理」した。ひたすら「現場に戻る」という一念で、短くても 1年、長くは6年を闘っている金属労組内のさまざまな非正規職と長期闘争事業 場の労働者は「結局は私たちも労組を解散して金を受け取って整理するのか」 という憂慮をせざるを得なくなった。

がんばって長い間戦い、代表的な長期闘争としての象徴性を持ったハイニックス マグナチップ社内下請支会の今回の事態に、多くの非正規職労働者と長期 闘争事業場労働者は闘争の意志に大きな傷を負い絶叫させる理由だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-05-29 05:43:39 / Last modified on 2007-05-29 05:43:39 Copyright: Default

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