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「産別労組、論理と主張よりも執行力」

[寄稿]4組織(公共、貨物、タクシー、バス)連盟統合霧散から得る教訓

ヒョン・グァンフン(公共連盟)/ 2007年01月02日0時21分

統合連盟発起人大会二日前の12月24日日曜日、緊急の携帯メールがきた。統合 の議論が失敗に終わったので、公共連盟は臨時代議員大会を開催するという内 容だった。ところが翌25日にまた統合が合意され、統合連盟発起人大会を開催 するという携帯メールが飛んできた。いや、これはどういうことかという思い と共に、他の人々が楽しみ、遊んでいるクリスマスに統合の議論が迂余曲折を 経て進められたということを十分に理解できた。また、一日前にしてようやく 進んだ統合の合意がきちんと進められるかという憂慮も、私だけの心配ではな かっただろう。

統合発起人大会当日の26日午前、公共連盟は緊急常執(事務局)会議に続いて、 中央執行委員会を開催し、合意事項を伝えた。重い雰囲気の中で発起人大会を 準備することになった。そして結局、発起人大会は開始から約2時間で定足数 不足により失敗に終わった。公共連盟は発起人大会の会場で、即刻中央執行委 員会を開き、執行部の任期が何日も残されていないことにより、連盟は非常対 策委員会体系への転換は不可避で、1月中にまた臨時大会と統合発起人大会を 開くという方向を定めた。

統合発起人大会が失敗に終わるというとんでもないハプニングの原因は、連休 が続き、開始時間が2時間も遅れるなどの悪条件があったものの、これを原因 と考える人はいないだろう。

こうして、統合発起人大会の前の状況を紹介するのは、統合の過程を理解する にあたり参考になると思うからだ。なぜ、統合の議論がこれほど苦しく、難か しかったのか、いかにも強硬に思われる4組織の連盟統合を推進する意味は何 だったのかにについて疑問を投げ、解くことが助けになると思う。

では1年前に戻ってみよう。公共連盟は2005年に、公共産別建設に対する基本 方針を確定した。2006年には細かい履行計画を樹立する過程で、鉄道と地下鉄 の連帯組織である軌道連帯から貨物統準委、民主タクシー、民主バスとの運輸 産別建設も併行、または優先すべきだという意見を伝えられた。

公共連盟の執行部は、連盟を産別労組に転換し、それに続いて連盟外部の組織 と統合したり、形式的な手続きを簡素かつ効率的に統合を推進するために、こ れらの組織が公共連盟に加入して、共に産別労組建設を推進するという方案も 検討したが、すぐ廃棄した。鉄道労組を中心とする運輸組織は連盟統合の前に 運輸労組建設を確実にするべきだという条件から一寸も退かなかった。まず、 公共産別を建設した後に連盟統合、または連盟加入後に運輸統合という方式に は同意できないということだった。

こうした運輸組織の意見により、公共連盟は公共産別への転換からひとまず運 輸組織を除かざるを得ないという大きな変更を受け入れなければならなかった。 そのため公共連盟は、2006年までに運輸労組建設、公共労組建設、そして同時 に統合連盟発足を達成して、また2007年までに運輸労組と公共労組を中心とし て未転換の企業別労組を含む産別労組建設を完了するという移行方針を修正し、 確定までに1年という時間を送らなければならなかった。

全般的に非常に無理な方針にならざるをえないと思われる組織統合と産別労組 の建設過程は、公共部門という特性が反映されている。金属を中心とする製造 業は、事実上組織区画や範囲が比較的簡単で、すでに連盟体系に包括されてい るため、組織の転換が比較的簡単だ。しかし公共部門は広範囲であることと、 組織運動の多様性により、産別労組の建設は複雑な統合過程をたどらざるを得 ないという条件を持つ。特に、統合を率いるほとんどの執行部の任期が2年と いう条件により、組織の統合事業は2年以内に移行を完了しなければならない という越え難い限界が作用する。

こうして短期間で行わなければならない、広範囲で多様な組織間の統合は、内 容的な準備は今後の課題として押しやられ、形式的な接近に重さをおくことに なる。そのため内容的にはそれほど重要に思えない争点が浮上しているようだ。 4組織の連盟統合でも、民主タクシーの劣悪な財政条件は、統合連盟の財政基 準をたてることがほとんど不可能と思われた。何度か公共連盟が妥協案を提示 したが、結局同意ができない状況で、極端にはタクシーを除いて進めようとい う意見さえ出たという後日談も聞こえる。

今、原稿を書いているときにも統合霧散の後続措置がまた議論されているのだ が、連盟統合ではなく運輸労組の公共連盟加入についての方案が提起されたと いう。合意されるかどうかはまだ判断できないが、とにかく1月中には統合が 完了することになる。では、今残されている課題は、1年間で運輸労組と公共 労組を中心として公共運輸産別労組を発足させられるかということなのだが、 おそらく方針の修正補完は避けられないだろう。

公共労組は3月に直接選挙制で執行部の発足を準備しており、内部統一性を作 り出す作業が山積している状況だ。運輸労組は比較的安定した体制を構築して いるが、公共労組との統合を急がないという雰囲気だからだ。

今回の統合過程で、現場の一部では闘争のない組織統合に不信を示す向きもあ るが、やや安易な批判という感は拭えない。公共部門の組織統合と産別労組の 建設は、今は緩急があっても、とにかく戻ることができない一歩を踏み出した。 今は形だけの産別という批判だけでは、全く現実を変えられないだろう。どこ から内容を満たしていく産別労組を建設するのか、それぞれの課題を点検して 共同の実践を組織するための診断と議論が広く行うべき時だ。組織を動かすの は力(執行力)が前提になるべきで、論理と主張はその次だということが、今回 の産別労組建設と連盟統合を見て感じた教訓だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-01-05 15:23:15 / Last modified on 2007-01-05 15:23:18 Copyright: Default

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