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それでもまた労働組合

[連続寄稿]期間制教師労働組合の設立に関する舞台

ソ・ブンスク(期間制教師労組慶尚支部長) 2018.01.10 11:06

新年早々、期間制教師が労働組合を設立した。 学校現場の非正規職教師が作る初の労働組合だ。 勇気が沸き上がり希望があふれるのは当然だが、 それに先立って百種類もの複雑な思いが頭の中を先にかすめて行く。

労働組合という名前ひとつ掲げるのも容易ではないが、 労働組合を守ることはさらに難しい。 労働者とその家族の生計が崩れても、いくら労働組合活動が弾圧を受けても、 国家は労働者の生存を守ってはくれない。 あまりにもひどいが、これが労働者と労働組合に対する社会の現実だ。

▲パク・ヘソン全国期間制教師労働組合委員長が1月6日の創立総会で発言している。[出処:全国期間制教師労働組合]

それにもかかわらず、期間制教師たちはなぜ今、労働組合を作ろうとするのか。 この答えを見つけるためには、公共部門非正規職労働者の正規職転換対象から期間制教師が除外された結果からまず話さなければならない。 なぜ期間制教師が正規職転換されなければならないのかという問題を原点で確かめる前に、 この問題を審議する政府の機構はまるで期間制教師が任用試験の受験生と師範大生の任用機会を剥奪でもするかのように、問題を歪めてきた。

正規職転換どころか、劣悪な条件の中でも情熱をつくして学生を教える期間制教師たちに対し、 むしろ大きく傷つけた政府の態度は、期間制教師の問題は当事者が自ら解いていくことを気付かせてくれた決定的な契機になった。 多くの悩みと討論の果てに、その結論は全国期間制教師の独立した労組設立だ。 労働組合だけが労働者たち自身が自分の生活の条件を変えられる唯一の手段だったためだ。

冬休みをむかえた今、多くの期間制教師は雇用を失った。 休み前後の契約が多いからだ。 契約が満了する前の休み前に学生の生活記録簿作成などの業務を終わらせなければならないため、 期間制教師の学期末はいつも忙しい。 残業を迫られるギリギリの日常の中でも、すぐ来月の生計の心配をしなければならず、 新学期の職を見つけなければならない。 目の前のどれひとつ、何ひとつも保障されない人生。 十年、二十年を正規職教師と同じように働いても、期間制教師の現実はいつも激しい風の前で揺れる一本のキャンドルと同じだ。 労働組合の旗の下にキャンドルが集まれば、もう揺れるキャンドルではない。 期間制教師の将来を明らかにするキャンドル、 子供たちの前で光るキャンドルになるだろう。

当事者が団結する時間

労働者にとって切実なだけに、使用主と呼ばれる企業家や官僚には不都合なのが労働組合でもある。 期間制教師の労働組合ができれば、日常的に起きる差別や不当な契約を改善することができる。 団結した力で進めば、政府が打ち出した審議機構を通さず期間制教師自らの力で雇用の安定と正規職転換の問題を要求することができる。 不可能なことではない。 任用試験生や師範大生の競争相手ではなく、彼らと共に学級定員の減少と期間制教師の正規職転換について討論し、 その結果を政府の政策に反映させろと要求し、解決することができる。

まさに期間制教師たちと共に学校現場で働く労働者たちを見よ。 ある国会議員が学校の給食室で働く労働者たちを「食事の仕度をするおばさん」と嘲弄した時、 調理従事労働者たちはその議員の放言を団結した声で受け返した。 「食事」がいかに貴重なことであり、食事の仕度をする労働者の労働が子供たちの教育にいかに大きな影響を与えるのかを証言した。 この声が広がるほど、放言をした国会議員の辞任を要求する市民の声が高まり、 結局その国会議員は調理従事労働者の前で頭を下げ、赦しを請わなければならなかった。 このように、労働組合に団結して行動すれば、労働の価値が正当に評価され認められる。 期間制教師も労働組合に団結すれば、今よりはるかに堂々と教育の主体として立つことができる。 これらの変化はまさに学校現場で教育の質的変化につながる。 この変化は明らかに学生に肯定的な影響を及ぼすだろう。

歴史はいつもそうだった。 被支配者の前進は、支配者にとってはこの上なく大きな障害であり、 期間制教師の前進を防ごうとする壁は厚い。 われわれはすでに正規職転換闘争でそうした経験をしたではないか。 その壁を壊して進むべき当事者は、他の誰でもなくまさに期間制教師自身だ。 その力の結集体が労働組合だ。

雇用が消えるのではないか、次の学期に辞めさせられないかと不安に思うことなく、 心おきなく子供たち教えたいという希望。 幸せな教師になりたいという希望。 その出発は期間制教師の労働組合を設立することだ。 そしてこれからすることは、労働組合を鋼鉄のようにしっかり固めること、 私たちの希望のために力を合わせて団結する番だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-01-17 21:05:03 / Last modified on 2018-01-17 21:05:06 Copyright: Default

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