本文の先頭へ
韓国:現職教師111人、また「朴槿恵退陣」実名宣言
Home 検索

現職教師111人、また「朴槿恵退陣」実名宣言

「セウォル号惨事以後何も変わらない」 1年ぶりに青瓦台ホームページに宣言掲示

ユン・ジヨン記者 2015.04.10 13:06

セウォル号惨事1周年をむかえ、111人の現職教師が朴槿恵(パク・クネ)政権退陣を要求する「教師宣言」を青瓦台のホームページに掲示した。 実名を明らかにした111人の教師たちは「416セウォル号惨事前と後では全く変わっていない」とし、朴槿恵政権退陣とセウォル号特別法施行令廃棄、セウォル号引き揚げを要求した。 該当教師たちは昨年のセウォル号惨事直後の5月にも青瓦台のホームページに朴槿恵政権退陣を要求する教師宣言を掲示した。 この事件で一部の教師に拘束令状が請求され、再び議論が発生する展望だ。

▲教師111人が朴槿恵退陣宣言文を青瓦台ホームページに書き込んだ。[出処:青瓦台ホームページ画面キャプチャー]

「特別法施行令廃棄、完全なセウォル号引き揚げ、朴槿恵政権退陣教師宣言者」111人は、4月10日午前、青瓦台のホームページ掲示板に実名宣言文を発表した。 彼らは「私たちは2014年にセウォル号真相究明のための朴槿恵政権退陣要求を青瓦台自由掲示板に書き込んだ教師」とし、 「セウォル号事件から1年経ったが大韓民国は少しも変わっていない。 それでまたこれに同意する他の教師たちと共に、私たちの要求を青瓦台掲示板に書き込みたい」と明らかにした。

教師たちは「セウォル号の中にまだ人がいる! 真実を引き揚げろ!」という声明書で、 真相究明を妨害する青瓦台を批判して、また行動に出ると宣言した。 教師たちは「子供の死の前に金をちらつかせ、両親に恥辱を抱かせようとする恥じ知らずな政権、 セヌリ党と新政連の欺瞞の野合にも耐えて作った中途半端な『セウォル号特別法』さえ『施行令』無力化する政権、 引き揚げを金で数える政権、いったいこれが国家と国民のための政権ですか」とし 「われわれは『じっとしていろ』という内面の束縛を投げ捨てて『真実引き揚げ』のために再び出ます」と明らかにした。

これと共に、 △セウォル号特別法施行令即時廃棄、 △セウォル号即時引き揚げ、 △死の前に金を揺さぶる侮辱中断、 △朴槿恵政権退陣の要求事項を明らかにして 「真実を沈没させようとする者は、私たちが沈没させる」と宣言した。

先立ってセウォル号惨事直後の昨年5月13日、43人の現職教師たちが青瓦台掲示板に朴槿恵政権退陣運動を宣言する声明を発表して波紋が生じた。 同月28日には80人の教師が「朴槿恵大統領退陣」を掲げて2次教師宣言に出た。 教師たちの宣言が一波万波拡大し、教育部は宣言に参加した教師全員の身元確認および懲戒および刑事告発方針を明らかにした。 その上、警察は宣言に参加した教師や全教組指導部に対し、国家公務員法違反で拘束令状を請求した。

昨年宣言をした教師たちが1年後にまた教師宣言をし、彼らに対する懲戒や拘束令状請求など、後日の嵐も予想される。 教師宣言に参加したA教師は「昨年の宣言から1年経ったが、変わったことも、責任を取る人もいなかった。 だからできることは何でもしなければならないと考え、また教師たちと声をあげた」とし 「セウォル号遺族が断髪する姿を見た。 昨年と違って遺族たちは朴槿恵政権に責任を問う発言が多かった。 政権が変わらなければ真相究明はできないと思う」と説明した。

セウォル号の中にまだ人がいる!! 真実を引き揚げろ!!

「子供を失った父母は目をとじる」と言います。 「子供と共に死んだから」です。 「子供を失った父母は表情がない」と言います。 「子供を胸の深く埋めたから」です。 しかし416セウォル号惨事から1年になろうとする今、 われわれはその父母の閉じられた目に流れる血の涙を見ます。 その父母の硬い表情に、切られていく髪の毛一筋一筋に「恨」が込められていることを見ます。 待ち続けることが塊になる佗びしさ、こみあげる怒りも共に見ます。 それでわれわれは「じっとしていろ」をきっちりとみんなで信じ、生きて出て行けるという希望を捨てずに待っていた彼らと 「金曜日には帰って来てね」を呪文のように繰り返して言う彼らを記憶しながら、 生きている者の役割を考え直します。

われわれは416、あの日、足首から膝まで水が上がってきた状況でも、 友人を、先生を、そして教え子をまず心配してなつかしい人々に「愛してます」を忘れなかった彼らを水に葬った国家を見ました。 7時間もの間、国民の生命に関心を持たなかった大統領の厚顔無恥、 惨事を報告された国家情報院と青瓦台をはじめとするいわゆる「コントロールタワー」が「ゴールデンタイム」に救助のための何の措置もしない無責任と無能力を見ました。 セウォル号にはただ「資本の腹を膨らませること」のためだけの朴槿恵政権の非正規職拡大政策、規制緩和政策がそのまま込められていて、 それによって生きるために死ななければならなかった彼らが一緒にいたことも見ました。

われわれは犠牲になった彼らが生きて帰ることを待ちこがれ、416、あの日以後はそれまでとは変わらなければならないといいました。 私たちが暮らす社会がこれ以上、不安でないようにすると約束しました。 時には黄色い紙の船を折り、遺族の悲しみと怒りに一緒にして、 両手にしっかり握りしめたキャンドルが消えそうになるのかと残念がったりもしました。 もしやあの日を忘れてしまうのではないかと心労焦燥しながら、ほつれていくリボンを新しく結び、また結びました。 彭木港に向かって歩きながら、犠牲になった彼らが私たちであることを胸に刻みもしました。 しかし「壁を越えて空高く飛びたい」という「ガチョウの夢」は、すでに入試競争の場所になってしまった教室に閉じ込められ、 人権も止めてしまう高い塀になった校門を越えられないまま、相変らずセウォル号の中に閉じ込められています。

あの日の真実は、まだセウォル号にあって、子供たちがこれ以上、不安な社会で暮らさせてはならないと世の中に向かって叫ぶ遺族の叫びも、 またセウォル号と一緒にいます。 青年は果て知れぬ競争に追いやられ、進路と就職の不安で不確かな未来に戦々恐々とし、 彼らの未来になる労働者は低賃金と差別、解雇威嚇に苦しんでいます。 朴槿恵政権は、労働者を高空と煙突で追いやり、青年は海外に出て行けといいます。 老人貧困率OECD国家で1位、それによる自殺率がOECD最高なのに、 国民の安全と福祉に対する国家の責任はまったく放棄するといいます。 「チャン・グレ」の正規職の夢はますます遠ざかるばかりです。 われわれは今日、相変らず「現在」を生きる彼らと、犠牲になった彼らがセウォル号に一緒にいることを見ます。

国民のくやしい死の真実を明らかにしろという要求が黙殺される国家、 子供の死に対する真実を明らかにするために父母が断髪しなければならない国家、 断髪した父母が子供の遺影を胸に抱いて通りに出てこさせる国家、これが国家ですか。 国家なら、誰のための国家ですか。 また子供の死の前に、金をちらつかせて父母に恥辱を抱かせようとする恥じ知らずな政権、 真実だけは必ず明らかにしなければならないので、耐えなければならなかったあらゆる苦難と苦痛、 ひどい人たちから受けるとんでもない侮辱、 セヌリ党と新政連の欺瞞の野合まで耐え抜いて作った中途半端な「セウォル号特別法」さえ「施行令」で無力化しようとする政権、 まだ人が船内にいて、416、あの日の真実がセウォル号に全て入っているのに、 引き揚げの金を数える政権、 セウォル号の即刻引き揚げと、それによる真実究明、責任者の処罰に対する国民の熱望を握りつぶし、 引き揚げるといいながらも一方では増えた引き揚げ費用だけを言論に流す政権、 いったいこれが国家と国民のためにするという政権ですか?

これまでわれわれは「真実は決して沈没しない」とし、真実究明と責任者処罰のために、そして416、あの日以前と以後は変わらなければならないと、 遺族はもちろん、悲しみと怒りを共にした多くの人々と連帯して行動しました。 しかし私たちの約束、行動とは違い、416セウォル号惨事の前と後では全く変わりませんでした。 だから今日、われわれは光化門で、そして安山で、また光化門に通じる道で叫ぶ遺族の「助けてくれ」という絶叫と 「恥ずかしい親になりたくない」という怒りに充ちた決意がまさに私たちに向かっていることを直視します。 そのため、われわれは「じっとしてろ」という内面の束縛を投げ捨てて、 「真実引き揚げ」のためにまた出てきます。 遺族と犠牲になった彼らが私たちと一緒にいることを記憶して、 犠牲になった彼らがまた生きて帰れるように行動に出ます。

セウォル号特別法施行令を直ちに廃棄しろ!!
セウォル号を直ちに引き揚げろ!!
死の前に金を揺さぶる侮辱を中断しろ!!
朴槿恵政権は退陣しろ!
真実を沈没させようとする者、これから私たちが沈没させる。

2015年4月10日

特別法施行令廃棄、完全なセウォル号引き揚げ、朴槿恵政権退陣教師宣言者(111人)

(訳注:名前一覧は原文参照)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-04-11 19:19:06 / Last modified on 2015-04-11 19:19:07 Copyright: Default

関連記事キーワード



このフォルダのファイル一覧上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について