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非正規労組活動家の残念な失業給付

[記者の目]活動家の賃金も払えない労働運動の苦々しい風景

キム・ヨンウク記者/ 2010年05月18日18時08分

非正規職組織活動家を養成しなければならなかった劣悪な民主労総

民主労総は2006年に組合員1人当り1万ウォンの非正規基金で50億を造成して、 組織活動家を養成し、非正規職労働者を組織する戦略組織化事業を企画した。 実際、50億ウォン全額を集めることはできなかったが、こうして集めた基金で 組織活動家を選抜、教育して、3年間ソウル、大田、釜山などの公共、建設、 サービスの業種に配置した。二極化時代に民主労総が正規職中心の運動を越え、 非正規職問題に接近する一種の非正規職の組織化プロジェクトだった。

ところがこうして採用された組織活動家は事実上非正規職だった。非正規職連 帯基金で用意された一時的な財源で、安定した採用は当初から期待できなかっ た。非正規職を組織する組織活動家たちは、労働運動への献身に基づき、逆説 的にも自分を契約職にして、低い賃金で組織化事業を行った。彼らは組織活動 家でなければ、ある意味で派遣労働者で、二重三重の非正規職そのものだった。 自分たちも劣悪な処遇に不満がなくはなかったが、劣悪な労働組合の財政でも 非正規職組織化をしようという一種の苦肉の策を選んだのだ。

3年がたち、各連盟や組織活動家の当事者たちはさらに活動が必要であることを 感じたが、活動ができなかった。一時的な非正規職連帯基金で採用された状況 で、各連盟には彼らを採用する財政余力がなかった。

5月17日、言論に失業給付不正受給者と発表されたノ某民主労総副委員長、朴某 サービス連盟組織部長は、まさにこの非正規職組織活動家出身だ。サービス連 盟は実際の組合費を払う組合員が12000人程度の規模だ。サービス連盟の1年間 の予算は6億ウォンで、この予算では実際の事業費は15%程度で残りはほとんど が基本管理費であり、活動費にはギリギリだ。零細な中小企業よりも悪い財政 規模だ。

当時、非正規職組織活動家はサービス連盟に7人が割当てられた。彼ら7人はそ の間、非正規職と流通事業部門組織化に相当な成果をあげ、サービス連盟は何 人かでも活動を続ける方案を探したが、金がなく、やっと二人だけ活動できた。 これさえ財政が足りず、彼らの失業給付を放棄できないのだ。

二人は、この過程でサービス連盟に組織部長に配置され、連盟は非正規職組織 化のためにサービス流通産別労組を作り、組合員資格を付与した。以後組合員 の資格で活動したノ副委員長は、今年のはじめ民主労総副委員長に立候補して 当選した。

労働運動活動家だったため非常識な状況に堪えた

ソウル地方労働庁南部支庁は17日、二人に対して「昨年9月から1月までサービ ス連盟に勤務しており、資格条件がないのに失業給付を受けた」と警察に告発 した。南部支庁はカン某サービス連盟委員長が不正需給を共謀したとして告発 した。

まるで民主労総所属の連盟幹部が失業給付を組織的に不正受給し、破廉恥な犯 罪をしたように警察の捜査が入ったが、その中を見れば典型的な非正規職労組 活動家の財政的困難があった。

このように、労働運動活動家という名で労働運動の場面で低賃金と長時間労働 で働き、無力な労働者の権利を勝ち取るために献身する活動家がいる。過去の 労働運動の劣悪な風土の一つでもある。

ノ副委員長の不正需給問題も、悪質な不法行為と見るにはやや無理がある。労 働現場で低賃金で活動をしていた契約職活動家に、最低の生活でもできるよう にしようという悩みが含まれているという事実に注目する必要がある。

ノ副委員長は昨年8月7日に契約期間が終わり、失業給付を申請した。この間、 サービス連盟はたった二人でも活動できるように、失業給付にさらに連盟財政 を補い、月130万余ウォンを支払った。ノ副委員長は分期別賞与金まで計算すれ ば、月150万ウォン程度を受け取っていたという。

南部支庁によれば、ノ副委員長は150日間の失業給付でおよそ月86万4千ウォン ほどを受け取った。ノ副委員長がもしこの金だけで連盟で努力奉仕をしていれ ば問題にならなかっただろう。サービス連盟はノ副委員長が生計を維持できる ように月65万ウォン程度を支援した。これらの活動家は失業給付がなければ活 動もできず、あるいは65万ウォン程度で活動をしなければならなかった。彼ら は連盟との採用関係がなかったので四大保険の保護も受けられないという不利 益も甘受した。彼らが一般的な会社に就職した求職者でなく、労働運動活動家 だったため、こうした非常識な状況に耐えたのだ。

普通雇い主がサービス連盟のような労働団体の委員長でなく、利益を追求する 私企業の社長なら、雇用維持支援金のような制度を活用することもできただろ う。雇用維持支援金は解雇しない代わりに政府からある程度の支援金を受け取 り、循環休職などの方式で雇用を維持するものだ。しかし当初から人材が非常 に足りない労組は、こうした方式を取れる状況ではない。さらには民主労総が 非正規職組織化基金を集め、各連盟に一時的に割り当てた活動基金なので連盟 の劣悪な財政構造を打破する方法もなかった。

もちろん彼らが現行法を破ったことは、言うまでもなく悪い。民主労総内部で も、現行法を破った問題なので副委員長職の辞任が議論されている。

タイムオフが始まれば生計はさらに苦しく

今回の事件で、民主労総は労働寄生虫だかとか貴族労組だと文句を言うのは、 非常に低い活動費で活動する労働運動活動家の現実をさらにわびしくする。こ の社会で最も劣悪な非正規職の権利を勝ち取り、労働組合を作れるように献身 してきた活動家の賃金さえ耐えがたいのが労働運動の一断面であるのが事実だ。

事件の発端になったサービス連盟は、警察の調査で意図的に共謀した事実はな いことを明らかにするのに力を入れる予定だ。非正規職運動に3年も献身した非 正規職活動家が、なんとか活動できるように、足りない財政で無理に採用した のが罪だと言うなら罪であり、なおさら残念だ。また7月1日から施行されるタ イムオフ限度のために悪化する労働組合の財政で、さらに苦しい生計に耐えて 労働運動の世界に残る活動家の境遇は苦しい。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-05-19 07:40:41 / Last modified on 2010-05-19 07:40:43 Copyright: Default

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