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「スト権は私益か? 生存権に反する最高の純真公益は何か?」

[民主労総ロードマップ政策ワークショップ](3)-最小維持業務争点討論

崔ハウン記者

20日の民主労総3次ロードマップ政策ワークショップ提案に続いて行われた討 論は、提案と同じように最小維持業務の妥当性に対する攻防で進められた。

「公共サービスのうち、公衆の日常生活と無関係なものはどこにあるのか、と ても広く曖昧にスト権を制約するものだ」、「本当に必要な公益の考慮、市民 の同意の部分は、労組が良く知っている、すでに労組は具体的な実践として委 員会が憂慮する部分を解決してきた」、「狭い労組組織率と浅薄な韓国の労使 関係によって、実際に公益のためになるストライキの威力は発揮できなくなっ ている」、「廃止されて当然だから廃止される職権仲裁により、また最小維持 業務という制約をおくことは自主的な解決ができる領域を法が規定するもの」、 「本当に必要な公益の考慮、市民の同意の部分は労組のほうがよく分かってい る」ということが、参加した労組関係者の吐露と怨念の声だった。

これに対して金ホンヨン教授とウンスミ韓国労働研究院委員は「公衆サービス の当事者は労使だけでなく一般大衆で、彼らが同意しない労使合意ではいけな い」、「ストライキに対する韓国の社会的な同意や忍耐も考慮すべきだ。韓国 ではストライキで出勤が10分遅れただけでも社会的同意が破壊される状況だ。 韓国でのストライキの対象は二つ、使用側だけでなく大衆もである」 「不法 ストライキの名では大衆の同意を引き出せない、議論に参加し、社会的に受け 入れられる合法の最小基準を作ろうということ」、「最小維持業務の法律によ る規定は、議論の出発点でしかなく、個別の産業別に労組の要求を受け入れら れる余地は大きい、参加して、むしろストライキの正当性を確保するために活 用しろ」という論拠で最小維持業務議論の活用を提案した。

ユビョンホン公共産別局長、「組織率90%にでもなって、ストライキ効果が高ければともかく」

最小維持業務の例として議論されることに実際の連盟内の組織がすべて関わっ ている。連盟は他をすべて除いても、それだけに死活をかけなければならない 局面だ。

少なくとも業務中断と公益に顕著な影響を及ぼすという関連性があるのなら、 ある程度妥当かもしれない。ところが実際にそのような例があるのかを確認し よう。病院ストライキのたびに労組が進んで応急診療をしているのを知らない か? 都市鉄道ストライキのたびに市民の足を担保にすると大騒ぎするが、他の 事業場の組合員が地下鉄ストライキ連帯集会に行く時、地下鉄に乗って行く。 ストライキを組織して支援する幹部である私も、地下鉄に乗って出退勤する。 発電ストライキの時に国が滅ぶと騒いだ人で、それで不便を味わった人がいる か? 最小維持業務の必要性について、具体的に実例で話せ。

労組組織率が90%にでもなって、ストライキ効果が高ければともかく、当分は そんなことはないと知りながら、なぜ今持ち出すか? その底意が非常に疑われ る。今でさえストライキ効果が少ないのに、それさえ最小業務維持により半減 すれば、ストライキの効果は事実上喪失し、ストライキは長期化するしかない。 結局、労組が自分から離れ、事実上スト権をなくすということではないのか。

もう職権仲裁廃止の話はするな。前提が間違っている。職権仲裁廃止は当然だ。 ストライキによる代案の用意は使用側の問題だ。無責任なのではない。ストラ イキの根本を知らないのか、ストライキは労働者に与えられた最後の武器だ。 ストライキの効果による問題を労働者に要求しているのではないか。公益に対 する極端な危険に直面する状況を回避することは、すでに労働者が処理してい る。保健医療労組に聞け、医療関係者に本当に治療が必要な患者を放って出て 行く人がいるのか。

コビョンヨンGSカルテックス労組前副委員長、「スト権は不便を与えて勝ち取れということ」

昨年のLG精油ストライキで、拘束、損賠、ストライキ参加者全員懲戒、解雇で 30人が退職し、労組は焦土化した。

1999年の民主労総加入以後、非正規問題や地域社会発展基金など大企業労組と して社会公共性強化に取り組み続けた。2001年、2002年に少数だが、正規職化 と地域社会発展基金も勝ち取った。職権仲裁事業場という頸木に縛られ、不法 ストライキという弾圧を突き破れず、結局民主労総に加入した日に民主労総か ら脱退する血の涙を流す過程を体験した。憲法上の団体行動権は私たちにはな かった。

必須共益事業場という概念範囲そのものが曖昧で恣意的なのに、さらにそれを 拡大するということなのか。国際労働基準はストライキ制限の正当性が認めら れる公益サービスを『生命』に直接関連するものとなっている。それでは石油 事業は必須共益事業場に入る何の理由もない。それによる被害は単純に団体行 動権一つでなく、労組自体が完全に崩壊する原因を提供しなかったか。

最小維持業務がむしろより大きな障害になるのではないかと憂慮する。ストラ イキは不便を与えて勝ち取れとことではないのか。市民社会の同意は韓国の社 会の成熟とともに進む部分で、法制化して許す問題ではない。

安定した減量生産業務は当然労組が処理する。むしろ以前のLGストライキの時 は会社が一方的に不法だと言って工場を閉鎖し、結局全面ストライキ状況になっ た。不法ストライキの条件を利用して、使用側がむしろ攻勢的に出てくるとい うことだ。

最小維持業務労使協定が合意できなければ中労委が決めるというが、今の中労 委をどう思うのか? 昨年のLGストライキの時、法規まで破って不法職権仲裁を して、結局大法院で職権仲裁が破棄され、差し戻された。99以後、6年連続し て調整申請を出したが、いつも労組の意見は受け入れられなかった。中労委が 公正に労使の意見を聞いて仲裁する能力があると思うのか?

ソウル地下鉄組合員、「労働者にも代替闘争手段を与えたのか」

職権仲裁による被害は、言うまでもない。ところが職権仲裁問題を先進化した 方向で解決すると言って、最小維持業務を法制化するということか?

例えば地下鉄の最小維持業務は何か? 大邱地下鉄の場合、輸送分担率は4%だが、 そこにどんな措置をするのか? 地下鉄は自動化と、非組合員確保次元で公社が 機関士を昇進させ、ある程度会社側の人員を確保している。輸送分担率を別と しても、ストライキで完全に止まることはない。現在は多様な代替手段がある。 通信手段でも運送手段でもまたどんなものでも一つが独占していない。

過去とは違う。それではそれに相応する代替闘争手段を労働者に与えたのか。 そうではないのに、制限だけするというのは、負ける戦いしかするなというこ とではないのか?

公衆の日常生活の概念は、どこからどこまでか、サボタージュストライキは入 るのか、航空運航しないから入ったのか、バスがこの頃問題と騒々しいから入 れたのか... 労働者はそう感じる。労働者も国民ではないのか。労働者の意 志は考慮される公益ではないのか。

ウンスミ韓国労働研究院委員、「労組が積極的に最小維持業務検討を提起」

職権仲裁は廃止されなければならない。しかし公益のための、その他の制度を おくなという意見ではない。低い組織率を根拠としてストライキ効果が小さい からと言って、どこが組織されているのかがさらに重要だ。病院を例にしよう。 国立大や私立大病院の大部分が加入している。病院を動かす程度を見ようと言 うことだ。そして労組の自主的実践でストライキによる極端な被害はないと言 うが、病院ストライキで患者がこの病院あの病院と移動して、迅速に診療を受 けられないという大きな危険に直面することが私の周辺でもあった。

またストライキに対する韓国の社会的同意や忍耐も考慮しなければならない。 韓国ではストライキで出勤が10分遅れただけでも社会的同意がこわれる状況だ。 韓国でストライキの対象は二つ、使用側ばかりでなく大衆でもあるという。

むしろ労組は最小維持業務を完全に拒否せず、各公益業者別の最小維持業務を 積極的に検討し、提起するほうがいいのではないか。私たちが把握する限り、 ここまでが最小維持業務の範囲だと言うことが、大衆に対するストライキの名 分になるということだ。実際、最小維持業務も運営によって成功することもあ ると思う。昨年、保健医療労組が条件付き仲裁で、一定程度の最小維持業務を 遂行している状態で14日間合法ストライキを打ち、成功したではないか。

公共機関の信頼度アンケート調査で、1996から2005年の間、政府より労組の信 頼度が低下した。つまり、労使自主交渉に対する信頼度が低いということだ。 危険性の判断は、労組が一番よく知っているという点に同意する。しかし詳し く事業場別に判断して、どの程度までスト権を要求するのか、どこで止めるの かを判断しなければならない。社会的規範の判断だ。社会的規範を民主労総は どう作るのか、現在は始まったばかりで、労組が社会的規範をどう作るかが重 要だ。

金ホンヨン教授、「議論に参加して、合法ストライキの手段として活用しろ」

公益は、労使だけが利害関係者なのではなく公衆一般が当事者だ。緊急調整時 の事実公表について、すべての交渉過程の情報を公衆に公開し、世論戦をする 意図だと労組は反発するが、それは使用者も同じだ。世論を借りて、私企業に 勤労条件を強制するという不満が経済人総連にもある。しかし重大な利害当事 者である公衆の同意なく、労使合意はできない。もし緊急調整の状況になれば、 韓国社会全体の問題として判断される。緊急調整時の争議行為禁止期間を60日 に延長するのも、そのような脈絡だ。30日間で調査ができるか。労働界は仲裁 の権限を大統領に付与し、国務会議の事項にしようというが、現在、大統領が 権威的ではないという点だけを見ずに労働部に任せ、経験を積もうということだ。

最小維持業務は労使双方の問題だ。地下鉄の50%議論を出発として個別事業場 につながる問題だ。実際の議論の過程で労組の要求が反映される余地も多い。 バスと地下鉄の同時ストライキでなければ、出退勤時間に50%しか運行されな くても公益を損なわないという点を立証すれば良いのではないか。この論議の 場に入らなければならない。その中で堂々とストライキして、ストライキの正 当性を説得すれば、そのストライキは成功だ。そのためには、ストライキを合 法ストライキにしなければならない。実際にストライキで不便はないといって も、「お前たちは不法ストライキではないか」という大衆の情緒を克服できない。

合法ストライキを可能にすれば、職権仲裁回付を受け入れるが、今回、病院は 応急室を稼動させても職権仲裁を通過できなかった。政治的だと非難されてい るが、労働委はそもそも労組のスト権を保障する組織ではなく行政府機関だと いう現実を認識しなければならない。通過の最小基準がどこなのか、韓国社会 が認めるストライキの水準の基準として最小維持業務が利用できる。議論に参 加して、不法ストライキを合法ストライキにする基準を作り出せ。

金テヨン、「出発から現実の論理ではだめだ、基本原則に忠実に行こう」

今のロードマップ議論は今後の議論の出発点だ。ところが基本的な原則を後ま わしにして「不法ストライキを突破する力がないから活用しろ」という現実的 な結論には、非常に当惑する。

現実について言われるが、力の逆関係でなく、現在の政府が労働三権に介入し ている程度を見るほうが、もっと現実に符合するのではないか。反労働政策を 一貫している中労委が交渉過程の事実を公表して、中立的な調整ができるか。 それが現実だ。

緊急調整を廃止しろという主張まではとても出来ずにいるが、その上、緊急調 整を国務会議の決定事項にしようという点が最小限の要求だ。ストライキをや めさせようとすれば、その程度の比重を置こうということだ。現実的に、労働 委や国務会議指向などの違いを別として、比重の問題だ。

公共サービスの中に公衆の日常生活を含まないものはない。その基準は、国際 労働基準が語る『生命身体』の関連をはるかに越える。韓国は革命の経験もな いので、団結権もこの程度しか享有できないというのか。『国民経済』を基準 から抜いたことは何の助けにもならない。

市民の同意を得る問題で、スト権を行使する時、誰よりも労組が判断する部分 だ。言論がどんな方法で不法ストライキをあげつらい、弾圧しているのか誰よ りもよく知っている。労働者を子供扱いするな。

法は現実に先んじるのではなく、一番後に、発生した問題を最小限度で抱え込 むものだ。なぜ唯一労働だけを先んじて、発生もしていない問題、自主的に解 決できる問題ばかりをあげて規定しようとしているのか。職権仲裁廃止する千 載一遇の機会をのがさないように、最小維持業務を認めろということ、それを するかどうかは、私たちにまかせろ。現実を考慮すると言ってかけひきするよ うな法を作るのではなく、始まった今、原則的に妥当な内容を作れ。交渉で解 く問題と言っても、ひとつ基準が設定されると拡大しても減らないのが常だ。

2005年07月25日13時47分

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2005-07-27 03:01:39 / Last modified on 2005-09-05 05:18:14 Copyright: Default

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