統治の危機になると訪れる愛国主義の亡霊

ドブのような社会に「大韓独立万歳」で応えるな

▲慶北道は23日、日本の竹島の日糾弾決意大会で大型太極旗除幕式を行った。［写真=浦項市庁］

プロ野球シーズンがやってくるように、また愛国主義の亡霊が訪れてくる。 政府への批判の世論が高まり、政府は愛国心を鼓吹する多様な方案を出している。 そこに島根県の「竹島の日」イベントは好材料になった。 進歩を自任する人々も愛国主義の亡霊から簡単に抜け出せない点を、政府はよく知っている。

最近、朴槿恵政権は連続する人事惨事、 原則のない租税制度、 一方的な政党解散などでさまざまな方面からの危機を迎えている。

これに市民が最近、ポケットマネーを集めて朴槿恵(パク・クネ)大統領批判宣伝ビラを製作し、全国各地で配布した。 警察はソウル、大邱、釜山などで宣伝ビラを配った市民を 「朴槿恵大統領に対する名誉毀損について捜査する」という名目で処罰を検討している。 釜山で宣伝ビラを配った男性は、家が押収捜索された。 それでも宣伝ビラを配った市民は恐がったりぶるぶる震えてはいない。 選出権力を批判する自由が民主主義の価値だと確信しているからだ。 それで大邱で宣伝ビラを配った彼らは実名を明らかにして報道機関に報道資料を発送し、SNSに認証ショットまでを公表した。

反転の契機が必要だったのだろうか。 教育部と国土部の反対で失敗に終わったが、行政自治部は今年光復70年をむかえ、国旗掲揚率を高めるという趣旨で共同住宅の棟ごとの国旗掲揚義務化、 小中高校生の国旗掲揚後の認証ショット提出などを施策として提示した。 また、セヌリ党の朴明在(パク・ミョンジェ)議員は 「太極旗への関心は愛国心の尺度」とし、太極旗掲揚法案を発議した。

そのためか、大邱市、慶尚北道をはじめとする地方自治体は、3.1節を控えて大々的に国旗掲揚運動を展開する計画を提出した。 慶尚北道は3.1節の前にすべての市郡での国旗掲揚行事の計画まで決めた。

▲慶北道慶山市は太極旗掲揚運動に積極的に参加するため庁舎の前に「太極旗風車園」を造成したと明らかにした。［写真=慶山市(キョンサンシ)］

また、北朝鮮の次に強いカードと言われるカード、日本も登場した。 日本の島根県は2月22日、条例で制定した「竹島の日」の行事を行った。 10回目になるこの行事に安倍内閣は3年連続参加した。 これに反発して慶尚北道は、浦項で「竹島の日対応汎道民糾弾決意大会」を開いた。 16世紀に日本が統一後、内部を安定させるために壬辰倭乱(文禄の役)を起こしたように、 政府は当面の混乱した内部を隠す良い餌を見つけた。

国語辞典は「愛国主義」を「国を愛し国のために献身して働く思想」と説明する。 脳出血で世を去った月光妖精逆転満塁ホームランは、歌〈びっこをひくよ〉で 「自分の足を折ってワールドカップ・コリア、自分の手を切り捨てて朴賛浩20勝」を歌った。 今なら「自分の雇用を折って独島はわれらの土地、自分の自由を切り捨てて太極旗掲揚」程度に変えてみることができるのではないか。 ドブのような人生、監視と統制が日常になった社会で、われわれは政府が注入する「愛国主義」に「大韓独立万歳」で応えることはできないのではないか。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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