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韓国:ぶつぶつ言うな、青瓦台に行こう
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ぶつぶつ言うな、青瓦台に行こう

[寄稿]私たちすべてがセウォル号だ

ソン・ギョンドン(詩人) 2014.05.17 20:22

ぶつぶつ言うな
すべての社会がセウォル号だ
今日、私たちすべての人生がセウォル号だ
資本とその権力はすでに
われわれすべての人生からバラスト水を抜いた
社会の全体から正規的雇用を抜いて
非正規職という不安定を注入した
そしていつ沈没するかわかれない
労働者セウォル号に乗せられているのは900万人
社会のすべての所で
「安全」という名が刻まれるべき場所を取り除き
そこに「無限利益」という貪欲を満たした
こうした資本の災害の中で
今日も一日七人が労災という名で
着実に沈没している
生計の悲観という名で
これまで多くの労働者・民衆が自分から座礁していった
そうして数えきれない程多くの人々が地下の船室に閉じ込められた
この残酷な歳月(セウォル)の広い甲板の上で
資本だけが無限に安全で、満腹になる世の中だった。
彼らの安全のためだけの構造変更は
いつも法が認めた
無限の資本の安全のために
整理解雇・非正規職化が法制化された
金にならないすべての安全の業務が
平和の業務が、平等の業務が、外注に出された
経営の危機の時、船長である資本家の脱出はいつも合法で
一緒に暮らそうというすべての労働者の救助信号は
後回しにされ、不法に罵倒され、弾圧された
さらに大きな利益のための資本の移動はいつも自由で合法で
危険は下へ下へと転嫁されるだけた
そんな資本の無限の蓄積のために
世の中全体が傾き、沈没している
この残酷な生存の海で
人々の生きた命が水没した
それでも動くなという
ぶつぶつ言うな
この構造全体が断罪されなければならない
社会全体の構造を変えなければならない
この惨めなセウォル号から、また彼らだけが脱出しようとする
このセウォル号の船長と船員を変えなければならない
私たちすべてが、この危険なセウォル号の
船長に、機関長に、甲板員に、操舵手にならなければならない
この時代の最後に残ったバラスト水として、エアポケットとして、
ダイビングベルとして、急いで動かなければいけない
このセウォル号の航路を変えなければならない
この資本の航路を変えなければならない

昨日(5月16日)は大漢門の前にいました。 コオロン、コルト・コルテック、双竜車、キリュン電子、保健福祉開発院、才能、セジョンホテル、ユソン企業、漢城運輸、ソウル地下鉄、空港、鉄道... それぞれ事業場は違っても、これまで資本の貪欲によって小さなセウォル号になった長期闘争事業場の労働者たちが、 共にセウォル号で死んで行った人々を追慕して、 遺族を慰めるために集まりました。 私たちののような小さなセウォル号が先頭に立って、 セウォル号惨事の真相究明と責任者処罰が本当にどう行われるべきかを話し、 実践していこうという労働者共同行動も一緒でした。

事実、セウォル号の前から沈没して行った小さなセウォル号が私たちの周辺にはとても多かったです。 労災とは言っても、その内容をほじくってみると、 運送収入のためにバラスト水を抜いたり、束縛装備費を節約するために安全を後回しにして とにかく進めといったセウォル号の内容と本当に何一つ違いません。

学校現場での競争教育、言わば教育現場を一部の学生だけが生き残り、脱出できる生存競争のセウォル号にして、 1年に100人を越える学生があのバルコニーの上からあの遥かな下へと墜落しています。 私たちすべてが自分の子供だけがその生き地獄から生還することを、 他の子供たちの死を踏み超えて勝者になることを暗黙的に黙認してきました。

密陽では国民の安全は後まわしという核マフィアの送電塔に押されて沈没し、 亡くなった故ユ・ハンスクお年寄りの葬儀もできずにいます。 100%国家と結託した核資本の安全のために、多くの公権力が動員されて 「じっとしていろ」といっています。 密陽で工事を強制執行するために、一日に何十回も上がったり下がるあの多くのヘリコプターが、 セウォル号の人々を救うために使われたとすればどんなに良かったでしょうか。 核発電所はそれ自体、核兵器そのものです。 一つ間違えば、セウォル号惨事の数百倍、数千倍の災難が韓国社会を襲うでしょう。 そんな核発電所がこの小さな国に何十もあるのに、もっと作るといって今、 密陽の住民を威嚇しています。 いや、私たちすべての未来を威嚇しています。 私たちすべての未来を次第に沈没させつつあります。 実際、韓国の原子力産業はとても危険です。

「社会公共研究所が原子力関連の4つの事業場(韓国水力原子力、韓電KPS、韓電原子力燃料、韓電技術)の労働者1771人を対象に質問と深層面接調査を進めた結果、 原子力労働者の72%がこの5年で遂行業務の種類が増加し、 67%が深刻な疲労を訴えていました。 労働者の64%は現場の人員が不十分だと判断しており、 人手不足で以前のように丁寧に安全システムが運営できないという意見が80%に達しました。 何よりも労働者たちは、会社の垂直的、位階的な秩序により、 安全事故が発生しても独自に作業を中止する決定ができないと吐露しています。 実際に安全が脅かされるような状況で独自に作業を中止することあるかという問いに、 『そうだ』と答えた割合は48%に過ぎませんでした。 また、労働者の20%は自分が属する部署(チーム)内のチーム員と率直に安全問題を話せないと打ち明けました。 報復性懲戒を恐れることがなく安全に関する意見を提案できるという意見も40%しかありませんでした。 原子力発電設備は増えるのに、適切に人員は補充されず、 多重の下請け構造でからまった民間会社は納品と建設受注に血眼になり、 各種の不適切な競争とロビー活動をしており、不良部品が入る可能性も高まっています。 これに対する牽制装置も殆どありません。 現実はもっと深刻です。 実際に働くのはこれらの労働者ではなく、多くの下請け労働者だからです。 原子炉作業はほとんどの下請け労働者たちが、下請けの再下請けという構造で作業をします。 安全管理者を現場に立ちあわせて作業をしなければなりませんが、 安全管理者もなく、安全教育も受けず、一度も非常状況マニュアルを見たことがない状態で働いています。 それでも実際に事故が起きれば原発を管理する韓国水力原子力は、韓電KPSという子会社に責任を転嫁し、 この子会社は下請企業に責任を転嫁したり個人の過失にします。 こうして元請が責任を持たないため、場当たり的に危険な作業をさせているのです。」(以下引用、〈危険の外注化〉より、キム・ヘジン)

鉄道民営化も同じです。 一日に数百回、人々を運ぶ公共鉄道を民営化、外注化、私企業化するということです。 現在もこの政府と鉄道公社は、列車の安全の必須業務である整備業務さえ外注化しました。 鉄道の安全を担当する外注会社のコレイルテックは90%が非正規職です。

「時速300Kmで走るKTXは、何よりも乗客の安全を優先しなければなりません。 この高速列車には機関士をはじめ6人の乗務員が乗っていますが、 乗客の安全を担当する労働者は列車チーム長1人だけです。 その他の乗務員はコレイル観光開発という子会社の労働者で、 乗客の安全業務を担当する権限がない非正規職です。 鉄道公社はこれらの労働者が『安全業務を担当しない』と決め、乗務員としての非常対応訓練も受けさせていません。 これらの労働者が安全業務を遂行すると、重要業務になるので外注化についての問題が発生しかねず、 正規職の列車チーム長と共に安全業務を遂行することになるため、 不法派遣になることをおそれているからです。」

「地方の地下鉄と都市鉄道は1人乗務制で運行されています。 釜山大経営研究所の委託研究の結果でも、2人乗務と比べて1人乗務の 死傷事故は2倍、走行障害率7倍、年次遅延率は8倍も高かったです。 到着監視と扉の開放、開放確認、出発信号、乗り場の異常確認などをすべて機関士が一人でしなければなりません。 そしてCCTVや後写鏡では乗り場全体の状態が確認できないので、 乗客が乗ろうとしているのにそのまま出発することもあります。 これに加えて事故でも起きれば案内放送もして、事例報告、事故現場訪問、 目撃者を探して陳述を確保するなど、すべての業務を一人ですることになります。 特に都市鉄道公社の機関士は1人乗務で機関士の精神健康が深刻な危険に直面しています。 陽の光が一筋も入らない地下トンネルを一人で運転し、あらゆる仕事をするストレスで恐慌障害に苦しむのです。 これは労働者と乗客両方の安全を威嚇する行為です。 そしてこれらはすべてコスト削減のために進められています。 セウォル号惨事の後、上往十里駅で地下鉄列車追突事故が発生しました。 信号機の誤動作でしたが、この原因である信号連動装置データの修正作業は民間の外注業者がしています。 機関士業務を除き、信号と安全業務などの整備関連はほとんどが外注されています。 安全のための人員と費用投資は次第に減っています。 そして整備人員は2008年度に外注化されてから、122人が削減されました。」

後になって鉄道というセウォル号がまた転覆すれば、この苦痛と痛みをまた体験しなければならないのでしょうか。 何の責任も、適切な役割も与えない非正規職労働者たちだけ、 彼ら自身がこのみじめなセウォル号に強制的に乗せられたみじめな乗客でしかない彼らだけを拘束するつもりですか。 道義的責任を問うつもりですか。

医療民営化も同じことです。 公共医療を資本にご馳走してやろうということです。 患者の安全、誰もがこの国家から「低廉」に。 もっと尊重され、救助されるはずの公共医療のバラスト水をまるごとすべて資本家に与えようということです。

一例として「ソウル大病院は、患者の生命に直結する電気および施設課設備を外注化しました。 外注された業者は労組弾圧のために組合員を無原則に循環配置して、 2009年の台風コムパスによる電気供給中断事態にきちんと対応できませんでした。 2014年、ソウル大病院は費用を節減すると言って請負金額を下げ、 新しく入ってきた用役業者は14人の施設管理労働者を解雇して、短期アルバイトを雇用しました。 結局手術室で火事が出たり、病棟の漏水が発生しました。」

空港も同じです。 「仁川空港では、航空機と附帯施設の火災事故などを1次初期鎮圧する消防出動待機者はたった60人程度しかいません。 広大な敷地と空港内の123もの対象物を管理する労働者が3組2交代で働く180人しかいないのです。 これらの労働者には、消防のための自律的な権限も与えられていません。 これらの労働者は用役労働者だからです。 世界1位のサービスを誇る仁川空港ですが、 非正規職を雇用することで売り上げを増やし、安全の責任は用役労働者に押し付けています。」

これだけではありません。 サムスン電子では、これまで白血病などの労災で100人以上が沈没して行きましたが、 今ごろ謝罪などをしています。 セウォル号ですべての人の心が崩れ落ちた時も、現代重工で何隻かの人々がこの地上で座礁しました。 現代重工使用者側と警察は、その焼香所の設置まで妨害しました。 全北バスでは、この国家は国家の名ですべての労働者民衆を殺しているという気持ちで、国旗掲揚台で命をかけ、現在も意識が戻らない解雇者チン・ギスンさんがいます。 解雇は殺人だ、一緒に暮らそうと叫んできた双竜自動車でも、また一人のセウォル号が沈没しました。もう25人目の犠牲者です。

第2のセウォル号は、こうして随所に散らばっています。 セウォル号の痛みと怒りで社会全体が喪に服し、誰もが喪主になった今日も、 相変らず「しっかり」運航されています。 むしろセウォル号の痛みが大きいだけに「動くな」という僭主扇動が大手を振るっています。 セウォル号に対するあらゆる問題提起で進むことを阻止しようとする人々の意図が大半を占めています。 どうにもならず、昨日は遺族代表団を青瓦台に呼び、涙のショーをしました。 清海鎮一つだけを粉砕し、次の段階として対国民談話を発表するといいます。 暗に、生計の困難があれば、いつでも話してくれればこの政府が助けるといっています。 何としてもセウォル号の怒りが社会全体の安全点検と構造変更につながることを防ごうとする彼らなりの必死の努力です。 それでもだめなら珍島近海のセウォル号に限って「特検実施」と「特別法制定」をしてもいいと流します。 「改閣」も考えるといいます。 もちろん当然、そうすべきです。 しかしこれもまた本当の真相究明を隠そうとする錯視戦法でしかありません。 広場と街頭の怒りを、本当の真相究明を国会の中に引き込んで軟着陸させようということです。 この程度で揉み消して「次の惨事」につなげようという甘い懐柔です。 セウォル号惨事の共犯正犯になろうという汚いジェスチャーです。

私も大韓民国セウォル号の船長として、これらすべての惨事と救助の失敗に責任がある朴槿恵号全体の退陣と拘束を要求していますが、 私たちは何人かの個人を変えようといっているのではありません。 全ての社会を資本の利害と天文学的な蓄積のための不良セウォル号にしてきた責任を問い、 その構造と世界観を変えなければならないということです。 この大韓民国セウォル号全体の責任を問わず、本当の責任者に正当な責任を問わず、構造を変更せず、 また、このセウォル号を適当に束縛して運航させようということは、 あまりにも重い独占資本の貪欲をごっそりと積んだままこのセウォル号を出発させようということは、 セウォル号で死んでいったあの多くの人々の死をまた私たちすべてが「一致協力」して沈没させるということに違いません。 「次の惨事」の時は、さらにじっとしているという共謀確認書になってしまいます。

珍島のセウォル号から生還した船長と船員を「不作為による殺人罪」で起訴すると言っています。やめて下さい。 彼らもその生死の岐路で弱くならざるをえなかった、悲惨な個人たちです。 どこも私たちすべてに歴史的人間、社会的人間としての人間の尊厳と連帯の貴重さを教えてくれない社会です。 構造をほったらかしにして、とても弱くならざるをえない数人の個人だけに石を投げろというもうひとつの緋文字には、共感のかけらもありません。 またセウォル号を沈没させようとする汚い陰謀です。 セウォル号は珍島近海で沈没しただけだと隠蔽縮小しようとする残忍な陰謀です。 救助信号がこの国家に送られた8時54分以後の責任は、民官軍に対する絶対的な統帥権を持ち、国民の安全と生命を守る任務がある大韓民国セウォル号の船長。 朴槿恵、あなたが負わなければなりません。

ぶつぶつ言っていてはならない。 現在、大韓民国全体がセウォル号です。 われわれはそのセウォル号でいつの間にか死んでいきつつも、 「じっとしている」本当におとなしい乗客なのかもしれません。 今日も「セウォル号」という一つの沈没のことだけを話し、 それ以上に行かないという言葉について分かったと言ってはなりません。 そして、5月18日、また2次万民共同会に動きます。 清渓広場、3時です。 私たちすべてがこの時代のバラスト水になるために出てくる日です。 数えきれない程多いこの時代のバラスト水が、傾いていくこの世界を救うために立ち上がっています。 そんな一日です。 違いがあるとすれば、セウォル号惨事の責任から一人だけが抜けだそうとする船長、朴槿恵氏を断罪するために、 はっきりと青瓦台へと行く日なのです。

もちろんその船長室に通じる道は容易ではないかもしれません。 その船長室が保護されなければ、この大韓民国ですべての人生が恒常的な危機に追い込まれ、その代わりにすべてのバラスト水を抜いて助かる資本家集団の1%が安全になれないからです。 その安全を守るために、珍島近海にはなかった多くの公権力の積極性が見られるでしょう。 しかし彼らもこのセウォル号の残念な船員でしかありません。 その日だけは、朴槿恵氏とその船員の一部だけの安全ではなく、 大韓民国の国民すべての命と安全を守ることに一緒にしてくれると思います。 もし、またこんなバラスト水の怒りを妨害すれば、捕まえて行くのなら、そうすればいいという日です。

5月18日です。 1980年、光州で軍部のクーデターを防ぐため、もっと良い世の中のために、名もない多くの人々が死んで行った日です。 あの日も、守るべきものが多い人々、「じっとしていても」平穏で安全な人生が保障される人々が、まず光州から抜け出しました。 追慕だけでは光州の真実は明らかになりません。 真相究明闘争が韓国社会をあの悲嘆から救い上げました。 また34年が経った今日、われわれはセウォル号というもうひとつの惨劇と、 その惨劇を続けようとするこの時代の為政者に向かって進みます。

朴槿恵氏だけに責任を問いに行く日ではありません。 はっきりさせなければなりません。 申し訳ありませんが、国民の政府も、参与政府という前の政府も、大差はありませんでした。 資本の貪欲だけが隆盛する新自由主義の世の中に向かう航路は大同小異です。 私自身を含み、社会運動をする進歩勢力もやはり、自分の真情性と素朴さ、時代的責任感をしっかり果たせず、自ら沈没してきた歳月です。 そんな私たちすべての責任をまた点検して、私たちすべてが新しく尊厳な人々として生まれ変わる日です。 私たちが、私たちの時代の船長として、甲板員として、操舵手として、また立ち上がる日です。

正当な闘争だけが私たちの痛みを浄化させてくれるのだと信じます。 正当な怒りと簡明な実践が、私たちすべてを救うのだと信じます。 「共に立ち上がって、このセウォル号の航路を変えます。 共に立ち上がって、この資本号の過剰積載をやめさせます。 この地上でも、私たちすべての安全を守ります。 聞いてみましょう。私たちの声を。私は生きたい。 とても私は聞いていられません。あの海の中のセウォル号から聞こえてくる苦痛の声を。 あなた方には語ることができない苦痛と死を通じ、2014年の大韓民国が生まれ変わり、 資本の無限の貪欲ではなく、多くの人々の安全と尊厳が正しく立て直されました」 と言えるるようになることを望みます。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-05-18 15:47:49 / Last modified on 2014-05-18 15:47:50 Copyright: Default

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