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LNJ Logo アリの一言:「安倍元首相銃撃事件」結審・問われるべきは何か
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 山上徹也被告が安倍晋三元首相を銃撃した事件の1審公判が18日結審し、検察は「無期懲役」を求刑しました。弁護側は「懲役20年以下」を主張しました。判決は来月21日。

 

 最も注目すべきことは、統一教会によって家族が破壊された被告(証人として出廷した桜井義秀北海道大特任教授の言葉では「被告はネグレクト(虐待)の被害者」)の怒りがなぜ安倍氏に向かったのかです。

 

 検察側は「旧統一教会の幹部襲撃が困難になり、代替で突発的に被害者を対象にした」と主張しました。しかしそれは山上被告の供述とは異なります。

 

 第11回公判(11月25日)で、安倍氏が官房長官時代に統一教会に祝電を送っていたことについて、動画を見た被告はこう供述しました。

 

一度出た以上は、ずっと出続けるのではないかと思った。非常に長い期間続けた元首相だから、(教団が)どんどん社会的に認められてしまうと思った」「いろいろ被った側からすると非常に悔しいというか、受け入れられない」(11月26日付共同配信)

 

 第12回公判(12月2日)でも、安倍氏が統一教会に寄せた動画を見た際の心境についてこう証言しました。

 

嫌悪感というか敵意というか、そういったものが徐々に強まっていった」(3日付共同配信)

 

 さらに同公判で、「安倍氏以外の政治家は対象にならなかったのか」ときかれ、こう答えています。

 

安倍元首相は、私の認識では統一教会と政治の関わりの中心にいる方だと思った。他の政治家では意味が弱い」(同共同配信)

 

 第13回公判(12月3日)ではこうも供述しています。

 

「安倍氏は常に標的の1人というまではいかないが、頭の片隅に常にありましたので、次は誰を標的にするかというときに安倍氏のことが浮かびました」(4日付共同配信)

 

 いつの公判かは分かりませんが次のような供述もあったと報じられています。

 

「被告は「(教団を韓国から)招き入れたのは岸信介元首相。だから(孫の)安倍氏を殺した」などと供述」(16日付京都新聞=共同)

 

 こうした供述から、被告が統一教会トップの次に安倍氏を狙ったことは決して「突発的」ではなかったことが分かります。そして、「統一教会と政治の関わりの中心にいる」のが安倍氏であり、統一教会(「教祖」文鮮明)を「招き入れたのは岸信介元首相」だという被告の認識は間違っていません。

 

 この事件の背景・根幹に、岸元首相から安倍元首相にいたる自民党と統一教会の癒着があることは紛れもない事実です。その癒着を自民党はいまも公式に認めず謝罪すらしていません。

 

 そして重要なのは、その自民党と統一教会の癒着(日本政治の腐敗)を放置し、結果助長してきたのは、「政治家」であり、メディアであり、主権者「国民」であった(である)ということです。

 

 暴力の行使は絶対に容認できません。安倍氏の死亡は痛ましいことです。しかし、上記のような背景・根幹にフタをし、私たち市民を含む社会の責任を不問にしたまま、山上被告に刑罰を加えて一件落着とすることは絶対に許されません。

 




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