

〔レイバーネット国際部・I〕
今日(12/7)に台北市でおこなわれた移住労働者のデモのプレスリリースをざっと訳して
みました。
移住労働者のデモは2年に一度行われてます。
原文はこちら
https://tiwa.org.tw/%e3%80%90ment%e6%96%b0%e8%81%9e%e7%a8%bf%e3%80%91%e5%bb%a2%e9%99%a4%e5%b7%a5%e4%bd%9c%e5%b9%b4%e9%99%90%e7%a7%bb%e5%b7%a5%e5%a4%a7%e9%81%8a%e8%a1%8c20251207/
===========
就労年限の撤廃を!
移住労働者デモ2025 プレスリリース
広報:呉静如
1992年、台湾は東南アジアから正式にブルーカラー移住労働者の受け入れを開始した。当
時、政府は彼・彼女らを「補充的労働力」と位置付け、来台就労年限を「2年」と定めた
。しかし時代の変化とともに、東南アジアからの移住労働者は、政府が当初想定した「補
充的労働力」ではなく、少子化・高齢化・労働人口減少・若年層の就労意識の変化といっ
た社会構造の変動の中で、台湾社会が頼らざるを得ない重要な担い手であることが明らか
となった。
そのため、1997年に1年延長が認められて以降、就労年限は段階的に延長され、2012年に
は現在の12年(家庭介護労働者は2015年に14年)へと拡大された。
一見、就労年限が徐々に緩和されたように見えるが、これは実際には差別的政策の延命に
すぎない。1997年、ブルーカラー移住労働者の就労年限が「2+1年」(=2年契約後1年延
長可)に改正された一方で、ホワイトカラー外国人労働者の就労年限は同時に撤廃され、
以後は無制限となった。
労働に貴賤はなく、すべての労働者がそれぞれの持ち場で貢献することにより社会は支え
られている。漁船で漁業に従事し、家庭や施設で高齢者を介護し、政府の大型建設工事現
場で重労働を担い、そして多くの台湾の子どもたちを育ててきた――85万人のブルーカラ
ー移住労働者は、低賃金・長時間労働・業務量の多さから台湾人がなかなか従事しない、
重要かつ日常的な仕事を担っている。しかし、ホワイトカラー移住労働者が享受する「就
労年限の無制限化」は、ブルーカラー移住労働者にとっては依然として高い壁となってい
る。28年間続く差別的政策は、いつになれば廃止されるのだろうか。
近年、台湾政府は日本や韓国との人材獲得競争や、国内の人手不足に対応する目的で、
2022年4月30日に「人材定着促進策(留才久用方案)」を打ち出した。「ミドル(中階)
スキル人材」と認定されたブルーカラー移住労働者は、就労年限の制限が撤廃される。ま
た、労働省が最近発表した「国境を超える労働力の推進案(跨国労働力精進方案)」によ
れば、2026年から製造業におけるミドルスキル人材の比率上限は、従来の25%から100%
へと引き上げられる。つまり、企業が雇用するブルーカラー移住労働者を全員ミドルスキ
ル人材とすることも可能になる。
これらの政策は、要するに「台湾が巨大な訓練センターになる」ことを回避する狙いがあ
る。つまり、台湾で技術や経験を身につけても、就労年限によって台湾に残れず、他国へ
流出してしまうという状況を避けようとするものだ。しかし、その土台となる「ミドルス
キル人材制度」自体が多くの問題を抱えている。
台湾移工連盟(台湾移住労働者連盟、MENT)は11月2日の記者会見で、ミドルスキル政策
の欺瞞性を具体的に指摘し、ミドルスキル移住労働者の当事者の声を通して、「なぜミド
ルスキルが政策欺瞞だと感じるのか」を社会に訴えた。
最大の問題の一つは、「ミドル認定」が労働者の権利ではなく、雇用主の「恩恵」とされ
ている点である。これは、台湾に残りたいブルーカラー移住労働者を受け身の立場に追い
やっている。たとえ一時的に雇用主の恩恵を受けてミドルへ昇格し台湾滞在を延長できた
としても、それが弱点となり、不当な要求に反抗しにくくなるリスクが高い。
「ミドル」とは本来、ブルーカラー外国人労働者が「就労年限のない権利」を取り戻す制
度のはずが、雇用主が移住労働者をさらに支配するための武器となっているのではないか
。
統計を見ると、ミドル政策が実施されて3年半、現在中階ブルーカラー移住労働者は全体
のわずか 4.7% に過ぎない。確かに、その4.7%は雇用主の恩恵に気を遣いながら台湾に
残ることができているが、同時に、どれほど多くの熟練した移住労働者が、雇用主の「恩
恵」が打ち切られ(新人の方が扱いやすい)、あるいは仲介業者の妨害(海外からの新規
受け入れの方が利益が大きい)によって、台湾を去ることを余儀なくされているだろうか
。
33年間、台湾がブルーカラー移住労働者に就労年限を課してきたこと自体が、制度的・構
造的な「人材流出政策」である。 今、政府はようやく過去の政策ミスに気づいたものの
、導入した「人材定着促進策」は穴だらけであり、大きな漏れを小さなガーゼで塞ごうと
するようなものだ。 それは一体「人材を引き留める」のか、それとも「流出させ続ける
」のか。
本日のデモは、台湾の移住労働者が一致して労働省に対し、小手先の対策ではなく、抜本
的解決を求めて立ち上がるものだ。ブルーカラー移住労働者の就労年限の廃止こそが、人
材定着の唯一の方法であり、長年続いた差別的政策を是正し、移住労働者に基本的な労働
権を取り戻す道である。
ブルーカラー移住労働者の就労年限を撤廃せよ!
台湾移工連盟(MENT)構成団体:
- 台湾基督長老教会労工関懷中心(LCC)
- 海星国際移工服務中心(STELLA MARIS)
- カトリック新竹教区移民移工服務中心(HMISC)
- カトリック新竹教区希望職工中心(HWC)
- 桃園市家庭介護労働者職業工会(DCU)
- 台湾ケア労働産業労働組合(SBIPT)
- カリタス台湾(Caritas Taiwan)
- 台湾国際労工協会(TIWA)
Created by
staff01.
Last modified on 2025-12-07 18:26:06
Copyright:
Default