
九条の会事務局声明
2025年10月25日
高市極右政権成立による憲法9条破壊と戦争国家体制づくりに立ち向かおう
2025年10月21日、自民党と維新の会の連立合意を受けて、高市早苗自民党総裁が首相に
指名され、高市内閣が発足しました。「戦後」を根底から覆す極右政権の登場です。
高市政権は、昨年衆院選での自民党大敗による改憲勢力の3分に2割れと市民の頑張りで
停滞を余儀なくされていた明文改憲を、本命の9条改憲を主軸に据えて強行する方針を打
ち出しました。自民党と維新の会の連立政権合意に、「憲法9条改正」と「緊急事態条項
」に関する「両党の条文起草協議会」を設置すること、「緊急事態条項」については「
2026年度中に条文案の国会提出を目指す」こと、「衆参両院の憲法審査会に条文起草委員
会を常設する」ことなどを明記したのです。中国を念頭に置いた戦争体制づくりを一層加
速するには9条の明文を改変しなければならないという判断による企てです。
高市政権は、戦争体制づくりのための9条破壊をさらに加速させようとしています。「安
保3文書の前倒し改定」、「反撃能力(敵基地攻撃能力)をもつ長射程ミサイル」の整備、
陸上展開の着実な進展と、「原子力潜水艦」と見られる「次世代動力を活用した潜水艦
の保有を推進」するなどの大軍拡のスビートアップを図り、それを支えるべく防衛費の
GDP比2%への増額を2年前倒しし、補正予算で今年度中に実施する方針を打ち出しました。
軍需産業の育成を加速するため、「防衛装備移転3原則の運用指針の緩和」、「武器輸
出を認める5類型」の撤廃も狙っています。
いわゆる「スパイ防止」法に関しては、2027年度末までに「対外情報庁」(仮称)と情報
要員養成機関の創設、「インテリジェンス・スパイ防止関連法制」の年内検討開始と早急
な成立、内閣情報調査室の「国家情報局」への格上げによって、「スパイ防止」の名目で
市民に対する監視体制を強化して、戦争国家体制をより一層固めようとしています。
こうした憲法破壊の政治をより「迅速に」強行するため、高市政権が衆議院議員の比例
定数削減案を臨時国会に提出し成立させようとしていることも見逃せません。少数意見、
少数政党を排除し、民意の国会への反映を妨げる、議会制民主主義を根本から破壊する暴
挙です。さらに、高市政権は、選択的夫婦別姓の否定、排外主義を煽る外国人規制強化な
ど憲法で保障される人権をあからさまに否定する政策をも強行しようとしています。
高市自維政権の登場で、いま、日本の「戦後」、憲法が岐路に立っています。憲法9条
にとどまらず、人権、民主主義が危機に晒されています。高市政権の企てに危惧を持つ全
ての市民が声を上げましょう。全国各地の市民が一斉に立ち上がり、これに抗する世論を
巻き起こし、高市政権の危険な策動を阻止し、はねのけましょう。九条の会もその先頭に
立つことを決意します。
--
高田健 <kenpo@galaxy.ocn.ne.jp>
東京都千代田区神田三崎町3-3-3 太陽ビル402市民ネット内
許すな!憲法改悪・市民連絡会
03-3221-4668 Fax03-3221-2558
http://web-saiyuki.net/kenpoh/
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
http://sogakari.com/
憲法9条を壊すな!実行委員会
http://kyujokowasuna.com/
九条の会事務局
mag@9jounokai.jp
Created by
staff01.
Last modified on 2025-10-25 12:29:30
Copyright:
Default