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韓国労働ニュース9月後半号:重大労働災害の根絶に向けた動き
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韓国労働ニュース9月後半号をお送りします。

李在明政府になって、特に、労働分野で目を見張るような変化が起きています。一つは、「黄色い封筒法」の成立です。

あと一つは「労災との戦争」と言葉で強調される重大労働災害の根絶に向けた動きです。

8月24日に「労働組合および労使関係調整法」(労組法)一部改正案(所謂「黄色い封筒法」)が国会を通過しました。日本でも参考になりそうなので、少し長いのですが、「ジェトロ」の解説を引用します。

使用者性の拡大:特定の労働条件について実質的・具体的に支配・決定できる地位にある元請けなどは、その範囲内で労働組合法上の使用者となり、交渉義務を負担する(第2条第2号)。

労働者でない者の組合加入制限の削除:一部の労働者でない者が労働組合に含まれているという理由だけで組合の自主性と主体性が否定されないようにする(第2条第4号)。

労働争議の範囲拡大:(1)事業経営上の決定の中でも、整理解雇のように労働条件と密接な関連があり労働条件の変更を伴う場合、(2)使用者が一部の労働条件(賃金、労働時間、安全衛生および災害予防など)に関する団体協約に違反した場合を、労働争議の対象に含む(第2条第5号)。

損害賠償請求の制限:不法行為を無条件に認めるものではなく、その程度に応じて責任範囲を合理的に制限し、正当な法的責任と権利保護のバランスを図る仕組みを設ける(第3条)。

損害賠償責任の免除:使用者が争議行為などによる損害賠償責任を免除できる旨の規定を新設し、労使紛争の円満な解決を図る(第3条の2)。

この改正は6カ月後から施行されます。

労働者の生活や企業活動に直接関係のある重要な闘いが展開されています。私が見るような韓国の新聞は「労」の字だらけです。

ある日の日本の新聞の紙面構成を見ました。全26面の内、自民党の総裁選挙に4面、スポーツが6面(世界陸上をやっていました)、毎度の株式が2面、テレビとラジオで2面、全面広告が3面、これだけで50%を越えました。社説と「声」が1面で紙面の下段にはもちろん各種の広告が並んでいます。一体こんな新聞に毎月5000円も払う価値があるのかと思います。もちろん労働組合の「労」の字も出ていません。

むかしむかし(30年も前です)、ソウル本部のユ・グヨンさんから「労働者の政治勢力化」という話しを聞いて驚いたことがあります。日本の労働者と較べて、韓国の労働者は十分に政治的な関心は高いのですが、「未だ未だだ」と言うのです。

「労働者が繰り返し、繰り返しゼネストで闘っても、世の中は少しも変わらない。私たちは十分に「社会勢力」として認められた。私たちに労働者に必要なのは「自ら、政治勢力になることだ」と言うのが「労働者の政治勢力化」です。

日韓民主労働者連帯
中村 猛

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