
渡部通信:明けない夜はない(330 )<若者を再び戦場に送るな!(80 )「経済
制裁」と「仮想敵国」の行き着く先>
=============================
第二次大戦後、長く東西冷戦が続いたが、
1989年12月に行われたマルタ会談(ソ連のゴルバチョフとアメリカのブッシュ(父))
で冷戦の終結が宣言された。2年後の1991年12月ソ連は崩壊した。
しかし、アメリカを中心とする西側諸国はその後、世界を自分たちが支配するように考え
反対する勢力に弾圧を繰り返した。それは湾岸戦争<イラク戦争>(1990〜1991)、アフ
ガン戦争(2001〜2021)
などであり、アメリカはそれらの国を「悪の枢軸」(イラク、イラン、北朝鮮)などと呼
んだ。
そして、その後もアメリカを中心とする米欧はヨーロッパやアジアで、
絶えず市場と勢力範囲の拡大を続けてきた。
それが、EU・NATOの東方拡大であり、対中包囲網の形成である。
その結果、ウクライナのNATO加盟に危機を感じたロシアは
2022年2月にウクライナへの侵攻を始めた。
当初すぐに停戦のための交渉が行われたが、4月にアメリカが反対し戦争は続くことにな
った。
そして、ロシアに対し極めて厳しい「経済制裁」が行われるようになってきた。
また東アジアでは対中包囲網の一環として中国・ロシア・北朝鮮を「仮想敵国」と
するようになった。日本は2022年12月の安保関連三文書でその「仮想敵国」を書き入れ、
さらに「敵基地攻撃の保有」も書き入れた。
そうした中で、9月1〜2日、中国で「上海協力機構(SCO)」の首脳会議が開かれた。
これには、ロシアのプーチン大統領やインドの首相、イランの首相など20か国以上の首脳
が出席、
2001年の(SCO)発足以来の最大規模の会議になった。
中国の習主席は、「アメリカファースト」で高関税をかけるトランプ政権に対抗、
「平等で秩序ある世界の多極化」を提唱した。
また翌3日は北京で、
「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念大会」が開かれた。
そこには、ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩総書記など20数か国の首脳が参加し
た。
習主席は、「抗日戦争は世界反ファシズム戦争の重要な構成要素であり、
中国人民は巨大な民族的犠牲をもって世界平和を守るために多大な貢献をした」と述べ、
また「今日、人類は再び戦争か平和か、対話か対立かの選択に直面している。
中国人民は堅く平和発展の道を歩む」とも述べた。
そして、皆さんの観られたように、整然とした軍事パレードが行われたのである。
結局これが、「経済制裁」と「仮想敵国」の行き着く先だったのである。
ところで現在、日本では「敵基地攻撃能力の保有」などと言って、
盛んに軍備増強を図っているが、ナポレオン戦争を注意深く研究した
クラウゼビッツの『戦争論』には、以下のようなことが述べられている。
〇戦争は政治的手段とは異なる手段をもって継続される政治にほかならない。
〇防御は消極的目的を有するが、しかし攻撃よりも強力な戦争形式である。
これに反して攻撃は積極的目的を有するが、しかし防御よりも弱い形式である。
〇我が方が敵を完全に打倒しない限り、敵が我が方を完全に打倒することを
恐れねばならない。そうなれば我が方はもはや自主的に振る舞うことが
できなくなり、敵は彼の意志をいわば掟として我々に強要することに
なるのである。
こうした指摘から考えれば、例えば、中国と日本の国力・軍事力を考えるならば、
中国を「仮想敵国」として、「敵基地攻撃の保有」などと言っていることが
いかに身の程知らずで、的外れであるかが分かるだろう。
(追)
現在、ガザでイスラエルのよる大虐殺が起きているが、
これまでG7の国々(日本も)は「パレスチナ国」を認めていなかった。
一方、米欧日から「仮想敵国」とされている中国・ロシア・北朝鮮、
イランなどは認めているのである。
またウクライナのゼレンスキーはイスラエルのガザ侵攻をいち早く支持したのである。
こうしたことをよく考えるべきである。
********************************************************
「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
https://houinet.livedoor.blog/
千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
http://hinokimitcb.web.fc2.com/
「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト
http://hinokimi.web.fc2.com/
Created by
staff01.
Last modified on 2025-09-04 12:35:32
Copyright:
Default