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LNJ Logo アリの一言:「やまゆり園事件」・参政党、そして「対話」
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「やまゆり園事件」・参政党、そして「対話」

2025年07月29日 | 事件と政治・社会・メディア
   

 「津久井やまゆり園殺傷事件から9年 何が問題か? あなたはどうする?」と題した講演とシンポジウムが26日、京都市内でありました。主催は毎年この日に同事件を考える企画を行っている市民グループです。

 「人の「尊厳」と「ケア」―相模原殺傷事件/「優生思想」をめぐって―」のテーマで基調講演を行ったのは哲学者・作家の永井玲衣氏(33)(写真中)。

 事件の根底にある「優生思想」。それは参政党が参院選公約で「終末期の延命措置医療費の全額自己負担化」を掲げたことにも通底すると指摘した永井氏は、「優生思想」とそれによる分断を克服するために、「対話」の持つ力を強調しました。

対話は傷ついた社会や個人を「修復」する試みです。対話とは「聴き合う」場です。「ここならいてもいいかな」と思える場を社会につくろうと試み続けること。それは人間の「尊厳」と深く関わっています。対話の核心は、あなたとともに座り続けること

 社会を変えるためには、自分が変わるためには、「問う」ことです。「問う」ことは抗うこと、他者を求めることです。

「対話は重要だ」と言われます。でも「対話をしたい」と思っているでしょうか?そもそも私たちは「対話」をした経験があるでしょうか?」(発言大要)

 永井氏は東北被災地はじめ全国各地で、そして小学生たちとも、「対話」を実践しています。
 シンポジウムや会場からの発言でも、参政党に関連するものが数多くありました。

 もう1人、参政党と関連して「対話」の重要性を強調している人の発言を紹介します。

 琉球新報(28日付)で辻愛沙子さん(クリエーティブディレクター)と対談している、 せやろがいおじさん(お笑い芸人、本名・榎森耕助)(写真右)です。
せやろがい氏は参政党・神谷宗幣代表のヘイトスピーチを批判し、自分のユーチューブアカウントで参政党支持者の意見を求めました。約1500件のコメントが寄せられました。それを踏まえてこう語っています

<全く同意できない主張もありますが、その人が置かれている切実な状況も分かりました。参政党支持者を「敵」と認定して攻撃していく先には、トランプ大統領の米国のような分断しかない。

 この間、批判と対話をセットにできないエラーを繰り返していると思うんです。だから、自分は平和のためにできることとして、批判もするけど対話もして、お互い理解し合っていく「批判と対話をセットにした発信」をテーマにしたいと考えています。>(28日付琉球新報)

 「対話」とは「聴き合う」場、「問う」場。「問う」ことは抗いつつ他者を求めること、他者とともに座り続けること。「批判」と「対話」をセットにする。それが傷ついた個人や社会を修復するこころみ―。実践するのは容易ではありませんが、そこに突破口があるような気がします。

Created by sasaki. Last modified on 2025-07-29 07:27:34 Copyright: Default

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