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〔レイバーネット国際部・Ｉ〕

香港のラディカル左派政党の社会民主連線が2025/6/29に解散の記者会見を行いました。
昨年のメーデー宣言を訳したこともあるので（ [labor-members 65407]  香港：社会民主
連線の５・１メーデー宣言）、昨日の解散宣言をざっと訳してみました。中文、英文もつ
けています。公式ウェブサイトhttps://www.lsd.org.hk/ にはまだ掲載されていませんが
、Facebookに掲載されていますhttps://www.facebook.com/hklsd。

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塵になるより灰となろう
社会民主連線　解散声明

来年の5月1日のメーデーは社会民主連線の設立20周年にあたります。しかし残念なことに
社会民主連線はその日まで存続することができませんでした。強力な政治的圧力に直面し
、様々な要因、特に会員や同志への影響を考慮し、本日ここに解散を決定したことを厳粛
に発表いたします。

社民連の設立以来、香港では普通選挙制度が実現されず、権力バランスが少数の権力者に
有利な政治構造の状況において、私たちは自らを「旗幟鮮明な反対派」と位置づけ、「権
力を人民に」という主張を掲げてきました。選挙における一人一票制の実現や平等な政治
的権利を伴う行政長官と議会選挙における普通選挙制度の実現を目指すだけでなく、市民
による直接行動の理念を堅持してきました。請願、デモ、住民投票の実施を通じて、市民
が積極的に政治に参加し、自らの権利を主張することを促し、政治・社会資源の配分権を
庶民に取り戻すことを目指してきました。

私たちは「弱きを濟（すく）い傾くを扶（かたむ）く義に反顧(はんこ)無し」（濟弱扶傾
，義無反顧＝弱きを助ける正義の行使に躊躇しない）という理念を掲げ、弱者の声を代弁
することを堅持し、不公平な社会政策や無駄な公共事業に対して、公の場で容赦なく批判
してきました。「闘争なくして変革なし」を掲げて非暴力を堅持し、街頭、議会、裁判所
という3つの戦場において、様々な手段を用いて、公民権と普通選挙権の促進のために闘
い、すべての人をカバーする退職年金や最低賃金といった様々な社会保障政策の確立に尽
力してきました。社会民主連線は、20年近くに及ぶ香港社会における主な社会運動や政策
提言のなかに立脚し、積極的に参加してきました。

社会民主連線は19年前の結成以降、組織の内部争いを経たのち、市民的不服従の取り組み
において、指導部のほぼ全員が投獄される危機に見舞われました。香港もまた、天地を揺
るがすような変化を経験しています。市民社会の衰退、民間組織の退廃、至る所に敷かれ
たレッドライン、そしてあらゆる問題で市民が弾圧される状況になりました。このような
状況に直面しても、社会民主連線は、創立時の初心を貫徹するために、声を上げ続けてき
ました！

しかしこれ以上前進することは困難であり、そして今日、その道のりは壁に突き当たりま
した。負のスパイラルが続く状況において、社会民主連線が「自発的」に解散を宣言する
最後の組織ではないことに、私たちは申し訳なく思います。今後の道のりは困難です。社
会民主連線はひとつの組織として、香港の社会運動の歴史において謹んで舞台を去ること
になります。しかし、我々はこの社会の一員として、すべての権力なき無辜の民とともに
、アメリカの作家ジャック・ロンドンが詩のなかで述べた例に倣いたいと思います。

「塵になるより灰となろう。燃え盛る炎のなかで光輝きながら燃え尽きるほうが、朽ち木
と共に黙して塵となり果てるよりもよい」

香港のあらゆる領域において、無力さに挫折することなく、暗闇を恐れることなく、信念
を貫くために輝き続けよう！

社會民主連線
2025年6月29日