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集会報告 : 日本政府は女性差別撤廃委員会に真摯に向き合ってください
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「国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)拠出金除外問題を外務省に聴く集会」報告です。(尾澤邦子)

 2月19日(水)午後1時から参議院議員会館講堂で「CEDAW拠出金除外問題を外務省に聴
く 外務省決定の速やかな撤回を!集会」が開催されました。
 外務省は、2025年1月29日の記者会見で、日本が毎年国連人権高等弁務官事務所(OHCHR
)に拠出している資金を、国連のCEDAW(女性差別撤廃委員会)には使わせないよう求め
たことを明らかにしました。

 このことに対し、女性差別撤廃条約実現アクションと日本女性差別撤廃条約NGOネット
ワークは、岩屋毅外務大臣あてに「質問および要望書」を2月5日に提出しました。そのな
かで「外務省のこの決定は、日本が国連機関との建設的対話によって相互理解を増進する
方法ではなく、意に沿わない決定に対しては金銭的報復をするという、国連中心主義に反
する外交姿勢を取ることを内外に明らかにすることです。この決定によって、日本は女性
差別撤廃条約と女性差別撤廃委員会の活動を尊重するつもりはないということを国の内外
に宣言したことになります。それは、ジェンダー平等のために努力してきた先人や人々の
努力を踏みにじるものです」として「1.決定の責任者と決定文書の開示」「2.女性差
別撤廃条約および女性差別撤廃委員会との関係の認識」「3.外務省の今回の決定と通告
の撤回、信頼関係の回復」を求めました。

 集会で、参議院議員の福島瑞穂さんは、「今回の外務省の決定を撤回してほしい。女性
差別撤廃委員会へ委員を送り込んでいる日本がとるべき対応ではない。気に入らないから
金を出さないというのは、違う。私たちはジェンダー平等を国内外で実現したいと強く思
っている。外務省が一緒にやってくださることを期待している」とあいさつしました。
 会場からは次々に女性差別撤廃委員会の意義や、外務省決定の撤回を求める意見が出さ
れました。連合の方も参加されていて、事務局長が「拠出停止に強く抗議する談話」を発
したと報告し、「このような経済制裁を科すことは断じて許されない」と発言しました。

 会場からの質問・意見を受け、司会から今回の外務省の決定に対して、そのプロセスや
政府として女性差別撤廃委員会の勧告に何をもって具体的に向き合っていくのか、皇室
典範問題の法的根拠について外務省の方に質問をしました。
 政府・外務省は、今回の判断は皇室典範に関する勧告の記述削除要請が受け入れられな
かったので、政府として検討し判断したとのこと。プロセスについてはわかりませんでし
たが、今後も、女性に対する差別の撤廃や男女共同参画社会の実現に向けての取り組みは
継続していくと話していました。皇室典範については、「国の歴史や伝統があるので差別
撤廃委員会で取り上げるのは適切ではない」とのことでした。
 会場からは、建設的な対話を望む声や、速やかな撤回を求める発言が続きました。また
「今回の外務省の対応の中に、国連外交をどうしていくのかのビジョン、そのためにやる
べきことが見えない」という意見もありました。参加された国会議員の方からも質問が出
されました。この決定は誰がどこで出したのかと聞いていましたが、わかりませんでした。

 「日本政府は女性差別撤廃委員会CEDAWに真摯に向き合ってください」という内容のオ
ンライン署名に取組んだSRHR市民社会レポートチームから報告と、約26,000筆の署名提出
がありました。

 参加された大河原まさ子議員は「拠出金を出さないことにまっとうな根拠はない。国民
の総意であるかのような空気をつくるだけの行為だ。建設的な対話で変わり合っていくた
めにがんばりたい」と話しました。またDV問題に取り組んできた議員の方は「この国はDV
国家なのかと思った」と話していました。
 外務省は、女性たちの怒りの声をしっかり受け止め、女性差別撤廃委員会への拠出金除
外通告を撤回してほしいと思います。集会参加者は162名との報告がありました。

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