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LNJ Logo 大阪・関西万博:パビリオン建設工事費未払い問題
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元請け会社・GLイベンツ大阪支社に突撃

かわすみかずみ

GLevents Japan大阪支社は大阪南港にあるATCという商業施設の5階にある。関西で活躍する記者と、夢洲カジノをとめる大阪府民の会の有志が集まり、GLeventsJapan大阪支社に突撃した。

7月1日午後2時。大阪メトロニュートラムのトレードセンター駅前に集合したのは、フリージャーナリスト2人、大阪民主新報の記者、夢洲カジノをとめる大阪府民の会から参加の2人、筆者の計6人。新聞赤旗の記者が密着取材で入っていた。

5階のGLevents Japan大阪支社(写真)に着くと、ガラス張りのオフィスは外から従業員の姿が見えた。さまざまな国の人がノートパソコンに向かっていた。従業員は20人ほどだった。オフィスのドアを開け、全員で中に入る。入り口に1番近い席に座っていた日本人の男性は、「アポを取ってますか?」と言った。記者は「アポを取れないから来ています。ホームページにある連絡先に電話しても誰も出ません。どうやったらアポを取れるんですか?」と聞く。男性は「アポを取ってください」と繰り返すばかりで話が堂々巡りになる。

記者らは「では、公的につながる電話番号を教えてください。今ここで連絡を取ってください」と迫るが、男性は番号を言わない。記者らは「何の話かは分かっていますよね? これは命の問題です。すぐに払ってもらわないと困るんです。おたくが未払いを起こしている金額は数億ですよ」と言うと、男性は「分かっています」という。記者が英語で「このオフィスのなかで、話ができる人はいないんですか?」と何度も呼びかけると、ひとりの初老の男性が奥から出てきた。初老の男性は「ここはオフィスです。大声はやめてください。アポが取れないなら郵送で送ったらいいじゃないですか」と制止。記者らは「いつの時代の話ですか?やりとりに何日かかると思ってるんですか?」と切り返した。この状況 をみかねた欧米系の中年女性と若い男性が出てきて「外で話しましょう」と言ってきた。

オフィスの外に出て、欧米系の中年女性と、英語ができる記者が話をする。記者が名前を名乗ると、欧米系の女性は名前も肩書も名乗る必要はないと言った。今日の夜までに、記者らにメールなどで連絡すると言ったが、この文章を書いている17時15分現在、連絡はない。

GL社は大阪・関西万博のパビリオン建設工事で、マルタ、セルビア、ルーマニア、ドイツのパビリオンの元請けとなっている。このすべてのパビリオンで同社が未払いを起こし、日本の中小建築業者が泣かされている。その手口は悪質だ。まず、簡単な契約書を交わし、工事の途中で工事費の半額を支払っておく。途中で改悪した契約書を出してきて、「これにサインしなければ残りの半額は支払わない」と言ってサインさせる。

その後、工事にケチをつけて支払わないと言ったり、クライアントが気に入っていないと言って支払わなかったりと、時間を延ばす。最後に契約解除だと言って支払わないと言う。

セルビアやドイツ、マルタの未払い被害者らは、これらの方法で未払いに遭っていることを証言している。

GL社は2026年に愛知県で行われる「アジア競技大会」で愛知県とスポンサー契約を結んでいる。630億円の契約で、GL社が資材や施設を提供することになっている。さらには2027年に横浜で行われる花博にも同社が参加予定。

このような企業が国家プロジェクトに参加することは妥当なのか?
税金から、このような企業にお金を出していいのか? スッキリしないものが残る。


Created by staff01. Last modified on 2025-07-02 10:09:13 Copyright: Default

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