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LNJ Logo 新宿駅東南口は自由な解放区 路上大学に50人
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堀切さとみ

 6月28日、18時になってもまだまだ明るい。猛暑の新宿駅は人でごった返していた。友人が「路上大学」なるものを始めたという。何となくワクワクするではないか。

 ラップ調の音楽を始める若者たちの前をすり抜け、東南口広場に行くと、小さなスクリーンの周りに人が集まっている。「イランへの侵略・事実上の核攻撃、ガザへの虐殺やめろ」のプラカード。一人一人がマイクを握り、連日のように報道される虐殺の現実から目をそらさないでと、歩く人たちに声を届ける。パン屋で働く若い女性や、イスラエル大使館の前で毎日スタンディングしているという人も。「警備が強くて、遠くからしか抗議できない。『火炎瓶が投げこまれれるかもしれないから』と警官は言けれど、パレスチナでは毎日子どもが爆撃で殺されているんだ」と。それらの一つ一つの話が<等身大>だった。

 路上大学の発起人の植松青児さんは「今ここで、立ち止まってくれているのは数十人だけど、世界中からみれば『虐殺やめろ』は多数派です」
 立ち止まって聞き入る人は多い。ヤンキーっぽい男の子たちも、写真を撮ったりしている。とりわけ外国人の注目度が高くて、語学がダメな私はこういう時、勉強しておけばよかったと悔しい思いをする。

 許可とるの大変だったでしょう?と植松さんに聞くと、ここは無許可で大丈夫なんだとか。まさに解放区。警察の介入も、ヘイトスピーチもないらしい。虐殺やめろ。当たり前だよね。

 抗議行動の後が、いよいよ本番の路上大学だった。50人ほどが集まっていた。朝鮮戦争開始から75年の今日は、『日本は朝鮮戦争にいかに関与したか』がテーマ。・・・と行くはずが、機材の故障でスクリーン投影が不可能になってしまった。でも、参加した人たちが自分のノートパソコンを開いてミニディスプレイにしてくれて、「何とかプレゼンできた上に、機材のカンパまで集まり、新しいプロジェクターを買うこともできそう」と植松さん。

 新宿と言えば、ベトナム戦争の時には西口フォークゲリラがあった。あのころのような自由な空間が再現されたらいい。

 次回の路上大学は8月2日。7月は参院選で東南口は使えないが、戦後80年の今年の8月には、路上フリー討論会を含めて、6日広島、9日長崎、29日韓国併合など計五回の開催を目指すということだ。


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