本文の先頭へ
休日の渋谷に「天皇制は、いらない!」の声響く
Home 検索

2.11反「紀元節」デモに参加して

那須研一

*写真提供=ムキンポさん

デモ出発地点の神宮通り公園に近づくと、路上に何台もの警察装甲車と、歩道・車道に溢 れる程の警官隊…デモ前の見慣れた光景とはいえ、警官の数が尋常でない。

今年の紀元節反対デモを取り巻く情勢ーー米軍と自衛隊が一体化する中、南西諸島の軍事 要塞化が進み、関西各地にミサイル弾薬庫の建設が強行され、アジアにおける公然たる武 力行使が切迫。昨年は自衛隊幹部が靖国神社参拝、戦後80年の今年は、天皇の自衛隊機に よる硫黄島訪問を初めとする「慰霊の旅」が目論まれ、再来年は「昭和100年」式典の計 画。それは、天皇制軍国主義による植民地支配・侵略の歴史の隠蔽と天皇制美化、「新し い戦前」におけるイデオロギー動員に他ならない。(写真左=筆者)

育樹祭ビラ弾圧にも見られるように、天皇制に異を唱えるものを犯罪者扱いし、大衆から の切り離しを図るーー今日の過剰警備の背景にも、そんな意図があるだろう。

デモの隊列は、およそ80人ーー「天皇制はいらない」「虚構の神話を押しつけるな」「建 国記念日反対」…シュプレヒコールを上げながら、渋谷の繁華街を進む。隊列が隠れてし まうほどの警察の大群が、我々の声を掻き消そうとするように「間を開けないでください! 進んでください!」と間断なく叫ぶ。

時々、強面の男性が沿道から突撃してくるのを警察が止めるのは、気脈の通じたパフォー マンスか? 唇にいくつもピアスをつけたおねえさんも、同様に制止されながら縁石に上が ってガードレールから身を乗り出して何やら叫んでいる。数年前までの反天皇制デモには 、日の丸・旭日旗を掲げた街宣車が並走して、大音量でがなり立てたものだが、右翼運動 も衰退したのだろうか。

沿道の通行人からは大いに注目を集めたが、彼らの目にはどう映ったのか。警官隊に護送 される異様な集団? 歴史修正主義が幅をきかせる今「皇室は植民地支配の責任をとれ」の プラカードも意味不明だろうか。休日の渋谷で、加害の歴史に思いを馳せてくれる人が1 人でもいてくれれば幸いである。

出発地点と同じ公園で解散。公園出口右手を行くと渋谷駅なのに、なぜか警官隊がそちら の行く手を塞ぐ。やむなく反対側から駅へと迂回。道すがら、強面の特攻服の男が警察と 談笑。唇にピアスの女性がその近くをうろつき、私に「逃げるのか⁉︎」とからんできた ので「警察に守られて、ウヨクごっこで騒ぐのはみっともないですよ」という趣旨のこと を伝えて、渋谷をあとにした。

↓撮影=にわゆきお


Created by staff01. Last modified on 2025-02-13 09:05:38 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について