公共交通の労働問題はみんなの問題だ〜国際興業バス運転士による第二回期日報告 | |
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堀切さとみ
1月27日、国際興業バス運転士、槙野圭さん(51)による労災不支給取り消し訴訟第二回期日が東京地裁で行なわれた。 上司や同僚から暴力、陰口、集団的な虐めを受け、会社に相談しても対応してもらえず、うつ病を発症した槙野さん。助けを求めたはずの労基署では、「頭を下げて復帰したほうがいい」「別の営業所に移ればいい」と言われ、労災申請は通らなかった。泣き寝入りするわけにはいかないと、昨年8月7日、労災認定のやり直しを求めて、国を相手に提訴したものだ。 この日の530号法廷は、バスや電車の運転士をはじめ、SNSなどを通じて知ったという会社員や公務員など沢山の人で埋まった。原告側席には尾林芳匡、白神優理子弁護士と槙野さん。被告側席に座るべき国側の代理人たちは、オンライン中継により、スクリーンに映し出された。 今回明らかになったのは、訴状への被告側の反論内容である。 また、「労災申請の最初の段階で言わなかったことを、後になって言い出すのは後付けだ」というのもあった。しかし、槙野さんが最初に労基署に相談した時は、他に誰も頼る人がおらず、精神状態がもっとも悪い時だった。労働行政は、そんな労働者の心理状態もわからずに仕事をしているのだろうか。 さいたま労基署の審査官は、槙野さんの訴えを聞いても「それはパワハラではない。学校のいじめと同じ」と言い放ったという。日々の生活の糧である職場で、脅迫文を入れられた恐怖、不安、絶望は、労働災害には当たらないというのだろうか。これについては次回、過労死専門の医師からの意見書を提出する予定だ。 尾林弁護士は、傍聴に駆け付けた人たちに向けて「槙野さんの身に起きたことは、決して労働者だけの問題ではない。バス運転士の労働条件は、減便や事故など、地域の人たちにも大きな影響を及ぼしている」と訴えた。 2021年5月に休職し、9月に労災申請。助けてくれるはずの労基署から「生きていたら労災申請は通らない」と笑って言われたという槙野さん。10人の証人のうち9人は会社寄りの証言をし、たった一人槙野さんの側に立ってくれた証人は退職に追い込まれた。 次回、第三回期日は、5月12日(月)11時30分から東京地裁530法廷にて。
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