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LNJ Logo 報告 : 『GAZAへのレクイエム』公開記念集会とトーク
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レポート : 小泉雅英

 1月7日、『GAZAへのレクイエム』公開記念集会とトークイベントに参加した。国分寺にはよく行くが、「カフェスロー」という、こんなスポットがあったのは、全く知らなかった。

 オープニングは、公開されたばかりのミュージックビデオ『GAZAへのレクイエム』が上映された。ガザ・パレスチナの子どもたちの写真(豊田直巳撮影)に、生田まんじ&SoSoが音楽を付けた作品。子どもたちの一人一人の名前を呼ぶ、生田のヴォーカルが切ない。この映像に登場する子どもたちは、今どこにいるのか。瓦礫の下で、夢見ているのだろうか。各地で撮影された豊田直巳の写真が素晴らしい。

https://youtube.com/watch?v=g2f2BK0RU94
A Requiem for GAZA(英語、アラビア語の字幕入り)

 第1部のライブコンサートでは、まず生田まんじ&SoSo が、気合の入った歌を聴かせてくれた。さきの動画でも歌われた曲を、生の迫力で聴かせてくれた。

 次に登場したジンタらムータの演奏と歌は、多彩で、豊かな音楽表現に浸ることができた。この中で、こぐれみわぞうは、イディッシュ語とアラビア語、英語、日本語を使い分けて、「平和」への祈りを歌った。サラーム、シャローム、ピース、どれも平和なのだ。大熊ワタルのクラリネット、谷森駿のバリトンサックス、みわぞうのパーカッションが、不思議なアンサンブルを産み出し、素晴らしかった。

 休憩の後、第2部は、『ガザ虐殺を考える』(論創社)出版記念を兼ねた、トークセッションて、「虐殺を見て見ぬふりをすることは、虐殺を容認していることと同じだ! 」と題されていた。

 登壇者は、森達也、豊田直巳、高橋和夫、畠山澄子の各氏。綿井健陽も予定されていたが、インフルエンザに罹ったようで、欠席。全てこの本の筆者たちで、「ピースボート」に関わっている人たちのようだ。この本は、編者の森達也が、「僕にこの問題の解説はできない。でも声をあげることはできる。(略)多くの友人たちや先輩たちの力を借りることもできる。ならば本は出せる。出さなければならない。できることはすべてやりたい。とにかく止めたい。終わらせたい」(p.7 刊行によせて)という思いで、形にしたものだという。

 トークでは、中東研究者、ピースボート運営者、写真家、それぞれの立場から、ガザ・パレスチナについて語ってくれた。時間の関係で、会場との質疑応答などはなかったが、日本在住パレスチナ人の飛び入り発言もあった。来場者の一人で、漫画家の石坂啓さんが指名され、発言した。彼女はピースボートの最初期から10年ほど関わっていたそうで、当時の経験を語ってくれた。

 ピースボートは、かつては、若く貧しい青年たちが、知恵と労力を絞って世界を巡り、学び合う新しい事業だった。これは私の記憶と印象とも合っていた。いつ頃からか、遊びと学びを兼ねた、豪華客船による世界周遊ツアーとなったようだ。それでも、日々の雑事を離れ、様々な学習と経験ができて、新しい出会いもあり、それなりに充実したものだろうが、数百万円という費用を出せる人は限られるし、時間とお金に余裕のある人しか参加できないことは、否めない。それはともあれ、この日は、夕方から夜9時半過ぎまでの2時間余りの、とても密度の濃い集会だった。(2025/01/10)

2025年1月7日 (火)
カフェスロー(東京•国分寺)にて


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