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LNJ Logo 小野政美:5月22日、名古屋地裁でウィシュマさん事件の裁判
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「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合・東海」の小野です。
ウィシュマさんが亡くなった名古屋では、藤の花が散り、ハナミズキやつつじが咲いてい
ます。

◆5・22 ウィシュマさん名古屋入管死亡事件国家賠償訴訟第12回口頭弁論のお知ら
せです。
前回の裁判で、原告、原告弁護団が準備書面に示した「緊急搬送義務違反」について、佐
野裁判長は「重要な争点」になり得ると述べ、国側は次回5月22日の弁論までにさらなる
反論を用意するとしましたので、5月22日の口頭弁論では、被告・国側の「反論」が提出
される予定です。

◆START(外国人労働者・難民と共に歩む会からの裁判傍聴の呼びかけです。
🔔ウィシュマさん裁判の傍聴支援を呼びかけます!

5月22日(水) 14:30から名古屋地裁でウィシュマさん事件の裁判が行われます!
13:40~13:55ごろ目安に、傍聴券交付予定ですので、傍聴希望の方はそれまでに名古屋地
裁にお越しください。

裁判後、15:15ごろより桜華会館4階松の間で記者会見と支援集会も行います。
※裁判の進行次第で開始時間が前後する可能性があります
日時:5月22日(水)
スケジュール:
15:15〜16:15 記者会見
16:20〜17:20 支援集会

※口頭弁論の終了時間によっては、記者会見の開始を遅らせる場合があります。
形態:オンライン(ZOOM)
下の質問でご記入いただいたメールアドレスに、後日ZOOMのURL・IDをお送りします。
ご質問などありましたらstart_tokai2011@yahoo.co.jpにご連絡ください。

START〜外国人労働者・難民と共に歩む会〜ホームページ
https://start-support.amebaownd.com/

START(外国人労働者・難民と共に歩む会)@start_tokai
https://twitter.com/start_tokai/status/1790896234380824749

Zoom配信も行いますので、参加を希望される方は以下のフォームからお申し込みください
。

5・22 ウィシュマさん裁判
記者会見・支援集会 オンライン参加申し込みフォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdND5iUizJMbBEu7AWYyHJJkZ4OdFyY9LNy0xS9JJ4SRzL8Gw/viewform

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◆2021年3月6日、名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サ
ンダマリさん(当時 33
歳)が栄養失調、飢餓状態にもかかわらず、点滴を受けられることもなく、緊急入院もさ
れずに亡くなったことを私たちは決して忘れません。2021年2月23
日の映像では、「担当さん、病院の点滴お願い」「もうできない、息もできない」と訴え
ている声が記録されおり、3月3
日付の「申出書」には「薬をください」という言葉もあります。その3日後、3月6日にウ
ィシュマ
さんは救急搬送もされず、点滴などの治療も受けられないまま亡くなりました。
あの痛ましい事件から3年余が経ち、ウィシュマさん名古屋入管死亡事件国家賠償裁判は
続いています。彼女が亡くな
った名古屋入管をはじめ、全国各地の地方入管ではいまだに人権侵害、非人間的な処遇が
繰り返され、悪化すらしています。

◆入管施設で収容中に死亡した外国人は、統計開始の2007年以降、ウィシュマさんを含め
て19人に上ります。

◆法務省・入管は、6月10日の「改悪入管法」施行に向けて準備を進めていますが、ウィ
シュマさん死亡事件の真相究明、責任追及もされないままであり、
このままでは再び入管の人権侵害、民族差別による犠牲者が出てしまうことは明らかです
。当事者の利益を守るためには、さらに入管
の権限を強化する改悪入管法を実質的に止めなくてはなりません。

◆私たちは、全国各地での一斉行動と連帯して、4月28日(日)13時半から1時間、名古
屋駅前で、難民申請中の当事者数名を含む約40名にの参加で、集会・デモ・スタンディン
グアクションを開催しました。この3年間、私たちは、「ウィシュマさん名古屋入管死亡
事件国家賠償裁判」を提訴されたウィシュマさんのご遺族の妹さん
(ワヨミさんとポールニマさん)
を弁護団と全国各地の支援者とともに支援連帯してきました。私たちは「ウィシュマさん
名古屋入管死亡事件の真相究明を行え!、名古屋入管での死亡に至るすべての記録映像を
公開せよ!、「名古屋入管・法務省はウィシュマさん名古屋入管死亡の責任をとれ!責任
者を処罰せよ!、「改悪入管難民法を撤回せよ!」「法務省は、在留特別許可で親も子ど
ももすべて許可せよ!」などを訴えました。難民申請中の当事者・家族からの命と尊厳を
かけた熱いアピールもありました。

◆入管の「送還一本やり方針」による犠牲者を出さないために、改悪入管法施行、監理措
置制度に反対し、ウィシュマさん名古屋入管死亡事件の責任を徹底して
追及します。当事者の利益を守り、在留資格の獲得を実現していきましょう。

◆前回、2月21日に行われた「ウィシュマさん名古屋入管死亡事件国家賠償裁判」第11
回口頭弁論(名古屋地裁)には、全国各地から傍聴者が詰めかけ、85席の傍聴席はほぼ全
席が埋まりました。ウィシュマさんの上の妹のワヨミさんは、裁判の意見陳述で、「健康
で明るく、ときには時間を忘れて夢中になって勉強する人で、困っている人には手を差し
伸べずにはいられない優しさと、聡明さを兼ね備えていたウィシュマは、もう何をしても
戻ってきません。裁判官にお願いです。人間の命がおもちゃのようにそまつに扱われる社
会に暮らす人たちは皆、、不幸です。必ずこの訴訟で入管の責任を明らかにして頂きたい
のです。どうか、この裁判で、法と正義を示すことで、この社会に暮すすべての人たちを
救って頂きたいのです。姉を失って、今日も泣いている(スリランカにいる)母のために
も、私たちのためにも。どうか、人間に、こんな死に方を決してさせてはいけないと、判
決を示すことで、入管に教えてあげて頂きたいのです。よろしくお願い申し上げます」と
意見陳述しました。ウィシュマさんの下の妹のポールニマさんは、裁判の意見陳述で、「
私は、今日、もう一度、残りの290時間分のビデオの提出を求めます。290時間のビデオを
きちんと調べないと、最終報告書や看守日記の記載が正しいかどうかは分かりません。国
は、保安上の必要性や姉のプライバシーや尊厳を理由として、残りのビデオの提出を拒ん
でいます。姉のプライバシーや尊厳は、私たちが守ります。姉の尊厳を傷つけた入管に、
姉の尊厳について語ってもらいたくはありません。私たち遺族には、姉の最後の姿を知る
権利があります。裁判所は、国に対して、すべてのビデオを提出するように命じてくださ
い」と陳述しました。


◆原告弁護団は、前回の口頭弁論に、医療提供が適切だったとの国側の主張に反論する第
13
準備書面を提出しました。準備書面では、医師や職員個々の問題ではなく「『一度、仮放
免を不許可にして立場を理解させ、強く帰国説得する』ため等という理由すら挙げて仮放
免を極力許可しないとする入管の方針」や「詐病を疑う入管の指導層」などの組織体質に
問題があったとして「ウィシュマさんは日本の入管行政の犠牲者である」と指摘していま
す。ウィシュマさんが亡くなる約
3週間前の2021年2月15
日の時点で「少なくともケトーシス(飢餓状態を示すケトン体の高い状態)を発症し、そ
の後ケトアシドーシス(ケトーシスが進行して血液が酸性に傾く状態)を発症し、
3月6日に死亡した」という医師の意見書を基にあらためて説明しました。ウィシュマさん
は低栄養状態で「ビタミンB1
欠乏症」が起こり、ケトアシドーシスに加えて「乳酸アシドーシス」も併発し、さらに脱
水状態とクエチアピン(抗精神病薬)の投与による肝臓障害が起こったことも上記の死因
に「補助的に関与した」との見方を示した。それに対し、被告の国側は、「ケトアシドー
シス発症の時期は特定しないのか」「(発症の)程度はどのように主張するのか」などと
、原告側にさらに釈明を求めました。佐野裁判長も「ケトアシドーシスが発症していなく
ても被告に責任があるのか」などと原告弁護団に尋問しました。原告弁護団は、当時、尿
検査でケトーシスの症状を示す結果が出たにもかかわらず、血液検査や適切な治療が行わ
れなかったことが、より危険なケトアシドーシスの発症を招いたと強調。その発症の時期
については「入管側が対処していないので特定は難しい。(特定できないのは)入管の責
任だ」と主張しました。裁判長は「今日の時点で争点をはっきりさせたい」とも述べまし
たが、次回5月22日の弁論までにあらためて書面で確認することになりました。佐野裁判
長は、原告弁護団が今回の準備書面に示した「緊急搬送義務違反」についても「重要な争
点」になり得ると述べました。国側は次回5月22日の弁論までにさらなる反論を用意する
としました。


前回、この裁判で、もう一つの争点である、ウィシュマさんが名古屋入管施設収容中のビ
デオ映像については、既に証拠提出された約5
時間分のビデオ映像について、この事件に関する入管庁の最終報告書や名古屋入管内の看
守日誌などと照らし合わせたところ、虚偽ないし誤った記載がこの法廷で公開された
5時間分に多数見られ、少なくとも8日分の場面について映像との違いや欠落があったとす
る報告書を合わせて提出し、残りの290
時間分についても証拠調べの必要性があるという原告側の2回目の意見書を提出しました
。

◆前回2月の裁判後の記者会見では、スリランカに一人残っているウィシュマさんのお母
さん、スリヤラタさんについて記者に問われ、お母さんは、今もウィシュマさんの死を悲
しみながら「私の代わりにきちんと真相究明をして」と日本に送り出したウィシュマさん
の妹、
ワヨミさんとポールニマさん
から電話で裁判の報告を受けている。裁判はあまりにも時間はかかっているけれど、母の
気持ちを受けて諦めず裁判に臨み続けたいと話しました。


◆裁判後の支援集会では、弁護団から、今回の口頭弁論の内容や、争点がほぼ出そろった
中での今後の裁判の見通しなどが報告されました。空野弁護団長からは、この裁判で、法
廷での口頭弁論などがこれほど詳細に行われるのは異例であり、裁判長の訴訟指揮もいい
との評価がありました。


◆ウィシュマさんのご遺族の妹さん
ワヨミさんとポールニマさんから、多くの日本人の裁判支援、遺族支援への感謝の言葉が
あり、裁判勝利までを闘い抜く決意が述べられました。


◆前回も、裁判傍聴・支援に駆け付けた、名古屋の「START〜外国人労働者・難民と共に
歩む会」の学生さんたち
、関西の「TRY」、関東の「BOND」などの学生さんたちから、各地の入管での収容者への
モノのように扱われている収容住アへの迫害、強制収容、ウィシュマさんが亡くなった後
も変わらぬ入管の収容者への人権侵害、医療の不十分な対応などが具体例を示しながら報
告されました。
入管収容者訪問や裁判傍聴など、学生たちや市民の真摯で真っ直ぐな支援連帯活動が現在
も全国各地で行われています。

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